過去最大規模の10年度一般会計予算が成立-政権交代後初(Update3)

政権交代後初めてとなる過去最大 規模の2010年度一般会計予算が24日夕の参院本会議で税制改正など 関連法案とともに民主・国民新・社民の連立与党などの賛成多数で可 決、成立した。連立与党の国民新党は、予算成立を前に計11.1兆円に 上る追加経済対策案を発表しており、次の焦点は今年7月の参院選を 控えた補正予算を組むかどうかに移っている。

同日夜、記者会見した菅直人副総理兼財務相は「09年度2次補正 予算から引き続いて10年度本予算を執行していく。まだまだ警戒感を 緩めることができない経済情勢の中で、予算執行を迅速、的確に行う ことで景気回復の大きな力になってくると期待している」との認識を 示した。

同予算の一般会計総額は前年度当初比4.2%増の92兆2992億円。 鳩山政権が掲げる「コンクリートから人へ」の配分見直しを反映し、 社会保障関係費が同9.8%増の27兆2686億円と急増し、政策的経費 に充てる一般歳出に占める割合が初めて5割を超えた。一方で、公共 事業費関係費は同18.3%減の5兆7731億円と過去最大の削減幅とな ったものの、総額が膨らむ結果となった。

歳入面では、一昨年秋のリーマン・ショック以降の景気低迷から、 税収が前年度当初比18.9%減の37兆3960億円に落ち込んだため、新 規国債発行額は過去最大の44兆3030億円に上り、戦後初めて国債収 入が税収を上回った。このため、政府は今年6月をめどに、経済財政 運営指針の「中期財政フレーム」と、中長期の財政健全化の道筋を示 す「財政運営戦略」を併せて策定する。

また、新政権が掲げた子ども手当などのマニフェスト関連予算は、 概算要求時に暫定税率廃止に伴う税収減分2.5兆円を含めた6.9兆円 盛り込んだが、税収が大幅に減収したことから財源確保が困難となり、 半分以下の3.1兆円に圧縮。暫定税率の原則維持や高速道路無料化の 大幅な見直しに踏み切った。

連立与党から圧力-追加経済対策

同予算には、「経済対策が十分でない」とする鳩山由紀夫首相の 指示を受け、経済危機対応・地域活性化予備費1兆円と、使途を決め ず複数年度にわたって活用できる「国庫債務負担行為限度枠」1兆円 の計2兆円を盛り込み、景気の腰折れを回避する対策を講じた。輸出 の急速な回復に伴い、景気の二番底懸念は薄らいできたものの、政府 が追加経済対策かどうかに関心が移っている。

国民新党は予算成立直後に10年度補正予算を編成し、4月中の成 立を目指すとしている。これに対し、鳩山首相は24日午後の参院財政 金融委員会で「大変気が早い。予算の執行を早期に行うことが第一だ」 と言明。その上で、「二番底は避けられる状況になってきているが、 雇用状況は油断できない。注視しながら、必要に応じて適切な措置が 取られるような環境を整備しておくことが重要だ」と述べ、予備費な どの執行の必要性を見極めるべきだとの認識を示した。

また、菅財務相は同日の会見で「今の経済状況は市場に任せれば、 自律的な成長路線に乗るところまでは来ていない認識だ」としながら も、「この時点で、さらなる財政出動を言うのはあまりにも早い。場 合によっては経済活性化の1兆円の予備費もある。今の予算の中でも 追加的な財政出動が可能な仕組みもある。まず、そういうところから 検討に入っても良いのではないか」と語った。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは24日付 のリポートで、連立政権下では「与党間で異なる主張の妥協点を見い だすというのが、現実政治の要請だ」とした上で、「追加経済対策が 参院選前に策定される可能性はかなり高くなった。国民新党の要請に 対して、政府がゼロ回答にとどめることは考えにくい」と指摘。規模 については追加の国債発行は極力回避し、10年度予算で計上した2兆 円枠の活用にとどめるとの見方を示している。

24日付の読売新聞によると、国民新党は23日、非正規社員の正 規登用に取り組む民間企業への補助金や省エネ家電、環境対応車の購 入促進のための「エコポイント制度」、「エコカー補助」の延長など を柱とした対策案を発表した。財源は特別会計の剰余金や「無利子非 課税国債」を充てるという。

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