3月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで10カ月ぶりの 安値を付けた。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁がユーロ圏の国 を国際通貨基金(IMF)など域外の機関が支援することは「非常に 悪い」と指摘したのが売り材料だった。

南アフリカ・ランドが主要通貨すべてに対して下落。同国中銀が 予想に反して政策金利を引き下げたのが手掛かりだった。メキシコ・ ペソはブルームバーグが調査する主要16通貨すべてに対して上昇。 同国の2月の失業率が前月比で予想以上に改善したのが買いを誘った。

ブリュッセルで開かれている欧州連合(EU)首脳会議では、独 仏両国がまとめたギリシャ緊急支援案が協議される。同支援案は国際 通貨基金(IMF)の支援と2国間融資の組み合わせとなっている。

カナディアンフォレックスのシニア・バイスプレジデント、ジョ ン・カラン氏(トロント在勤)は、市場参加者は「仏独がIMFの協 力を加えたギリシャ支援案の枠組みを形成したことを気にしていない。 本当に効力のある取り組みを示すよう求めている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時30分現在、ユーロは対ドルで

0.3%下落して1ユーロ=1.3282ドル。一時は昨年5月7日以来 の安値となる1.3268ドルまで下げた。一方、0.5%高まで買い進 まれる場面もあった。ユーロは対円では0.2%値上がりして1ユー ロ=123円16銭(前日は122円89銭)だった。ドルは対円で

0.5%上げて1ドル=92円72銭。前日は92円30銭。この日は 一時、1月8日以来の高値となる92円96銭まで買い進まれた。

非常に悪いこと

トリシェ総裁は仏テレビとのインタビューで「IMFなどほかの 機関がユーログループや域内政府の代わりに責任を果たすのであれ ば、それは明らかに非常に悪いことだ」と述べた。

サルコジ仏大統領とメルケル独首相は25日、記者団に対し、ギ リシャ支援の枠組みで合意したと述べた。トリシェ総裁の仏テレビと のインタビューはこれより先に収録されたが、独仏首脳合意の報道 が流れた直後に放映された。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨戦略担当ディレクター、カミ ラ・サットン氏(トロント在勤)は、「トリシェ総裁の発言はEU内 の不透明感が続いていることを強調している。その不透明感が相場に 影響している」と指摘。「IMFによるギリシャ支援はユーロ相場に 悪影響を及ぼす恐れがあるだろう」と語った。

ギリシャ政府のペタロティス報道官は、仏独の緊急支援案に 「満足している」と述べた。

南アフリカ・ランド

ランドは対ドルで3週ぶり安値に下落。予想外の利上げの背景に は、ランドが昨年来で26%上昇したことが寄与し、インフレが抑制 されていることがある。ランドは対ドルで最大1.4%安の1ドル=

7.4983ランド。今月5日以来の安値だった。

メキシコ・ペソはドルに対して最大0.9%高。過去1カ月で最 大の値上がりだった。2月の同国失業率は5.43%と、前月の

5.87%から改善した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリ スト予想平均値は5.7%だった。

◎米国株式市場

米株式相場は総じて下落。米財務省がこの日実施した7年債入札 が不調に終わったことや、ギリシャ救済に関して欧州首脳の間で意見 がまとまらないことを嫌気。株価は取引終了30分前に大きく下落し た。

シュルンベルジェやコノコフィリップスを中心に、エネルギー株 が下落。S&P500種株価指数のエネルギー株指数を構成する40 銘柄のうち38銘柄が値下がりした。ドルが上昇に転じたため、原油 価格が上げを消したことが背景。モンサントやデュポンが売りを浴び、 素材株は下げた。

一方、シティグループは高い。米政府が保有する米銀シティグル ープ株の売却観測を好感。アナリスト予想を上回る業績見通しを発表 した携帯電話機向け半導体のクアルコムや家電量販店のベスト・バイ も上昇した。

ワサチ・アドバイザーズのファンドマネジャー、マイケル・シニ ック氏は、「市場心理を左右している重要事項の1つとして、世界各 国政府の債務水準が挙げられる」と指摘。「債務問題は先々の課題で はなく、短期的な問題だという兆しが存在する限り、市場は不安を感 じる」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1165.73。一時は

1.1%上昇し終値ベースでの1年半ぶり高値を上回る場面もあった。 ダウ工業株30種平均は5.06ドル(0.1%未満)上昇の

10841.21ドル。一時は119ドル値上がりしていた。

利回り急上昇

米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇の3.88%。前日は17bp上昇している。10年債 利回りは家庭や企業、外国政府の借り入れ金利を決める際の基準に用 いられる。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は0.5%上げて

82.207と、09年5月以来の高水準となった。ユーロはドルに対し てほぼ11カ月ぶり安値に下落。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総 裁が、フランスのテレビ局に対し、ギリシャを国際通貨基金(IMF) など域外の機関が支援する可能性について「非常に悪い」と指摘した ことが背景にある。

