「うまく逃げ切れた」が新たな危機の温床に-LSEケイ教授が警告

【記者:Jennifer Ryan】

3月23日(ブルームバーグ):100年で最悪の金融危機を招いたリ スクテーク慣行にバンカーらが再び回帰しつつあり、さらにひどい混 乱を生む恐れがあるとロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LS E)のジョン・ケイ客員教授が警告を発している。

著書「オブリクイティー」(仮題:ゆがみ)を25日出版するケイ 教授は、金融機関のリテール(小口金融)業務と投資銀行業務を分離す べきだと提唱。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は昨年9 月、金融機関の組織体系についての教授の論文を「このテーマに関する 執筆では過去10年で最も重要」と称賛した。

ケイ教授は22日のインタビューで、「わたしが話した金融セクタ ーの非常に多くの人々」は、「うまく逃げられてほっとした。昔ながら の同じ方法でこれから続けて金もうけができる」といったたぐいの認 識だと説明。「そんなことをすれば結局、切り抜けたばかりの危機がさ らに大規模に再発することになるだろう。それもかなり早い時期に起 きる公算が大きい」と話す。

ケイ教授はその上で、「はるかに大掛かりな金融サービス業界の構 造改革こそが必要だ。最大の要素はカジノ型銀行業務から汎用型銀行 業務を分離することだ」と語った。

教授は著書の中で、人々は「幸福」や「もうかる事業の設立」と いった複雑な目的を直接でなく、間接的に追求することで達成するも のだと述べ、新たな銀行ルールが手っ取り早い利益の追求を認める限 り、銀行システムの安定と信頼の回復には十分でないと主張。利益を 最大化することだけを目指すバンカーを、決済や預金など基本的な銀 行サービスから締め出すべきだと訴えている。

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