3月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが主要通貨の大半に対して 下落。フランスとドイツの首脳が国際通貨基金(IMF)のギリシ ャ救済での役割に合意したことが当局者の話から明らかになった。 これを嫌気し、ユーロ売りが出た。

スイス・フランは対ユーロで8日連続高。これは過去1年5カ月 で最長。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が景気改善に伴いス イス・フランの上昇を容認するとの見方が背景だ。英ポンドは下落。 2月の英インフレ率が予想を下回る伸びだったことから、イングラ ンド銀行(英中銀)が景気回復促進のために政策金利を過去最低水 準で据え置くとの見方が強まった。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は「IMFに頼るのは本当の意味で問題解決にはならない」と述べ、 「債務を金融システムのある部分から他の部分へと移すだけだ。ユ ーロを売り持ちにしている参加者が買い戻しを強いられる可能性は あるが、それでもユーロはこの先下げるだろう」と語った。

ニューヨーク時間午後3時51分現在、ユーロが対ドルで前日 比0.4%安の1ユーロ=1.3499ドル(前日は1.3558ドル)。ユーロ は対円では0.1%下げて1ユーロ=122円9銭、前日は122円21銭 だった。この日のドルは円に対して0.3%上げて1ドル=90円43 銭(前日は90円14銭)。

ユーロは主要16通貨のうち15通貨で下落。ドイツとフランスが ギリシャ支援でIMFの役割を支持することで合意したと、ドイツ 財務省の当局者が23日、匿名を条件にベルリンで記者団に対して 述べた。

ギリシャ支援めぐる反応

これより前、ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(C DU)は、同首相が今週の欧州連合(EU)首脳会議で「ギリシャ支 援の合意要請があれば拒否する」とみていることを明らかにした。C DUの金融問題広報担当ミヒャエル・マイスター議員がブルームバー グの電話インタビューで語った。EU首脳会議は25-26日にブリュッ セルで開かれる。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は22日、ギリシャ政府 が求めている低利融資に強い反対姿勢を示した。

野村ホールディングス(HD)の米法人、ノムラ・セキュリティ ーズ・インターナショナルの為替調査部門マネジングディレクター、 ジェンズ・ノードビグ氏は、ギリシャ問題への「解決策をめぐる不 透明感が続いており、中期的な資産配分で脱ユーロの動きを促して いる」と述べ、「ユーロ圏への投資手法を変更しているのは長期の 投資家だ」と説明した。同氏はユーロが対ドルで年末までに1ユー ロ=1.25ドルまで下げる可能性があるとみている。

スイス・フラン

スイス・フランは対ユーロで上昇、1ユーロ=1.43フランの水準 を初めて上回った。SNBのヒルデブラント総裁は23日、スイ ス・フランの「行き過ぎた」上昇に対し、「断固として」行動する用 意があるとあらためて表明した。フランはこの日、一時 1ユーロ=1.4262フランの最高値を記録した。

英国でインフレ統計が発表されると、ポンドは対ドルで下落した。 英政府統計局(ONS)が発表した2月の同国の消費者物価指数は、 前年同月比3%上昇した。1月は3.5%上昇だった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では2月は3.1%上昇と 見込まれていた。ポンドは対米ドルで0.3%下げて1ポンド=

1.5048ドル。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は1年半ぶりの高値に 上昇した。鉄鋼や半導体への需要拡大の兆しで、景気回復が力を 増しつつあるとの見方が強まった。

鉄鉱石生産のクリフス・ナチュラル・リソーシズが鉄鋼株の上昇 をけん引。ブラジルのヴァーレが鉄鋼石の価格を引き上げたとの報道 が手掛かりになった。半導体最大手インテルを中心に、半導体銘柄も 軒並み上昇。半導体ファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC) が2010年の世界生産見通しを上方修正したことを好感した。

建設機器のキャタピラーや食品大手クラフト・フーズが中心とな ってダウ工業株30種平均を押し上げ、同株価指数は約2週間ぶりの 大幅高。欧州各国がギリシャへの金融支援の枠組みで合意に近づいた ことも、主要株価指数の上げ幅拡大につながった。

S&P500種株価指数は前日比0.7%高の1174.17。終値ベ ースで08年9月26日以来の高値。ダウ工業株30種平均は102.94 ドル(1%)上昇の10888.83ドルと、ほぼ18カ月ぶりの高値とな った。

ルーミス・セイルズで資産運用に携わるデービッド・ソワビー 氏は「企業の増収ペースが加速し始めており、今四半期の利益は前 年同期比で40%近く増えるだろう」と指摘。「これが株価の驚くべ き押し上げ要因になっている」と述べた。

S&P500種株価指数は2009年3月に付けた12年ぶり安値から 74%上昇。経済がプラス成長を回復したことや企業業績の記録的低 迷が終了したことが背景にある。S&P500種構成銘柄全体の09 年10-12月(第4四半期)純利益は、前年同期比で07年4-6 月(第2四半期)以来初の増加に転じた。ブルームバーグがまとめた アナリスト調査によると、10年1-3月(第1四半期)の利益は前 年同期比30%増加する見通し。

