サウジ:握手すれば融資成立の良き時代、今や昔-銀行が条件を厳格化

サウジアラビアに住むマジド・サ ーディ氏の父や祖父はかつて、名前を名乗りさえすれば融資を受ける ことができた。

サーディ氏(31)の所有するテクノロジー企業、バージン・ホラ イズンズ・グループが今、融資を受けようとすれば、決算書や担保証 明が必要になる。サウジで最も有名なファミリー経営企業のうち2社 が金融危機のさなかに、デフォルト(債務不履行)に陥ったことを受 けて条件が厳しくなった。

サーディ氏はサウジの首都リヤドからの電話インタビューで「銀 行との関係が良好でも事態は複雑になっている」と述べ、「特に中小企 業は、土地や不動産など確固とした保証が必要だ」と指摘する。

欧米諸国の借り手にとって、書類や生年月日が必要なのは当たり 前だ。年配者は出生証明書がないケースが多いサウジでは、融資は握 手に基づいていた。政府が約4000億ドル(約36兆円)規模の景気刺 激策を導入し金利が6年ぶりの低水準にあるなか、銀行の貸し渋りが 景気回復を妨げるとの懸念が高まっている。

ジャドワ・インベストメント(リヤド)によると、サウジでの企 業向け融資は昨年、横ばいで推移。2004-08年は年率平均27%の伸び を示していた。世界最大の原油輸出国であるサウジでは約50%を民間 企業が占める。

家族経営の消費財輸入会社、クライシュ・トレーディング・カン パニーのマーケティング・事業開発担当マネジャー、アーミル・ガム ディ氏(30)は「以前は多くの銀行がアプローチしてきて融資が成立 した。今ではアプローチが減ったというより全く見掛けなくなった」 と語る。

サウジの銀行は、同国東部で最も有名な資産家一族が運営するサ ード・グループとアーマド・ハマド・ゴサイビ・アンド・ブラザーズ の2社がデフォルトに陥って以降、動揺している。

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