フランスのサルコジ大統領は、ギリシャに対するいかなる支援も 国際通貨基金(IMF)が関与すべきだと主張するドイツのメルケル 首相に同調する意向を示した。

米財務省が実施した7年債入札(発行額320億ドル)の結果に よると、最高落札利回りは3.374%と、入札直前の市場予想の

3.372%を上回った。既発の7年債利回りは3bp上昇の3.33%。

入札に失望

ウェルズ・キャピタル・マネジメントの主任投資ストラテジスト、 ジェームズ・ポールセン氏は「この日の入札は失望を誘った」と指摘。 「問題は、国債利回りがどれくらい上昇し、それが株式相場にとって どれくらい障害になるかだ。トリシェ総裁の発言もこれまで急速に上 げ過ぎていた市場に水を差した」と述べた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、ほぼ30年 続いた債券相場の上昇は終わりに近づいているかもしれないと指摘し た。

グロス氏は各国政府が急増する財政赤字を賄うため、記録的規模 の国債を発行しており、米国や英国、日本などの過剰な借り入れが最 終的にはインフレを引き起こすとの見方を示した。PIMCOは、財 政赤字が低水準な上、社債の利回りが高いドイツやカナダなどの債券 を購入するよう勧めている。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏 は電子メールで「米国債市場はここ2日間、大きく下げた」と指摘。 「これは脆弱(ぜいじゃく)な経済が最も不要とするものだ。利回り 急上昇の理由が、米経済が突如として好調さを取り戻したからではな いからだ」と述べた。

ベスト・バイは3.6%高の42.66ドル。2009年12月-10 年2月(第4四半期)決算は、利益と売上高がアナリスト予想を上回 った。テレビやノート型パソコンの需要増加が寄与した。

クアルコムは、2010年1-3月(第2四半期)の一部項目を除 いたベースでの利益が1株当たり56-58セントになると予想。従 来は最大で同53セントと見込んでいた。売上高についても最低25 億5000万ドルと、従来予想の最低24億ドルを上回る見通しを示 した。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債利回りは昨年6月以来の高水準に上 昇した。今週実施された過去最大に並ぶ総額1180億ドル規模の国 債入札では、需要が過去の平均を下回った。

7年債も下落。この日の7年債入札(発行額320億ドル)で、 投資家の需要を測る応札倍率が10カ月ぶりの低水準となったことが 嫌気された。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(P IMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、 ほぼ30年続いた債券相場の上昇が終わりに近づいているかもしれな いと指摘した。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「7年債入札での応札は 非常に弱かった」と指摘。「2年、5年債の入札が振るわなかったこ とから、この日の入札では価格決定で多くの投資家が混乱した」と述 べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時2分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.89%。一時3.92%と、 6月11日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率3.625%、 2020年2月償還)価格は6/32下げて97 7/8。

前日は5年債が9カ月で最大の下げとなった。同日の5年債入札 では、最高落札利回りが入札直前の市場予想を上回り、その差は昨年 7月以降で最大だった。

7年債入札

この日の7年債入札では応札倍率は2.61倍と、昨年5月以来 の低水準。間接入札者の落札比率は41.9%と、過去10回の平均 54%を下回った。

最高落札利回りは3.374%と、入札直前の市場予想の

3.372%を上回った。

10年債利回りの相体力指数(RSI、期間9日)は75.4と、 昨年12月以来の高水準に上昇。同指数が70付近もしくはそれを上 回ると、利回り低下が近いことを示唆する。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債の投資収益率は今月、24日までの時点でマイナス1.02%。 投資適格級の社債はマイナス0.08%、高利回り債はプラス2.67%。

PIMCOのグロス氏は、ブルームバーグラジオとのインタビュ ーで、投資家が債券保有を減らすことを支持する考えを示した。

同氏は前日発表したコメントの中で、英国債は避けるべきだとし た一方、米国とブラジルの期間の短い国債や、ドイツや欧州「中核国」 の期間の長い債券に投資するよう勧めていた。

FRB議長の議会証言

金融政策に最も敏感な2年債利回りは前日比2bp低下の

1.09%。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証 言で、米経済には依然として低金利が必要だと発言したことが手掛か り。

バーナンキ議長は下院金融委員会で証言。証言原稿によると、同 議長は「米経済には引き続き緩和的な金融政策の支援が必要だ」と言 及。「その一方で、われわれは現在の非常に強力な金融刺激策を適切 な時期に反転させるため、手段を確保しようと取り組んでいる」と続 けた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドル高一服に加え、6週間ぶり 安値まで下げたことで買いが戻った。

ドルの対ユーロ相場は下落。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は、欧州連合 (EU)がギリシャのために取りまとめつつある救済計画は、国際通 貨基金(IMF)による支援とEU加盟国からギリシャへの二国間融 資を組み合わせたものになるだろうと述べた。24日には、ギリシャ 懸念とポルトガルの信用格付けの引き下げを手掛かりにドルが10カ 月ぶり高値を付けた一方、金は2月12日以来の安値まで落ち込んだ。