クリフス・ナチュラルやUSスチールが高い

クリフス・ナチュラル・リソーシズは6.9%高の69.72ドル と、2008年9月以来の高値。09年売上高で米2位の鉄鋼会社US スチールは4.9%高。S&P500種の鉄鋼株指数は4.6%上昇した。

ブラジルのヴァーレは一部鉄鉱石の価格を4月1日から3カ月間 2倍以上に引き上げたと、ブラジル紙バロル・エコノミコが報じた。

S&P500種の資本財・サービス株指数はセクター別10業種中の 値上がり率で上位に入った。複合企業ゼネラル・エレクトリック(G E)やキャタピラーがけん引した。GEは1.4%高。キャタピラーは

4.1%上昇。

「自信強める」

オールド・ミューチュアル・グローバル・インデックス・トラッ カーズ・ファンド(ボストン)の最高執行責任者(COO)、ボブ・ タル氏は「市場参加者はやや自信を強めたようだ」と指摘する。

インテルは1.9%高。フィラデルフィア半導体指数は2.3%上 昇し、日中の水準としては08年8月以来の高値を記録した。S&P 500種の半導体株指数は2%高。1年7カ月ぶりの高値で終え、産業 別24種の上昇率トップとなった。

半導体需要

台湾のTSMCは、世界の半導体生産が今年は22%増加すると の見通しを示した。従来予想は18%増だった。台湾紙、経済日報が 同社の張忠謀(モリス・チャン)会長兼最高経営責任者(CEO)の 話を基に報じた。

多機能携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)」のメーカ ー、アップルは1.6%高の228.36ドルと、過去最高値を付けた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。株価が上昇したことで、比較的安全な米国 債の需要が低下した。あす24日には、5年債入札が予定されて いる。

2年債は上げを消した。23日に実施された2年債入札(発行額 440億ドル)では投資家の需要が昨年12月以降で最低となった。社 債や新興市場債といった高利回り資産への需要が高まるなか、10年 物のスワップスプレッド(米国債利回りとスワップ金利の差)は、 初めてマイナスになった。

スコシア・キャピタルの米国債トレーディング責任者、チャー ルズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「新規の買いは入らな かった」と指摘。「あすから2日間入札があることから、きょうは 供給分の取引のみだった。10年物金利スワップスプレッドがマイナ スになると、米国債には売りが出る」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時34分現在、既発2年債の利回りは前日比1ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の0.98%。同年債(表 面利率0.875%、2012年2月償還)価格は1/32下げて、99 25/32。 10 年債利回りは3bp上昇し、3.69%。

米株式市場では、S&P500種株価指数が前日比0.7%高の

1174.17で終了。終値ベースで2008年9月26日以来の高値となった。

この日の2年債入札の結果によると、投資家の需要を測る指標 の応札倍率は3.00倍と、12月の入札以来の低水準となった。過去 10回の入札の平均は3.10倍。

間接入札者の落札比率は34.8%で、12月の入札と同水準。最高 落札利回りは1%だった。

5年債入札

5年債利回りは1bp上昇し2.42%。一時は3bp下げる場面 もあった。米財務省はあす5年債(発行額420億ドル)、25日に7 年債(発行額320億ドル)の入札を実施する。今週実施される入札 の規模はすべて過去最大に並ぶ。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル 氏は、「2年債と5年債には非常に密接な関連性がある。2年債入 札が市場予想を下回る内容だったことから、5年債入札も予想を下 回ることを懸念すべきだ」と述べた上で、「10年債が非常に力強い ため、市場はまだこのことを反映していない」と指摘した。

スワップスプレッド

10年物のスワップスプレッドは一時、マイナス2.5bpと、ブ ルームバーグがデータを取り始めた1988年以降で最も低い水準を記 録した。

マイナスのスワップスプレッドは、米国債利回りがスワップ金 利を上回っていることを意味する。通常はスワップ金利の方が国債 利回りよりも高い。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、クリ スチャン・クーパー氏は、「これは新たな社債発行に関連したヘッ ジ絡みの動きだ」と分析。「こうした取引が増えれば、それだけス ワップ金利は低下する」と説明した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドル先安観から代替投資先とし ての金の魅力が増し、前日の3週間ぶり安値から上昇した。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.5%上昇した が、米中古住宅販売が2月に減少し、3カ月連続マイナスとなった ことで上げ幅を縮小した。2009年には金は24%上昇した一方、ドル は4.2%下落している。

ラサール・フューチャーズ・グループのトレーダー、マシュ ー・ジーマン氏(シカゴ在勤)は、「住宅統計の発表後、ドルの魅 力は薄れたようだ。金の最近の下げで、押し目を拾う動きがみられ る」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比4.20ドル(0.4%)高の1オンス=1103.70ドルで 取引を終了。22日には1092.10ドルと、中心限月としては2月25 日以来の安値を付けた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸。株価の上昇に加え、米燃料在庫が 減少したとの予想から買いが集まった。

