ギリシャ財政危機は長期戦、ユーロは1.3ドルへ下落-バークレイズ

バークレイズ・キャピタル証券の 高橋祥夫チーフ外債ストラテジストは、巨額の公的債務を抱えるギリ シャの財政再建は長期戦を強いられると予想した。バークレイズ銀行 の山本雅文チーフFXストラテジストはユーロ相場の見通しを引き下 げた。

高橋氏は25日午後の記者説明会で、欧州連合(EU)によるギリ シャ支援について、5月に州議会選を控えるドイツが世論の反対が強 い安易な救済に慎重だと指摘。国際通貨基金(IMF)が資金繰り支 援に関与するとの見方を示していた。ギリシャは4、5月に200億ユ ーロ相当(約2.46兆円)の国債償還を迎える。

ギリシャの赤字削減計画に関しては、財政再建という「マラソン を短距離走で走っており、いずれ息切れせざるを得ない」と述べた。 財政赤字の削減はEU全体にも緊縮財政・金融緩和を迫るため、域内 成長率の低下とユーロ安の要因になるとも語った。

EU首脳会議は25日に開幕。ユーロ圏16カ国首脳は同会議で、 ドイツとフランスが提案したIMFと2国間融資を組み合わせたギリ シャ支援案を支持した。IMFの関与に批判的だった欧州中央銀行(E CB)のトリシェ総裁も26日、首脳による合意に歓迎の意を示した。

ギリシャ国債10年物利回りは25日に6.28%。域内の指標とされ るドイツ連邦債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は314ベーシス ポイント(1bp=0.01%)だった。ユーロの対ドル相場は25日に一時、 1ユーロ=1.3268ドルと2009年5月以来の安値を記録。昨年11月25 日の約1年4カ月ぶり高値1.5144ドルから12.4%下げた。

ユーロ安、当面1.3ドルも

バークレイズ銀の山本氏は同説明会で、ギリシャの財政危機によ って、「ユーロの構造問題があぶり出されてしまった」と指摘。ユーロ 相場の見通しを引き下げ、当面の安値を1.3ドル、年末には1.35ドル とした。従来はそれぞれ1.35ドル、1.45ドルだった。

同証券の森田長太郎チーフストラテジストは、ギリシャの財政問 題が他国に伝染するのではないかとの懸念に対して、1、2月に「日 本国債は安全資産として買われた」と語り、日本国債は約95%が国内 投資家で占められており、キャピタルフライト(資本の逃避)は起き にくいと説明した。

その上で、長期金利について、内外の景気回復傾向、米利上げの 再織り込み、10年度予算成立後の補正予算議論などを背景に、4-6 月期に1.5%程度までの上昇を予想している。その後、秋にかけては 低下に転じて10-12月期には1.1%程度まで下がると見込んでいる。

森田氏は、「中長期の財政再建の方向性が示されており、参院選が 終われば財政再建目標を打ち出さざるを得ない」と指摘。さらに、中 国の金融引き締めがリスク資産価格に影響するほか、世界経済の先行 指標がピークアウトすることが金利低下要因になるとみている。

一方、森田京平チーフエコノミストは、日本の消費者物価指数(C PI)コア指数について、少なくとも12年半ばまで前年比マイナスが 続くと予想。日本銀行の利上げは、「早くても12年4-6月期」と見 込んでいる。

実質国内総生産(GDP)に関して、1-3月期が前期比1.0% 増(年率3.9%増)、4-6月期が同0.3%増(1.3%増)、7-9月期 が同0.6%増(2.5%増)、10-12月期が同0.7%増(2.7%増)と予想 し、年前半は政策の空白期にあたり減速するものの、後半は輸出・設 備投資の増加に加え家計の改善が示されるとみている。

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