米国債(22日):上昇、ギリシャ支援合意せず安全需要

米国債相場は上昇。欧州の指導 者らがギリシャ支援計画の詳細や日程について合意せず、比較的安 全な米国債への需要が高まった。

2年債利回りは1月以来の高水準から低下。あす23日には過去 最大規模の2年債入札が実施される。ドイツのメルケル首相は、今 週の欧州連合(EU)首脳会議がギリシャ救済案で合意すると期待 しないようにと投資家をけん制した。米下院は21日、約40年間で 最も包括的な医療保険改革法案を可決した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、クリ スチャン・クーパー氏は「リスクの低い資産への需要が見られる」 と指摘。「ギリシャ救済策がまとまるというのが前提になっていた が、それはいつのことで、どれだけのコストがかかるのだろうか」 と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時14分現在、2年債利回りは前週末比2ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.97%。19日には一時 1%と、1月8日以来の高水準を付けた。10年債利回りはこの日、 3bp下げて3.66%。

メルケル首相は独ラジオ局のドイツ放送局とのインタビューで、E U首脳はギリシャ支援への期待を膨らませることで市場に「幻想」を与 えてはならないと述べた。インタビューは21日に放映された。一方、 ギリシャのパパンドレウ首相とEUの欧州委員会のバローゾ委員長は、 EUが25、26日にブリュッセルで開く首脳会議で救済案の詳細を示 すべきだと発言していた。

トリシェ総裁

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は22日、欧州議会で、ギ リシャの救済策は、同国が支払う金利水準よりもむしろ、ユーロ圏が直 面する脅威の深刻さを条件にすべきだと発言した。

国際通貨基金(IMF)は、先進国が高水準の公的債務削減に取り 組むという「重大」な課題に直面していると指摘した上で、現在の景気 刺激策を引き揚げても財政赤字を節度ある水準に戻すことにはならない との見方を示した。

IMFのリプスキー筆頭副専務理事は21日、北京で開催されたフ ォーラムで講演し、主要7カ国(G7)でカナダとドイツを除くと、公 的債務の対国内総生産(GDP)比率は2014年までに100%に接近、 もしくはそれを上回る水準に拡大するとの予想を示した。

米財政赤字

財政赤字が対国内総生産(GDP)比で10%と、第2次世界大戦 後で最高となるなか、09年以降の国債発行額は2兆5900億ドルとなっ ており、供給過多の状態となっている。そのため、米国が「AAA」格 付けに値するかについて懸念する声が上がっている。

米下院は21日、約40年間で最も包括的な医療保険改革法案を可 決した。米議会予算局(CBO)は、向こう10年間で9400億ドル のコストがかかると試算している。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は、市場 は欧州で続いている諸問題により注目しているため、現時点で同法 案の影響を計るのは難しいと指摘。「過去数カ月間、米国債の需要が高い のは、欧州での問題のためだ」と分析した。

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