原油は一時0.7%上昇。S&P500種株価指数が18カ月ぶり高 値となった17日の終値を上回って推移したことが手掛かりとなった。 米エネルギー省のエネルギー情報局(EIA)が24日に発表する3 月19日終了週の在庫統計では、ガソリン在庫のほか、ヒーティング オイル(暖房油)とディーゼル油を含む留出油在庫の減少が明らか になると予想されている。

シティグループ・グローバル・マーケッツ(ニューヨーク)の エネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は、「原油市場はひた すらS&P500種の動きを追っている。トレーダーはS&Pと原油 の相関関係に留意する習慣がついた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前 日比0.31ドル(0.38%)高の1バレル=81.91ドルで取引を終了。 年初からは3.2%上昇。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は1年6カ月ぶりの高値に上昇。ドイツとフランス が国際通貨基金(IMF)によるギリシャ支援を支持することで合意 したことを好感した。英保険4位のリーガル・アンド・ゼネラル・グ ループが市場予想を上回る決算を発表したことも追い風になった。

リーガル・アンド・ゼネラルは大幅高。同社は2009年通期決 算で利益を計上し、増配を明らかにした。クルーズ船運営のカーニバ ルは3年ぶりの高値に上昇。同社による利益見通し引き上げがきっか けとなった。英石油探査企業のケアン・エナジーは急伸。同社はグリ ーンランドでの掘削開始を発表したほか、インド北西部ラジャスタン での生産見通しを上方修正した。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%高の261.85で引け た。ドイツ財務省の当局者はベルリンで記者団に対し、独仏の両政府 がIMFによるギリシャ支援を支持することで合意したと明らかにし た。これをきっかけに、同指数は引け前1時間に上昇幅を拡大した。

ブリューイン・ドルフィン・セキュリティーズ(ロンドン)のチ ーフストラテジスト、マイク・レンホフ氏は「市場はとにかく上昇し 続けたいようだ」と指摘。「株式相場は極めて豊かな材料に支えられ ている。企業決算ニュースはまずまずの内容で、多くの場合が予想を 上回っている」と述べた。

リーガル・アンド・ゼネラルが高い

リーガル・アンド・ゼネラルは4.7%高。09年通期の純利益は 8億6300万ポンドと、ブルームバーグがまとめたアナリストの予 想平均4億6100万ポンドを上回った。投資収益の増加が寄与した。 配当は33%引き上げられ、1株当たり2.73ペンスとなる。

カーニバルは2.2%高。ケアン・エナジーは8%値上がりした。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債相場が上昇。ドイツ国債に対するプ レミアム(上乗せ金利)が縮小した。欧州連合(EU)当局者がギリ シャの財政問題の解決に向け支援を示唆したことが背景にある。

ギリシャ2年債利回りは5日以降で最大の低下。欧州中央銀行 (ECB)のトリシェ総裁は市中銀行から受け入れる担保のルールを 見直す用意があると述べた。現行の規則ではギリシャの格付けが引き 下げられた場合、ギリシャ債を同中銀の担保として使用できなくなる。 ドイツとフランスは、国際通貨基金(IMF)によるギリシャ支援を 支持することで合意した。ドイツ財務省の当局者が明らかにした。

WestLBの債券ストラテジスト、ジョン・デービーズ氏(ロ ンドン在勤)は「ギリシャへの支援材料が増えたことで、最近は最大 傾向にあったスプレッド(利回り格差)が縮小に転じた」と指摘。さ らに、ECBを含むギリシャをサポートする発言で同国債務をめぐる 懸念が和らいだと述べた。

ロンドン時間午後4時20分現在、ギリシャ2年債利回りは前日 比22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.28%。 同国債(表面利率4.3%、2012年3月償還)価格は0.41ポイント 上げ98.21。ギリシャ10年債利回りは14bp低下し6.34%。

独10年債とのスプレッドは14bp縮小し328bp。独10年債 利回りは1bp低下の3.06%と、2009年4月2日以来の低水準に 近づいた。

◎英国債市場

英国債市場では、2年債相場を中心に上昇した。この日発表され た2月の英インフレ率がエコノミスト予想以上に低下したことを背景 に、景気回復を確実にするためイングランド銀行(英中央銀行)が過 去最低水準にある政策金利を維持するとの見方が強まった。

英政府統計局(ONS)が23日発表した2月の消費者物価指数 は、前年同月比3%上昇した。1月は3.5%上昇だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、3.1%上昇と見込 まれていた。

2年債利回りは前日比3ベーシスポイト(bp、1bp=

0.01%)低下の1.18%。10年債利回りは1bp低下し3.91%と なった。10年債の8日続伸は2004年12月以来。

金利先物動向によると、利上げ観測が後退した。この日の金利先 物12月限は1.14%。2週間前は1.21%だった。政策金利は1年以 上にわたり0.5%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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