東京外為:ユーロが対ドルで昨年5月以来安値-ギリシャ支援不透明

東京外国為替市場では、ユーロが 下落幅を拡大する展開となった。25日から2日間の日程で開かれる欧 州連合(EU)の首脳会議を控えて、債務問題を抱えるギリシャの救 済をめぐる不透明感が根強く、ユーロの下値を模索する動きが続いた。

ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1ユーロ=1.3407ドルと、 昨年5月8日以来のユーロ安値を更新。ユーロ・円相場も一時1ユー ロ=121円43銭と、2営業日ぶりの水準までユーロが軟化した。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松 本圭史氏は、ギリシャの債務問題で国際通貨基金(IMF)に救いを 求めるということは、ユーロ圏が域内に「自浄能力」や解決手段を持 たないということを露呈しかねないと指摘。EU首脳会議を前にした 段階でIMF支援の可能性が生じているということは、「ユーロ圏の統 一通貨に対する信認を低下させる危険性がある」と説明している。

ユーロは主要16通貨に対してほぼ全面安の展開となり、対スイ ス・フランでは一時1ユーロ=1.4233フランと、1999年1月のユー ロ発足以来の最安値を付けている。

一方、ドル・円相場は対ユーロでのドル買いがやや優勢となり、 午後の取引で一時1ドル=90円66銭と、2営業日ぶりの水準までド ル高・円安が進んだ。

ギリシャ支援問題は混迷か

EU首脳会議を目前にして、ドイツ財務省の当局者は23日、ド イツとフランスがギリシャ支援にIMFが関与すべきだという立場で 一致したことを明らかにしている。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、ギリ シャ救済でIMFに支援要請する可能性が浮上したことについて「問 題の根深さが余計にクローズ・アップされている」と指摘。EU首脳 会議に対する期待感がどんどん低下していると語る。

さらに、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の金 融問題広報担当であるマイスター議員によると、CDUでは、メルケ ル首相がEU首脳会議で「ギリシャ支援の合意要請があれば拒否する」 とみている。

ドイツ国内でギリシャ支援に対する反対意見が根強い中、野村氏 は、ユーロ・ドル相場について、1.3400ドル台を下抜けると、昨年 4月の安値1.3000ドル前後まで下落余地が広がるとみている。

欧州当局者の発言を見極め

EUの外交当局者が匿名を条件に明かしたところによると、ファ ンロンパイEU大統領(首脳会議常任議長)はEU首脳会議に先駆け て、ギリシャ問題を協議するユーロ圏首脳会合を別途開催する可能性 がある。

日興コーディアル証の松本氏は、IMFによる支援については、 ギリシャ以外の債務問題を抱える国にも波及する可能性もあり、そう なれば、「ユーロ圏の構造的なリスク管理問題が問われるという懸念が ある」と指摘。ユーロの下落スピードが速かっただけに、海外時間に かけては、欧州当局者が市場の懸念を鎮める発言を出してくるかが注 目だとしている。

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