スイスの金精錬業者、MKSファイナンスのチーフトレーダー、 バーナード・シン氏(ジュネーブ在勤)は、「主に極東から極めて強 い実需の買いが見られる。投資家は押し目を利用して買いを入れてい る」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比4.10ドル(0.4%)高の1オンス=1092.90 ドルで取引を終了。年初からは0.3%下げている。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。株価が上昇したことで経 済成長が継続するとの楽観的な見方が広がった一方、ドルの対ユーロ 相場の上昇を背景に代替投資先としての商品の魅力が薄れた。

原油は一時1.1%上昇。ドイツとフランスがギリシャ向け金融 支援で合意に達したことでデフォルト懸念が後退し、株価が押し上げ られたことがきっかけとなった。その後、トリシェ欧州中央銀行(E CB)総裁が、ギリシャが不正確な数字を発表したことは「受け入れ 難い」と非難したことで、商品の上昇は一服した。

MFグローバル(ニューヨーク)のエネルギー担当バイスプレジ デント、マイク・フィッツパトリック氏は「原油の方向性を探るため に、株とドルの動きを追っている。相場は同じ範囲を行ったり来たり している。原油はレンジ取引の域を出ていない」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比8セント(0.10%)安の1バレル=80.53ドルで取引を終了。 年初からは1.5%高。過去1年では53%の値上がりとなっている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。ドイツのメルケル首相が国際通貨基金(I MF)の支援と二国間融資を組み合わせたギリシャ救済を、最後の手 段として支持すると表明したことを好感。独建設会社ホッホティーフ や英小売りのネクストの決算がアナリスト予想を上回ったことも支援 材料になった。

ホッホティーフは上昇。同社は2009年通期の利益が前年比で 25%増加したと発表した。ネクストも値上がり。20%の増配が好感 された。石炭火力発電所を保有する英ドラックス・グループも高い。 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が同 社株の買いを勧めたことが手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比1%高の264.79と、08年 9月以来の高値を更新した。

大和アセット・マネジメントのファンドマネジャー、グレガ ー・スミス氏は「市場センチメントは相対的に前向きだ」と指摘。 「金利は長期にわたり低水準に維持されるとの見方が広がっている。 ただ、企業にとってははるかに厳しい年になることを忘れてはいけな い」と述べた。

ホッホティーフやネクスト高い

ホッホティーフは4.9%高。同社が発表した決算で純利益は1 億9500万ユーロ。ブルームバーグがまとめたアナリスト9人の予 想平均は1億7800万ユーロだった。

ネクストは5%高。同社の10年1月通期決算は純利益が3億 6410万ポンドと、前年の3億240万ポンドから増加。アナリスト 予想平均の3億410万ポンドを上回った。

ドラックス・グループは7.8%高の383.4ペンス。RBSは 同社の投資判断を「買い」に、株価見通しは1株当たり560ペンス に設定した。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が下落。欧州中央銀行(ECB) のトリシェ総裁が緊急措置としての担保規則を2010年以降も延長 することを明らかにしたほか、ドイツとフランスがギリシャ向け金融 支援で合意に達したことが背景にある。

ギリシャ国債は上昇した。ECBの決定で、同国債が引き続きE CBが行うオペの担保として適格にとどまる公算が大きくなった。独 仏両国は欧州連合(EU)首脳会議を控えた25日、ギリシャ支援策 として、2国間融資と国際通貨基金(IMF)による支援を枠組みと することで合意した。

ノムラ・インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・ マローニー氏(ロンドン在勤)は、「EU首脳会議でこの時期を乗り 越えることができれば、ECBの動きと相まって、ギリシャ国債にと って大きな支援要因となる」と述べ、「安全な投資先を選好する動き が反転しても意外ではない」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時46分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.14%。 一時は2月10日以来で最大の7bp上げる場面もあった。同国債 (表面利率3.25%、2020年1月償還)価格は0.50ポイント下げ

100.92。

一方、ギリシャの2年債利回りは29bp低下し4.86%、10 年債利回りは10bp下げ6.30%となった。独10年債に対するプ レミアム(上乗せ金利)は316bpと、前日の332bpから縮小し た。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が続落。英国が財政赤字の削減目標 を達成できないとの懸念が台頭。景気回復も背景に、新発国債が供給 過多になる可能性が高まった。

10年債利回りは1週間ぶりに4%を超えた。この日発表された 2月の英小売売上高指数が2008年5月以来の大きな伸びとなった ことで、景気回復が本格化しているとの兆候が強まった。米パシフィ ック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、英国債に 対して「慎重」であることを明らかにした。ダーリング英財務相が 24日公表した予算案で財政赤字削減に向けた具体策が欠けていたこ とを理由に挙げた。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジスト、 オーランド・グリーン氏は「予算案の影響がまだ残っている。詳細が あまりなく、財政赤字を大幅に削減するという印象がない」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイト(bp、1bp=0.01%)上昇の4.02%。前日は7 bp上げていた。同国債(表面利率3.75%、2019年9月償還)価 格は0.31ポイント下げ97.86。一方、2年債利回りは1.18%と、 前日を3bp下回った。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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