銀行の国債投資は5年未満に短期化も、需給懸念で-三菱東京UFJ銀

三菱東京UFJ銀行金融市場部ト レーディンググループの木下英明次長は、国債の需給悪化に伴う長期金 利の上昇(相場の下落)を警戒して、銀行は国債投資を5年未満に短期 化する可能性があるとの見方を示した。5年債からの資金シフトに伴い 、「5年以下の利回り曲線は傾斜化が強まる」と予想している。

ブルームバーグが算出した国債の利回り曲線は、国庫短期証券 (TB)3カ月物と残存期間3年の国債の利回り格差が7-8ベーシス ポイント(bp)と2008年4月以来の低水準で推移する一方、3年と5 年の国債の格差は30bpを上回り、09年の最高値38bpに接近しつつあ る。

木下氏はブルームバーグとのインタビューで、10年度の新規国債 発行額は過去最大の44兆円からさらに膨らむと予想する一方、年金基 金の減少に伴い「国債の買い手が減ることは明らか。このままいけば需 給バランスがどこかで崩れる。目先2年は維持できても、3年以降は不 透明との思惑も浮上しかねない」という。

銀行が主要な買い手とされる5年国債利回りは昨年12月に0.4% 台前半まで低下して約4年半ぶりの低水準を記録したが、その後は

0.5%付近で下げ渋っている。木下氏は、「量的緩和の時と違い財政リ スクプレミアムが乗るため、利回りの低下は限界に近い」と指摘し、残 存期間が5年以上の中長期国債ほど財政悪化の影響を受けやすいとの見 方を明らかにした。

一方、2月の日銀金融政策決定会合の議事要旨では、複数の政策 委員が消費者物価(コアCPI)の下振れの可能性を指摘。木下氏は 「日銀の利上げは当面見込めないが、緩和効果は5年物には及びづらく なっている」とし、銀行の買いが見込める2、3年物との利回り格差が 「最も拡大しやすい」と話している。

木下氏は、預金の受け入れが増加する銀行も、急増する国債を買 い支えるまでには至らないと指摘。ゆうちょ銀行の預入限度額の拡大に ついて「政府は国債を支える買い手として期待している可能性がある。 日銀にも買い入れ増額を求めてくるだろう。ただ、そういった方法で国 債を増発していくことは、金利上昇リスクを最も高める」と警戒してい る。

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