2月の消費者物価は2カ月ぶりに下落率縮小-1.2%低下

(発表内容を追加します)

【記者:日高 正裕】

3月26日(ブルームバーグ):2月の全国の消費者物価指数は、前 年同月比の下落率が2カ月ぶりに縮小した。石油製品価格変動の影響 が薄れてきたことから、当面は現状程度の下落幅で推移する見通しだ。 消費者の節約志向の強まりから、食料品など身の回り品の値下げが目 立っており、デフレは長期化する公算が大きい。

総務省が26日発表した2月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食 品、コアCPI)は前年同月比1.2%低下と12カ月連続のマイナスと なった。3月の東京都区部コアCPIは同1.8%低下だった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が1.2%低下、東京 は1.7%低下。前月はそれぞれ1.3%低下、1.8%低下だった。

日銀は17日の金融政策決定会合で、新型オペによる資金供給を 10兆円から20兆円に増額する追加緩和を決定した。日銀は4月末の 経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2010年度と11年度のコ アCPI上昇率の見通しをあらためて公表する。デフレの長期化が示 されれば、日銀に対してさらなる緩和圧力が高まる可能性がある。

CPI総合指数は2月の全国が前年同月比1.1%低下、3月の東 京都区部は1.8%低下だった。前月はそれぞれ1.3%低下、1.8%低下 だった。変動の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型 コアCPI」は、2月の全国が1.1%低下、3月の東京都区部は1.2% 低下だった。前月はそれぞれ1.2%低下、1.3%低下だった。

高校授業料の無償化の影響

クレディ・スイス証券の河野研郎債券調査部長は、全国のコアC PIの動向について「前年比ベースでは0.1%下落幅が縮小している だけで、デフレ環境に大きな変化は見られない」と指摘。UBS証券 の会田卓司シニアエコノミストも「下落幅は徐々に縮小してきている が、物価の下落圧力は引き続き強い」と指摘する。

総務省は同日、参院で審議中の高校授業料の無償化について、制 度が導入され次第、消費者物価指数に反映されると発表。「反映した結 果の公表時には、高校授業料の無償化等の総合指数に与える影響(寄 与度)を計算し、公表する」としている。白川方明総裁は1月26日の 会見で「物価情勢を判断する場合には、制度変更に伴う一時的要因を 除いて、基調的な物価動向をとらえていくことが必要だ」と語った。

23日公表された2月17、18日の金融政策決定会合議事要旨によ ると、委員は「コアCPIが当面は現状程度の下落幅で推移した後、 マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、下落幅が縮 小していく」との見方を共有した。ただ、多くの委員は、米国型コア が昨年12月にマイナス幅を拡大したことを懸念材料として挙げた。

物価は幾分下振れ気味

そのうち複数の委員は「価格下落品目数が増加するなど、物価下 落のすそ野が広がっている可能性」を指摘。消費者物価の動きは1月 の「中間評価に比べ幾分下振れ気味となっている」と発言した。ある 委員はその背景について「GDP(国内総生産)ギャップの改善が想 定していたほど物価に波及していない可能性や、デフレ報道の活発化 によって中長期的なインフレ予想が下振れている可能性」を指摘した。

クレディ・スイス証券の河野債券調査部長は「日銀は景気判断を 小幅ながら上方修正させつつも追加緩和を実施した。日銀にとって見 れば政治的な側面が強いにせよ、インフレの基調が弱いことが大きな 懸念材料になっており、これが追加緩和実施に踏み切る大きな要因に なった」と指摘。「引き続きCPIの動向は重要だ」としている。

--取材協力 Minh Bui,Sachiko Ishikawa Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

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