3月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が主要通貨に対して上昇。 インド準備銀行が利上げを実施したほか、ダウ工業株30種平均が9 営業日ぶりに下落したことから、高成長国通貨への需要が後退した。

ユーロはドルに対して週間ベースで1月以来最大の下落。ギリシ ャが欧州連合(EU)からの金融支援確保に失敗するとの懸念から、 売りが膨らんだ。英ポンドはすべての主要通貨に対して下落。イング ランド銀行の金融政策委員会(MPC)メンバー、アンドルー・セン タンス氏が、英景気は「二番底」に陥る可能性があると指摘したこと が背景。

みずほコーポレート銀行の米通貨セールス担当責任者、ファビア ン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は、「株式相場が見事な下落 基調にあり、安全資産に資金が流れている」と指摘。「ギリシャ問題 は解決から程遠く、それがドルに対しユーロを圧迫し続けるだろう」 と述べた。

ニューヨーク時間午後3時23分現在、ユーロはドルに対して 前日比0.5%安の1ユーロ=1.3538ドル(前日は同1.3608ド ル)。週間ベースではユーロは対ドルで1.7%安。ユーロは対円で

0.4%安の1ユーロ=122円45銭(前日は同122円99銭)。ド ルは対円でほぼ変わらずの1ドル=90円44銭(前日は同90円39 銭)。

インドの利上げを受けて、市場では景気刺激策の解除が世界的な 経済成長の抑制につながるとの観測が強まった。ダウ30種平均は

0.4%下落。

インド中銀の利上げ

インド準備銀行は、インフレ率が1年4カ月ぶり高水準となる中、 物価上昇の調整が「不可欠」になったと表明した。声明によれば、同 中銀はリバースレポ金利を3.5%と、過去最低だった3.25%から 引き上げた。レポ金利も5%と、従来の4.75%から引き上げられた。 インド中銀はこの日、1カ月後に予定されていた政策会合を待たずに 決定した。

BNPパリバのシニア為替アナリスト、ティオ・チンルー氏(シ ンガポール在勤)は顧客向けリポートで今回の利上げについて、「市 場ではほかのアジア各国の中央銀行もまもなく追随するサインだと解 釈される公算が大きい」と指摘。「実際に、インド中銀の発表直後に は世界中の資源国通貨が打撃を受けた」と述べた。

南アフリカ・ランドはドルに対して続落。一時は0.9%安まで 売り込まれた。貴金属価格の値下がりで、同国企業の収益が損なわれ るとの見方が広がった。

ニューヨーク金先物相場4月限は5日ぶりに下落し、前日比

1.8%安。ドルの上昇で代替投資先としての魅力が薄れた。

「最後の貸し手」

ユーロは週間ベースで、ほとんどの主要通貨に対して下落した。

ノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル氏は、欧州各国が ギリシャ財政危機の解決策を議論するに当たって、国際通貨基金(I MF)は「最後の貸し手」としてのみ考えるべきだと指摘した。

マンデル氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、ユ ーロは依然として「安全域」にあり、1ユーロ=1.25-1.30ドル に値下がりすれば、ユーロ圏にはプラスになるとの見方を示した。

英ポンドはドルに対して続落、ユーロに対しては4日ぶりに下げ た。イングランド銀行のセンタンス氏は、CNBCとのインタビュー で、英国には景気の二番底のリスクが若干あるとの認識を明らかにし た。さらに、英国は「相当な」財政引き締めが必要になると指摘した。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は9営業日ぶりの値下 がりとなった。インド準備銀行(中央銀行)が予定されていた会合を 待たずに利上げに踏み切ったことで、景気刺激策の引き揚げで世界の 成長が抑制されるとの懸念が広がった。

S&P500種株価指数では、エクソンモービルやダウ・ケミカ ルなどエネルギー・資源株の下げが目立った。原油相場が一時、バレ ル当たり80ドルを下回ったことが嫌気された。金融株も下落。ゴー ルドマン・サックス・グループが銀行や証券会社の業績見通しを引き 下げたことに反応した。パームも大きく下落。売上高見通しがアナリ スト予想に届かなかった。キャナコード・ファイナンシャルはパーム の株価予想をゼロに引き下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の1159.90。2月23 日以来の大幅な下げとなった。週間では0.9%上昇した。ダウ工業 株30種平均は37.19ドル(0.4%)下げて10741.98ドル。

バークレイズの調査責任者、ラリー・カンター氏はインドの利上 げ発表前にブルームバーグラジオのインタビューで、「刺激策という パンチボウル(パーティーのアルコール飲料)から目を離さない方が 良い」とし、「回復を勢い付かせるため資金が投入された国では、政 府がその刺激策の引き揚げに動くだろう。これは実際、大きなリスク だ」と指摘していた。

1年4カ月ぶり高水準

インド中銀は19日、インフレ率が1年4カ月ぶり高水準となる 中で、予定されていた会合を待たずに2008年7月以来の利上げに 踏み切った。声明によれば、リバースレポ金利を3.5%と、過去最 低だった3.25%から引き上げた。レポ金利も5%と、従来の

