宮尾新日銀委員:先行きに不確実性、金融緩和の継続が重要

日本銀行の審議委員に26日就任 した元神戸大教授の宮尾龍蔵氏は同日夕、日銀本店で会見し、景気に ついて「足元はかなり持ち直してきている」としながらも、先行きに は「いろいろな不確実性がある」と述べた。その上で金融政策運営に ついて「極めて緩和的な環境を維持することで、企業や家計の前向き な取り組みに金融面から支援を続けていくことが重要だ」と語った。

宮尾委員はデフレについては「金融危機後の世界的な景気の低迷、 あるいはそれに伴う将来不安がもたらす支出の抑制が現在の需要不足 の主な原因であり、その需給ギャップがデフレの主要因であると理解 している」と述べた。

宮尾委員は一方で、「相次ぐ経済対策の結果、今度は財政赤字や 財政破たんへの懸念も広がっている。これは各国共通の問題だ。そう いった中で日本については、短期的な政策も非常に重要だが、中長期 的な視点から規律の確保をしっかりと担保していくことが非常に重要 だろう」と述べた。

日銀は17日の金融政策決定会合で新型オペによる資金供給を10 兆円から倍増する追加緩和を決めた。白川方明総裁は会合後の会見で 「景気の総括判断は変わっていないが、個別の需要項目をみると全体 に幾分上振れ気味に推移している」とした上で、「こうした措置は経 済、物価の改善の動きを確かなものにすることに資する」と述べた。

追加措置は景気刺激効果も

宮尾委員は17日の追加緩和について「極めて一般的な考え方とし て申し上げると、景気が持ち直す局面で金利をわずかでも低下させる、 あるいは極めて低い金利を維持するということは、実体経済に対して より刺激的な効果を持つ可能性がある」と評価した。

宮尾委員は日銀が2001年3月から5年間行った量的緩和政策に ついては「金融システム対策として効果があった一方で、最終的な景 気や物価に与える影響についてはまだ結論が出ていないのではないか。 当時の日本経済は銀行部門が痛んでいたので限定的だったというのが 大勢の見方だ。ただ、これについてはいろいろな学術的な研究が進行 中であり、今申し上げたのは最終結論ではない」と述べた。

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