円高局面は為替ヘッジ率引き下げの好機-ステート・ストリートGA

ステート・ストリート・グローバ ル・アドバイザーズの為替運用グループ・ヘッド、新原謙介氏は、ブル ームバーグ・ニュースとのインタビューで、円は購買力平価を基にした バリュエーションで「中立に近い水準」にあり、ここから円高にいく局 面があれば、外貨建て資産投資の為替ヘッジ率が高い投資家にとって、 ヘッジ率を段階的に落とす好機になると指摘した。

新原氏は、2008年以降、円高警戒や内外短期金利差縮小によるヘ ッジコストの低下を背景に、機関投資家の為替ヘッジ率は高水準で推移 しているが、ヘッジコストの上昇と海外の長期金利上昇で「ヘッジ外債 自体がリターンとして2010年はいいのかという疑問が強くなっている ようで、ヘッジ率をいつ、どのような観点で下げたらいいのかという投 資家のニーズが明確にある」と語った。インタビューは23日に行った。

為替ヘッジとは、外貨建て資産へ投資する場合に、通貨の先物取引 などを利用して為替変動による資産価格の変動リスクを回避するもの。 将来のある時点で一定の為替レートで外貨売り・円買いの取引を行う契 約を結ぶことにより、円高が進んだ場合に発生する為替差損を回避する 。

新原氏は、「これまではヘッジコストも低いので中立よりも高いヘ ッジ率でよかったが、円のバリュエーションが中立になってきたので、 中長期的にヘッジ率をいじる余地があれば、ヘッジ率もある程度、中立 まで下げていくことが望ましい」と話した。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズはステート・ ストリート・コーポレーションの資産運用部門で、1兆9000億ドル (2009年12月31日時点)の運用資産を有する。

円は中立に近い水準

新原氏は、円の名目レートは1995年に記録した過去最高値に近い ところまできているが、長期的なデフレ環境下で円のフェアバリュー (適正価値)自体が上昇しているため、現在の円の水準は極端に割高で はないと説明した。また、金融危機前の2007、08年は円が「非常に割 安」だったことから、長期的に見ても「単純に以前の円安水準に戻ると いう環境にはならない」との見方を示した。

その上で、「今は円が中立に近い水準にあり、今後、ここから円高 が進めば、バリュエーション上、徐々に円高の領域に入っていくので、 そうした局面があれば、投資家は怖がらずにヘッジ率をある程度下げる べき」と指摘。また、すぐに起こるとは思わないが、機関投資家が一斉 にヘッジ率を引き下げ始めれば、「相場が円安に動くきっかけになる可 能性はある」と話した。

円は昨年11月に1995年7月以来の高値水準となる1ドル=84円 83銭まで上昇。過去1年間の対ドルでの上昇率は約6%で、平均レー トは92円97銭となっている。

購買力平価をベースとするステート・ストリートの評価モデルによ ると、主要通貨の中では米ドルとユーロが円と同様に中立に近い水準に ある。一方、英ポンドはかなり割安な状況で、オーストラリア・ドルは 割高な領域に達しつつあるという。

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