4.75%から引き上げられた。インド中銀の政策決定会合は1カ月後 の予定だった。

フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワーツ最 高投資責任者(CIO)は、「中銀がこうした政策金利の変更を実施 し騒ぎが起きればいつでも、市場ではこのような反応が見られる」と 指摘。「米連邦準備制度理事会(FRB)からも、政策変更の用意を 示唆するシグナルや行動が見られ始めれば、市場も反応するだろう。 それに加え、株式相場はこれまで大きく上昇していた。利益を確保す る動きが出ても不思議はない」と述べた。

株価の変動

株価の変動幅は狭まってきている。S&P500種の日中安値と 日中高値の10日間の平均変化率は0.8%と、2月8日の1.8%か ら縮小した。

オークブルック・インベストメントのピーター・ジャンコウスキ ーズ共同最高投資責任者(CIO)は「大きな動きは予想していない」 とし、「安値からのこれまでの上昇で株価は適正水準となっている。 市場は持続的な景気回復を示すさらなる兆候を待っている状況だ」と 述べた。

エクソン、ダウ・ケミカル

エクソンは0.5%安の67.04ドル。ダウ・ケミカルは3.5% 下げて28.95ドル。フリーポート・マクモラン・カッパー・アン ド・ゴールドは2.2%安の78.51ドル。

S&P500種の金融株指数は0.7%安。ゴールドマン・サック スは2月の結果を踏まえ、資本市場と関連した銀行や証券会社の業績 見通しを15%引き下げた。

パームは29%安の4ドル。ダグ・ジェフリーズ最高財務責任者 (CFO)は18日、3-5月(第4四半期)の売上高が1億5000 万ドルを下回るとの見通しを示した。ブルームバーグがまとめたアナ リストの予想平均は3億ドルだった。

◎米国債市場

米国債市場は2年債と10年債の利回り格差が1月以来の最小に 縮小。今週発表された2月の消費者物価指数(CPI)が前月から変 わらなかったほか、同月の生産者物価指数(PPI)が予想以上の落 ち込みを示したのが背景だ。

2年債は週間ベースで3週連続安、昨年8月以来で最長となった。 来週は2年、5年、7年債の入札が実施される。入札規模は過去最大 に並ぶ1180億ドル。連邦公開市場委員会(FOMC)は16日に 発表した声明で、「長期にわたって」低金利を維持すると述べたほか、 住宅ローン担保証券(MBS)の購入を今月で終了する意向を示した。

SEIインベストメンツで80億ドル相当の資産運用に携わるシ ョーン・シムコ氏は「インフレ抑制見通しが短期債よりも長期債に有 利に働いている」と述べ、「来週は入札があり、さらに量的緩和も終 わりが近づいてきたことから、利回りカーブはフラット化しつつある」 と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上げて3.69%。2年債と10年債の利回り 格差は2.70ポイントと、終値ベースで1月1日以来の最小を記録 した。

10年債利回りは週間で1bp下げた。2年債利回りはこの日3 bp上げて0.99%。週間では4bpの上昇。

米労働省が発表した2月のCPIは前月比で変わらず。前月比で プラスを記録しなかったのは2009年3月以降で初めて。2月の生 産者物価指数全完成品は前月比で0.6%低下した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は前月比0.2%低 下だった。

インフレ見通し

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

2.19ポイント。年初来最高水準は1月11日に記録した2.49%だ った。同格差はインフレ期待値を示す。

ブラックロックの米債券部門共同責任者、カーティス・アーレジ 氏は顧客向けリポートで、「資源のたるみや経済成長への向かい風を 考えると、インフレは年内落ち着いて推移すると予想している」と語 り、「中期から長期債に対してはより前向きな見方だ」と続けた。

FOMCは声明で、「住宅ローン貸し出しと住宅市場を支援し、 さらには民間信用市場全体の改善を促すため、FRBは政府機関発行 の住宅ローン担保証券を1兆2500億ドル、政府機関債を約1750 億ドル購入している。これらの購入は近く終了を予定しており、残り の購入は今月末までに完了する」と語った。

金利見通し

金利先物市場動向によると、9月のFOMC会合までにフェデラ ルファンド(FF)金利の誘導目標が少なくとも0.25ポイント引 き上げられる確率は51%、1カ月前は53%だった。

財務省によると、23日実施の2年債入札の規模は440億ドル、 24日の5年債は420億ドル、25日の7年債は320億ドルとなっ ている。

グッゲンハイム・パートナーズの米金利トレーディング責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「供給は確実に相場を左右するだろう」と 述べた。

週間ベースで10年債は反発した。ギリシャのパパンドレウ首 相は欧州連合(EU)に、1週間以内にギリシャ向け金融支援のメ カニズムを策定するよう訴えたのが背景だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。ドルの上昇を背景に代替投資先 としての金の魅力が後退し、6週間ぶりの大幅安となった。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は一時0.8%高。ア ナリストによると、金は1オンス=1118ドル近辺の20日間移動平 均を割り込むと下げ足を速めた。ギリシャ財政懸念を背景とするヘッ ジ需要もあり、金は前日までの4日間では2.3%上昇していた。

