米国株:総じて下落、米国債入札不調で-ギリシャも不安材料

米株式相場は総じて下落。米財 務省がこの日実施した7年債入札が不調に終わったことや、ギリシ ャ救済に関して欧州首脳の間で意見がまとまらないことを嫌気。株 価は取引終了30分前に大きく下落した。

シュルンベルジェやコノコフィリップスを中心に、エネルギー 株が下落。S&P500種株価指数のエネルギー株指数を構成する40 銘柄のうち38銘柄が値下がりした。ドルが上昇に転じたため、原油 価格が上げを消したことが背景。モンサントやデュポンが売りを浴 び、素材株は下げた。

一方、シティグループは高い。米政府が保有する米銀シティグ ループ株の売却観測を好感。アナリスト予想を上回る業績見通しを 発表した携帯電話機向け半導体のクアルコムや家電量販店のベス ト・バイも上昇した。

ワサチ・アドバイザーズのファンドマネジャー、マイケル・シ ニック氏は、「市場心理を左右している重要事項の1つとして、世 界各国政府の債務水準が挙げられる」と指摘。「債務問題は先々の 課題ではなく、短期的な問題だという兆しが存在する限り、市場は 不安を感じる」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1165.73。一時は1.1% 上昇し終値ベースでの1年半ぶり高値を上回る場面もあった。ダウ 工業株30種平均は5.06ドル(0.1%未満)上昇の10841.21ドル。一 時は119ドル値上がりしていた。

利回り急上昇

米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)上昇の3.88%。前日は17bp上昇している。10年債利回り は家庭や企業、外国政府の借り入れ金利を決める際の基準に用いら れる。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は0.5%上げて82.207 と、09年5月以来の高水準となった。ユーロはドルに対してほぼ11 カ月ぶり安値に下落。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が、フ ランスのテレビ局に対し、ギリシャを国際通貨基金(IMF)など 域外の機関が支援する可能性について「非常に悪い」と指摘したこ とが背景にある。

フランスのサルコジ大統領は、ギリシャに対するいかなる支援 も国際通貨基金(IMF)が関与すべきだと主張するドイツのメル ケル首相に同調する意向を示した。

米財務省が実施した7年債入札(発行額320億ドル)の結果に よると、最高落札利回りは3.374%と、入札直前の市場予想の

3.372%を上回った。既発の7年債利回りは3bp上昇の3.33%。

入札に失望

ウェルズ・キャピタル・マネジメントの主任投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は「この日の入札は失望を誘った」 と指摘。「問題は、国債利回りがどれくらい上昇し、それが株式相 場にとってどれくらい障害になるかだ。トリシェ総裁の発言もこれ まで急速に上げ過ぎていた市場に水を差した」と述べた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、ほぼ 30年続いた債券相場の上昇は終わりに近づいているかもしれないと 指摘した。

グロス氏は各国政府が急増する財政赤字を賄うため、記録的規 模の国債を発行しており、米国や英国、日本などの過剰な借り入れ が最終的にはインフレを引き起こすとの見方を示した。PIMCO は、財政赤字が低水準な上、社債の利回りが高いドイツやカナダな どの債券を購入するよう勧めている。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー 氏は電子メールで「米国債市場はここ2日間、大きく下げた」と指 摘。「これは脆弱(ぜいじゃく)な経済が最も不要とするものだ。 利回り急上昇の理由が、米経済が突如として好調さを取り戻したか らではないからだ」と述べた。

ベスト・バイは3.6%高の42.66ドル。2009年12月-10年2月 (第4四半期)決算は、利益と売上高がアナリスト予想を上回った。 テレビやノート型パソコンの需要増加が寄与した。

クアルコムは、2010年1-3月(第2四半期)の一部項目を除 いたベースでの利益が1株当たり56-58セントになると予想。従来 は最大で同53セントと見込んでいた。売上高についても最低25億 5000万ドルと、従来予想の最低24億ドルを上回る見通しを示した。

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