米自動車リコール、過去30年で3倍-電子化進み当局の対応が後手に

米国では過去30年で電子システ ムに関連した自動車リコール(無料の回収・修理)件数が3倍になり、 不具合の調査も4倍に増えた。加速などの機能をコンピューター制御 化する車両が増えたことが背景にある。

急加速の苦情へのトヨタ自動車の対応について調査している米議 員らは、米運輸省の道路安全交通局(NHTSA)は技術の進歩に後 れを取っていると指摘する。トヨタ車の衝突による死傷事故をめぐっ ては、電子システムが原因と主張する個別の訴訟が、これまでに少な くとも27件提起された。

米誌コンシューマー・リポーツの自動車テスト担当ディレクター、 デービッド・チャンピオン氏は「NHTSAは自動車の特性の多様化 に付いて行けず、不意を突かれているようだ」と話す。

NHTSAの統計を基にブルームバーグ・ニュースが集計したデ ータによると、この10年間の電子システム関連のリコール件数は年 平均34件と、1980年代の11件から3倍増。不具合の調査件数も同 3件から12件に増えた。

自動車の電子システムに関連したNHTSAへの苦情件数は 1990年代半ばから50%増え、この10年間は3798件。トヨタのほ か、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、フォルク スワーゲン(VW)など業界中のメーカーが苦情の対象になっている。

専門家は2人

ラフード米運輸長官によると、NHTSAのエンジニア125人の うち電子システムの専門家は2人。NHTSAは自動車の電子システ ムに関する規則を整備しておらず、加速装置の規則は1973年に作成 されたもので、最後に改定したのは95年だ。

ラフード長官は、トヨタのリコールに関する議会公聴会で、NH TSAは電子システムの専門家をもう1人採用する可能性があり、必 要に応じて外部の支援も要請できると説明した。

それでも議員の間には批判的な声がある。民主党のヘンリー・ワ クスマン下院議員(カリフォルニア州)は、2月23日の公聴会で「電 子システムの不具合が問題を引き起こした可能性をトヨタやNHTS Aが真剣に吟味した証拠はない」と指摘。「この問題に対処するには、 最終的には法整備が必要だと思う。自動車メーカーは電子の時代に入 ったが、NHTSAは自動車は機械という考え方から脱却していない ようだ」と語った。

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