債券は上昇、日経平均反落で先物買い優勢-国債償還で好需給も支えに

(第9段落以降に投資家別売買動向に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

3月23日(ブルームバーグ):債券相場は上昇(利回りは低下)。 日経平均株価が小幅反落して推移したことを受けて、債券市場では前 週半ばに急落した先物中心に買いが優勢となった。また、きょうは国 債償還日にあたって需給環境が良好とみられることも相場を支えた。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、10年債利回りでみて1.3%台後半では、これま で動きのなかった投資家が買った様子がうかがえるといい、「短期的に は株高の勢いが鈍る中で金利の上がりにくい展開だ」との見方を示し た。

東京先物市場の中心限月6月物はこの日の安値となる138円59 銭で始まったが、直後から買いが優勢となってじりじりと上昇。午後 には一時139円台目前の138円97銭まで上昇した。その後は138円 80銭台での推移が続き、結局は19銭高の138円82銭で取引を終えた。

先物市場では前週半ばに売りが膨らんで、18日には中心限月で約 4カ月ぶりの安値圏まで急落したものの、その後は株高一服などをき っかけに上昇に転じている。三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテ ジストは、この日は株価が小反落した以外に特段の買い材料はなかっ たとしながらも、「現物債に押し目買いの動きが出始める中で、先物は 先週に急落した反動の買い戻しが入りやすい地合いだ」との見方を示 した。

ただ、期末が近づくタイミングでは投資家が積極的に取引を手が ける可能性は低いとみられている。大和住銀投信投資顧問の横山英士 ファンドマネジャーは、期末接近もあって投資家は無理に買い上がる 必要はないことから、「先物も午前はしっかりの推移となるだろうが、 徐々に様子見姿勢が強まるのではないか」と予想しており、実際に株 価が午後にじり安となる場面でも債券先物の上値は重い展開となった。

10年債利回りは1.345%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは、前週末比0.5ベーシ スポイント(bp)低い1.355%で始まった。その後も買いがやや優勢 となって1.345-1.35%での取引となった。

23日には10兆円超とみられる国債償還を迎えるほか、今後2週 間は長期や超長期ゾーンの国債入札が実施されないことから、需給面 から買い安心感が広がったもようだ。三井住友海上きらめき生命保険 経理財務部の堀川真一部長は、国債償還で資金が入ってきたことの影 響が大きいとの見方を示した。

半面、期末が近づいて投資家が様子見姿勢を強める展開となれば、 薄商いの中で金利上昇圧力がかかることも考えられる。三菱UFJ証 の稲留氏は、先物中心に海外勢などの仕掛け的な売りが膨らむと、投 資家が現物買いに動きにくくなる可能性が高いといい、その場合に新 発10年債利回りは2月4日につけた年初来高値1.38%を一時的に上 回ってもおかしくないとの見方を示した。

都市銀行が2カ月買い越し

日本証券業協会が23日に公表した2月の公社債投資家別売買動 向によると、短期証券を除くベースで、都市銀行は9717億円の買い越 しとなった。1月の2兆251億円から買い越し額は縮小したが、みず ほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、余裕資金 を抱える銀行が着実に残高を積み増したと指摘した。

日銀が8日に発表した2月の貸出・資金吸収動向等によると、全 国銀行の貸出残高は前年同月比1.6%の減少。一方、都銀と地銀、第 二地銀の実質預金と譲渡性預金(CD)の残高は同2.9%増加した。

このほか、2月は生保・損保が超長期債を中心に8419億円を買い 越したほか、外国人は中期債中心に8188億円の買い越しとなって、 2009年8月以来、半年ぶりに買い越しに転じた。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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