日本株は小幅続伸、円安推移で輸出中心に上昇-欧米不安と過熱感重し

東京株式相場は小幅続伸。為替市 場が円安に推移し、輸出採算の改善期待から自動車や電機、機械など輸 出関連株中心に見直し買いが入った。炭素繊維の値上げ方針を示した東 レがけん引する格好で、帝人などの繊維株も上げた。

もっとも、欧米経済の先行き不安が根強いうえ、最近の上昇で相場 に過熱感があることから買いの勢いは弱く、東証1部の値下がり銘柄数 は896と、値上がりの643を上回った。

損保ジャパン・アセットマネジメントの中尾剛也シニア・インベス トメント・マネジャーは「景気回復は間違いないが、バリュエーション が切り上がるほどの確信はない」とし、「緩やかな回復ペースに合わせ て、歩いた距離だけ先行きの景色が見える状態だ」と述べた。

日経平均株価の終値は前日比13円82銭(0.1%)高の1万828円 85銭、TOPIXは同0.16ポイント(0.02%)高の952.13。

朝方こそ円安を好感して上昇したものの、中国株安も重しとなり、 午後に入ると一進一退の様相が強まった。「米金利の上昇は景気回復を 背景とした良い金利上昇か、ソブリンリスク(国家の信用リスク)によ る悪い金利上昇なのか、判断に迷っている」と、損保ジャパンの中尾氏 は見ていた。

きのうの米国債市場では5年債の入札が行われ、投資家の需要を測 る指標の応札倍率が2.55倍と、昨年9月以来の低水準を記録した。10 年債利回りは3.85%と、1月以来の高水準に上昇した。

日米の金利差拡大を手掛かりに、ドル・円相場は前日の海外市場で 1月12日以来の円安値を付け、国内でもこの傾向を維持した。住信ア セットマネジメントの三沢淳一株式運用部長によると、円高による輸出 企業の業績悪化への警戒感が強いだけに、「円相場が落ち着きを見せ始 めたことは投資家の買い安心感につながる」という。

ただ、輸出関連の上げが株価指数全体を押し上げるほどの迫力はな く、円高メリット株である小売や食品株などは下げた。格付け会社フィ ッチ・レーティングスは24日、ポルトガルの信用格付けを1段階引き 下げた。欧州の経済弱体国の根強い財政悪化懸念に加え、東証1部の騰 落レシオが24日時点で134%と、過熱気味とされる120%以上にあるこ とで戻り売りも出やすくなっている。

東証1部の売買高は概算19億259万株、売買代金は同1兆3183億 円。

任天堂など活況、東洋水は続落

個別では活況銘柄が目立った。メリルリンチ日本証券やみずほ証券 が目標株価を引き上げた任天堂が52週高値を更新し、日本株の売買代 金首位。2日間の上昇率は14%で、08年11月以来で最大。09年12月 -10年2月期は2四半期連続で連結営業黒字を確保したもようと、25 日付の日本経済新聞が報じた不二越が急伸したのをはじめ、ファナック やツガミ、JUKIなど設備投資関連や機械株の上げも目立った。

半面、政府による輸入小麦の即時売却方式の検討は新たな火種だと し、クレディ・スイス証券が投資判断を引き下げた東洋水産が続落。ゴ ールドマン・サックス証券が格下げした全日本空輸も安い。ドバイ都市 交通システム建設工事での損失発生などで、10年3月期連結最終損益 が500億円超の赤字に転落する見通しと発表した大林組は反落。

新興市場は高安まちまち

新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.2% 高の53.58と、昨年9月以来約半年ぶりの7連騰。一方、東証マザーズ 指数は1.5%安の445.28と9営業日ぶりに反落。大証ヘラクレス指数 は1%安の622.80と14日ぶりに下落した。

個別の材料銘柄では、第3次中期経営計画を策定したプレステー ジ・インターナショナル、基幹技術「GANPマウス技術」に関する特 許が韓国で成立したトランスジェニックがそれぞれ急反発。売買代金上 位では、エイチアイ、インフォテリア、日本通信がそれぞれ値幅制限い っぱいのストップ高となった。

半面、UBS証券が目標株価を引き下げた楽天は4日ぶり反落。売 買代金上位では、サイバーエージェント、ビットアイル、ユビキタスな どが下げた。

--取材協力:近藤雅岐  Editor:Makiko Asai, Tetsuzo Ushiroyama

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