日銀議事要旨:景気は若干上振れ、物価は幾分下振れ気味

日本銀行は23日午前、2月17、 18日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、複数 の委員から、2009年度の成長見通しについて、アジア向け輸出の強さ などを反映して1月の中間評価と比べて「若干上振れている」との認 識が示された一方で、消費者物価については、中間評価に比べ「幾分 下振れ気味となっている」との見方が示された。

先行きの上下のリスクについては、何人かの委員が「バランスし つつある」との認識を示した一方で、複数の委員は「景気の下振れリ スクは相応にある」と指摘。このうち1人は「特に今年の夏場までは ショックに対してかなり脆弱(ぜいじゃく)な状態が続くことに注意 が必要」と述べた。

さらに、ある委員は「全体としてリスクはバランスしている」と の認識を示した上で、「下振れリスクだけでなく、新興国のバブルと 商品市況の上振れリスクにも配意する必要がある」と述べた。

日銀は3月17日の金融政策決定会合で、新型オペによる資金供給 を10兆円から倍増することを決定した。白川方明総裁は会合後の会見 で「景気の総括判断は変わっていないが、個別の需要項目をみると全 体に幾分上振れ気味に推移している」とした上で、「こうした措置は 経済、物価の改善の動きを確かなものにすることに資する」と述べた。

インフレ予想が下振れている可能性も

2月17、18日の決定会合では、多くの委員が物価について「エネ ルギー・食料品を除くベースの消費者物価の前年比が12月はマイナス 幅を拡大している」と指摘。そのうちの複数の委員は「価格下落品目 数が増加するなど、物価下落のすそ野が広がっている可能性」を指摘 した。また、複数の委員は「消費者物価の動きは、中間評価に比べ、 幾分下振れ気味となっている」と発言した。

ある委員はこの背景について、GDP(国内総生産)ギャップの 改善が想定していたほど物価に波及していない可能性や、デフレ報道 の活発化によって中長期的なインフレ予想が下振れている可能性を指 摘した。一方、別の委員は「中長期的なインフレ予想の下振れは、こ れまでのところ見られていない」と述べた。

何人かの委員は金融面の動向について「中小企業の中でも、特に 規模が小さい企業で資金繰り判断が悪化している」と指摘。その上で 「企業規模間のばらつきが広がっている」と述べた。また、1人の委 員は「これらの企業の資金繰りについては、今後厳しさを増すリスク を含め、注意深く見ていく必要がある」と付け加えた。

金融政策への期待が高まっている

金融政策については、複数の委員が「企業経営者の間で、中長期 的な成長戦略が描きにくく、焦燥感が強まっている結果、金融政策へ の期待が高まっている」と述べた。

この点に関し、何人かの委員は「本格的な回復には生産性を高め ることが不可欠である」と指摘した上で、「これを金融政策面からも 下支えするため、必要と判断される場合には迅速・果断に行動してい く必要がある」との見解を示した。

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