ユーロが約10カ月ぶり安値から反発、ギリシャ支援合意で買い戻し

東京外国為替市場ではユーロが対 ドルで約10カ月ぶり安値から反発した。欧州連合(EU)首脳がギ リシャ支援策で合意し、目先の不透明感が後退したことから、これま で売っていたユーロを買い戻す動きが優勢となった。

ユーロは対ドルで早朝に前日の海外市場で付けた昨年5月7日以 来の安値、1ユーロ=1.3268ドルに並んだ後、1.33ドル台前半へ上 昇。午後には一段高となり、一時、1.3354ドルまで買われた。

シティバンク銀行個人金融部門の尾河真樹シニアマーケットアナ リストは、ユーロの反発について「一応ギリシャ支援の方向性が見え たということに対する週末のポジション調整的な動きだ。ただ、支援 策もIMF(国際通貨基金)が関与するということで、本来のベスト シナリオとは違い、ユーロはどちらかというとまだ上値が重い印象だ」 と語った。

ユーロは対円でも1ユーロ=123円ちょうど前後から上昇。一時 は123円64銭まで値を切り上げる場面が見られた。

ギリシャ支援

25日にブリュッセルで開幕したEU首脳会議で欧州首脳は、巨額 の公的債務を抱えるギリシャに対して、IMFからの融資を組み入れ た支援策を準備することで合意した。欧州中央銀行(ECB)は欧州 による自力での危機解決を訴えていたが、最終的に同支援策を受け入 れた。

支援の枠組み合意では、ユーロ加盟各国はECBの資本金拠出割 合に応じてギリシャに補助金付きでない融資を提供することにしてお り、ギリシャによる資金調達手段が万策尽きた場合、ユーロ諸国が融 資の半額以上、残りをIMFから拠出することになった。

尾河氏は、支援策について「必要であればギリシャを支援すると いうことは分かったが、ギリシャのような経済規模の小さい国につい てもユーロ域内で救えなかったということに関してはそれほどポジテ ィブな材料ではない」と指摘。「ユーロ圏の信認の問題ということで考 えればいい話とは言い難いところがある」との見方を示した。

ドル・円相場は米長期金利の上昇を背景にドルが買われた流れが 受け継ぎ、1ドル=92円台後半と約2カ月ぶりのドル高水準で取引を 開始。国内輸出企業のドル売りが指摘される中、一時、92円39銭ま で軟化したが、ドルの下値は堅く、午後にかけては92円台半ばでも み合う展開となった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、米長期金 利の上昇については、米国債の入札が不調だったことが背景にあり、 必ずしも「良い金利上昇」ではないため、さらにドルを買い上げる材 料にはなりにくいと指摘した。

一方、シティバンク銀の尾河氏は「米国の短期金利も上昇してお り、日米の金融政策の格差が浮き彫りになっているということがベー スの1つにある」と分析。その上で、「ギリシャの話がいったん落ち着 けば、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)という話になる」 といい、来週は米雇用統計などの出方次第で「ドルが上がったり下が ったりする」可能性があると語った。

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