NY外為:ユーロ下落、ポルトガル格下げで財政問題拡大も

ニューヨーク外国為替市場ではユ ーロが対ドルで10カ月ぶり安値に下落。格付け会社フィッチ・レーテ ィングスがポルトガルの格付けを引き下げたことから、ギリシャの財 政問題が欧州内の他国にも波及するとの懸念が再燃し、ユーロ売りが かさんだ。

ユーロは主要16通貨のうち12通貨に対して下落。ドイツ、フラ ンス両国首脳がギリシャ支援では国際通貨基金(IMF)の協力が不 可欠との見解で一致し、欧州連合(EU)への信頼感が損なわれた。 ドルは対円で10週ぶりの高値に上昇。スイス・フランは対ユーロで最 高値近辺で推移した。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)がフラン 上昇を抑制する政策を放棄しつつあるとの観測が材料。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は、「フィッチの格下げはユ ーロの新たな売り材料となった」と述べ、「今は少なくとも2件のニ ュースが進行している。ギリシャがどうやって資金を確保するか、そ して別件ではポルトガル関連のニュースがある」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時37分現在、ユーロは対ドルで1.2%下 げて1ユーロ=1.3335ドル、前日は1.3499ドルだった。この日は一 時、1.3322ドルと、昨年5月7日以来の安値まで下げる場面もあった。 ユーロは対円では0.7%高の1ユーロ=122円88銭(前日は122円 3銭)。ドルは対円で1.9%高の1ドル=92円15銭(前日は90円40 銭)。一時は1月12日以来の高値92円23銭をつけた。

ポルトガル格下げ

フィッチは、ポルトガルの信用格付けを1段階引き下げ「AA-」 とした。フィッチの24日の発表によると、見通しは「ネガティブ」。 フィッチはポルトガルの1人当たり国内総生産(GDP)およびトレ ンド成長率が標準的な「AA」格付け国に比べ「かなり低い」とした。

米経済調査会社A・ゲーリー・シリングのシリング社長は24日、 ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ギリシャは「スロ ーモーションで脱線転覆に向かっている」とし、恐らくスペインがユ ーロ圏の次の財政危機を引き起こすだろうと語った。

ドイツ、フランス両国は、ギリシャ支援におけるIMFの役割を 支持することで一致した。ドイツ財務省当局者がベルリンで23日、匿 名を条件に明らかにした。

スイス・フラン

スイス・フランは一時、対ユーロで最高値を更新。前日は初の1 ユーロ=1.43フランの水準を上回った。SNBのヒルデブラント総裁 は、フランの「行き過ぎた」上昇に対抗する用意があると繰り返し述 べているが、フランの売り材料になっていない。SNBのヨルダン副 総裁は24日、ベルンでの講演後に「デフレリスクにつながることから、 スイス・フランの行き過ぎた上昇は容認できない」と述べた。

スイス・フランは過去2週間、ユーロに対し2.4%値上がりして いる。この日は1ユーロ=1.4296フラン。前日から0.2%下落した。 一時は1.4233フランの最高値を付けた。

円安・ドル高基調に転換か

BNPパリバの為替ストラテジスト、アンドルー・シャベリア氏 (ニューヨーク在勤)はブルームバーグとのインタビューで、ドルは 対円で5月末までに1ドル=99円84銭に上昇する可能性があるとの 見解を示した。2007年6月22日に記録した124円13銭の高値を起 点とする長期トレンドラインである91円85銭を上回ったのが理由だ。

シャベリア氏はフィボナッチ数列を用いたテクニカル分析を基に 「週間ベースでその水準を上回った場合、市場参加者は強気トレンド への反転について一段と自信を持つだろう」と述べ、「最低でも23.6% 戻しに相当する94円10銭をつけるだろう。さらに現実的に言えば

38.2%戻しを試すケースも多く、100円を目指すだろう」と続けた。

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