中国進出企業にベトナムへの移転訴え、低コスト武器に-資産家タム氏

ベトナムの資産家の1人で不動産 開発会社を率いるダン・タン・タム氏は、労働コストの低さを保証し、 中国で事業展開する企業を自社の工業団地に誘致しようと試みている。

タム氏(45)が会長を務めるベトナム3位の上場不動産会社キン バックシティーグループは、日本のキヤノンや三洋電機などに進出を 呼び掛けた。ベトナム紙タンニエンによれば、2009年末時点の株式保 有状況から推計して、タム氏は同国で最も裕福な富豪の1人。

米国際貿易委員会(ITC)によると、ベトナムはより付加価値 の高い製品を米国に輸出し始めた。世界的なカメラ機器メーカーが生 産拠点の一部を中国から移していることが背景にあるという。ベトナ ムは靴や衣料品、家具などの輸出で中国と競合しており、製造業者は ベトナム通貨ドンの下落による恩恵を受けている。これに対し、中国 の人民元には上昇容認を求める圧力が高まっている。

タム氏は18日のインタビューで、「中国では生産コストが一段と 上昇しつつある。輸送コストも非常に高くなりつつある」と語った。

キンバックは、首都ハノイと北部の港湾都市ハイフォン、それに 両市の周辺地域で工業団地を運営している。ハイフォンはタム氏の出 身地。同氏は、「ベトナム北部は中国に極めて近く、中国に進出してい る企業が移るのは容易だ」とし、「今後ベトナム北部をより重視したい」 と述べた。

三洋電機の広報担当者、保坂祐子氏によれば、同社は昨年ハノイ に隣接する省内にあるキンバックの工業団地で光学部品工場を稼働さ せた。キヤノンは、バクニン省にあるキンバックの工業団地でプリン ターとスキャナーを生産している。

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