日銀は緩和的な金融調節を継続、年度末の資金繰り支援-円安・株高

短期金融市場では、日本銀行が潤 沢な資金供給を継続して、レポ(現金担保付債券貸借)金利の上昇を 抑制するなど年度末の金融機関の資金繰りを支援している。デフレ懸 念が根強い中、緩和的な調節姿勢を明確にする意図もあるとの見方も ある。

日銀はこの日、年度末をまたぐ本店共通担保オペ1兆2000億円 (3月29日-4月6日)を実施した。30日以降は政府から民間に支 払われる財政資金の余剰が強まるが、銀行が決済資金を多めに抱え込 むことで金融機関の間に資金偏在が生じる可能性もあり、証券会社な ど各業態の資金繰りに配慮している。

資金需要が最も高まる年度末越えの翌日物(3月31日-4月1日) では、これまでに全店共通担保オペが総額4兆円実施されおり、落札 金利は下限0.10%まで下がっているが、来週も年度末越えの資金供給 オペが継続されるとみられている。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「年度末の資金繰りは波乱 なし。レポがやや強含んだものの、コール市場の資金調達は弱い。日 銀は緩和姿勢を明確にしており、年度末の当座預金残高は20兆円を大 きく上回るだろう。年度末の株価も上昇している」という。

前日のレポ市場では、期待された共通担保オペの実施が見送られ たことをきっかけに金利が上昇した。この日も29日受け渡し分が一時

0.13%と、週初に比べて2ベーシスポイント(bp)程度高くなったが、 日銀の資金供給オペを受けて証券会社の資金調達圧力は和らいでいる。

日銀の追加緩和を評価

今年度末は経済対策などの影響もあり、例年以上に財政資金が余 剰になる。銀行の準備預金の積み上げが進む中り、日銀は資金供給オ ペを拡大しづらい面もある。ただ、前週の金融政策決定会合では3カ 月物の新型オペを20兆円まで拡大するなど緩和度合いを強める姿勢 を示しており、年度末は当座預金残高にかかわらず、短期金利の低位 安定を促すとみられている。

国内証券のディーラーは、巨額の発行が続く国庫短期証券(TB) 市場も年度末の持ち高調整は終わった様子で、取引は静かになったと いう。金融市場は円安・株高と良い雰囲気で年度末を迎えており、日 銀の追加緩和は結果的に成功したと指摘する。

4月1日発表の企業短期経済観測調査(短観3月調査)で景況感 の改善が見込まれる一方、デフレ懸念は根強く、日銀の金融緩和は長 期化するとの見方が多い。2月の消費者物価(コアCPI)は前年同 月比1.2%低下と、12カ月連続マイナス。日銀が4月末に公表する経 済・物価情勢の展望(展望リポート)では、デフレ長期化の見通しが 示されると予想されている。

日銀の亀崎英敏審議委員は25日の会見で、物価の下落圧力が当面 続くとの見通しを示した上で、「金融政策や財政政策を積極的に活用す ることによって、先行きの安心感をつくり出す」ことが肝要だと指摘。 講演では、「必要な場合にはプロアクティブに政策を実施していかなけ ればならない」と述べ、追加緩和の可能性に含みも残している。

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