ラサール・フューチャーズ・グループのトレーダー、マシュー・ ジーマン氏(シカゴ在勤)は「ドルが上昇すれば、金は上昇しにくく なる。また、安全な投資先として投資資金がドルに集まることもある」 と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比19.90ドル(1.8%)安の1オンス=1107.60ド ルで取引を終了した。中心限月としては2月4日以降で最大の下げ。 週間ベースでは0.5%上昇した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続落。ドルの対ユーロ相場が上昇したこ とで代替投資としての商品への需要が後退し、一時6週間ぶりの大幅 安となった。

原油は一時2.9%安。ギリシャが欧州連合(EU)から金融支 援を取り付けられないとの懸念からユーロが下げたことが背景。原油 相場が今週、1バレル=83ドルを超える水準を維持できなかったこ とも売りを誘った。

トラディション・エナジー(コネティカット州)のアナリスト 兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「原油相場はドルの動きを 追っているようだ。83ドル台から下げたのは、燃料需要が5年間の 平均を下回っているからだ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比1.52ドル(1.85%)安の1バレル=80.68ドルで取引を終 了。一時は79.86ドルを付け、2月4日以来の大幅安となる場面も あった。週間ベースでは0.7%下げた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続落。インド準備銀行(中央銀行)が予想外に政 策金利を引き上げたことで、同国が景気刺激を引き揚げ、世界の経済 成長が抑制されるとの懸念が強まった。

インド最大の産銅会社、べダンタ・リソーシズは3%安。住宅ロ ーン英最大手のロイズ・バンキング・グループは、2010年は黒字に 転換するとの見通しを示したことを手掛かりに、昨年8月以来の大幅 高となった。肥料メーカー最大手、ノルウェーのヤラ・インターナシ ョナルは3%高。UBSとドイツ銀行が同銘柄の買いを推奨したこと がきっかけだった。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の260.16。週間ベ ースでは0.7%上昇。米格付け会社スタンダード・アンド・プアー ズ(S&P)は16日、ギリシャの長期格付けを直ちに格下げする可 能性はもはや検討していないと明らかにした。米連邦準備制度理事会 (FRB)は16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、 政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を「長期 にわたり」ゼロ近辺にとどめる方針をあらためて示した。

KBLリシュリュー・ゲション(パリ)の証券アナリスト、シク ン・ダン氏は「市場には先行き不透明感が強まっている」と述べ、 「景気に対する先行き不透明感には、金融政策の今後も含まれる。景 気刺激策の引き揚げが必要となることは誰もが知っている。問題は、 いつ実施されるか、そしてそれが経済に打撃を与えるかという点だ」 と続けた。

資源株指数は2.4%安と、ストックス欧州600指数を構成する 19業種中で最大の下げとなった。鉄鋼メーカー最大手のアルセロー ルミタルは2%安。スイスのエクストラータは2.1%安だった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債相場が下落。週間ベースでもマイナ スとなった。欧州連合(EU)内でギリシャ支援をめぐり意見が割れ るなか、ギリシャの債務返済と財政赤字補てんへの懸念が強まった。

ドイツ国債は週間ベースで上昇。ギリシャ支援をめぐる対立で、 安全とみなされる同国債に対する需要が高まった。ギリシャのパパン ドレウ首相は欧州から明確な支援表明を取り付け、自国の借り入れコ ストを引き下げようと急いでいる。ギリシャでは今後2カ月間に 200 億ユーロ(約2兆4550億円)の債務が償還期限を迎える。

INGグループの債券ストラテジスト、ウィルソン・チン氏(ア ムステルダム在勤)は「不透明感が大きい。質への逃避の動きがある 程度あり、ドイツ国債のパフォーマンスは他の国債相場に比べて良い」 と語った。

ロンドン時間午後5時2分現在、ギリシャ10年債利回りは前日 比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の6.38%。 前週末比ではほぼ14bpの上昇となった。同国債(表面利率

6.25%、2020 年6月償還)価格は0.28ポイント下げ98.96。

ドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ金利)は10bp拡 大の324bpと、先月26日以降で最大となった。独10年債利回り は3.11%と、前日からほぼ2bp低下した。週間ベースでは5bp の低下。先月26日週以降で初めて下げに転じた。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が上昇。同利回りは前日比2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.97%となった。

前週末比では11bp下げた。10年債相場の上昇はこの日で6 営業日連続となり、2008年12月以降で最長の上げとなった。一方、 2年債利回りは1.25%と、前日からほぼ変わらず。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチがまとめた国債 指数によると、英国債の過去1年のリターン(投資収益率)はマイナ ス0.96%。これに対しドイツ国債はプラス4.3%となっている。

イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC) メンバー、アンドルー・センタンス氏は18日、経済専門局CNBC とのインタビューで、外部からの「大規模な」衝撃が英経済の回復を 妨げ、景気に「二番底のリスク」をもたらしているとの認識を示した。

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