日本株は反落、金融政策日程過ぎ内需売り-ユーロ安で精密午後崩れる

日本株相場は反落。日本銀行の追 加金融緩和策の期待から買われてきた不動産やその他金融、証券など内 需関連株の一角が材料一巡で安い。不動産株は、大手に対する一部アナ リストの格下げも影響した。ギリシャ財政問題への根強い懸念から午後 にユーロ安・円高が加速すると、精密機器やガラス・土石製品といった 欧州売上高比率の高い業種が採算悪化懸念から崩れた。

日経平均株価終値は前日比102円95銭(1%)安の1万744円3 銭。TOPIXは同6.64ポイント(0.7%)安の940.79。東証1部33 業種の騰落は下落26、上昇7。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「日銀の追加金融緩和策は事前に織り込まれていた。急ピッチの上げに 警戒感があり、相場は日柄調整している」と指摘。年度末などを控えて 売る必要のある投資家はすでに売ったため「大きくは下がらないが、景 気の先行きに自信が持てず、相場の物色に柱がない状態が続いている」 と見ていた。

当面の金融政策を決める日米の重要日程を通過し、この日の相場は 手掛かり材料に欠け、午前の株価指数は前日終値近辺でこう着した。日 銀の追加金融緩和策は、事前に市場関係者の間で想定されていた内容ど おりで、投資家はひとまず売りを先行させた。また、東証1部の騰落レ シオが前日に128.6%と、過熱を示唆する120%を超え、09年6月26 日以来の水準まで上昇していたため、積極的な買いは入りにくかった。

先食い業種に売り、くすぶるギリシャ懸念

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は「日本株は過熱しており、 利益確定売りは出やすい」と指摘。日本経済新聞の報道で追加の金融緩 和観測が浮上した5日から前日までの業種別騰落率を見ると、上昇率上 位はその他金融(11.3%)、不動産(8.5%)、ガラス・土石製品 (7.6%)、精密機器(7.4%)、証券・商品先物取引(6.8%)。この 日は、こうした業種への売りが朝方から目立った。不動産に関しては、 モルガン・スタンレー証券が三菱地所、三井不動産の投資判断を引き下 げる材料もあった。

指数は方向感に欠ける動きが続いたが、午後2時すぎから下げ幅を 拡大。きっかけとなったのが、ギリシャ政府が4月2-4日にかけて国 際通貨基金(IMF)に金融支援を要請する可能性があるとのダウ・ジ ョーンズ通信(DJ)の報道だ。ギリシャ財政問題が再び警戒され、朝 方は1ユーロ=124円台で推移していたユーロ・円相場は、一時123円 12銭までユーロ安・円高が進んだ。

取引終了にかけて精密機器やガラス・土石製品などの下げ幅が拡大 し、輸送用機器、電機も下げた。結局日経平均、TOPIXはいずれも この日の安値圏で引けた。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、日銀の追加 緩和策の決定をきっかけに「円キャリートレード(円借り取引)が再開 され、円安・株高になるというのがベストシナリオだが、まだ為替は円 安に振れていない。円安に振れるのか見極めようと、動きにくい状況」 と話す。東証1部の騰落銘柄状況は値上がりが532にとどまり、値下が りは1006。売買代金は1兆2541億円と、前日までの過去1年間の平均 1兆4246億円を大きく下回った。

半面、前日のニューヨーク原油先物相場が前日比1.5%高の1バレ ル=82.93ドルとなるなど海外商品相場が軒並み上昇し、鉱業など資源 関連株の一角が上昇した。医薬品や水産・農林、パルプ・紙株も高い。

個別では、国内や欧米で販売価格が低迷し、10年3月期の連結営 業損益予想を従来計画の3億円の黒字から20億円の赤字に下方修正し た東芝機械、10年1月期の赤字拡大や無配転落を発表した三井ハイテ ックが大幅安。クレディ・スイス証券が投資判断を「アンダーパフォー ム」に引き下げたセイコーエプソンも売られた。

半面、リストラ効果で11年3月期以降は年6億円の人件費削減が 見込めるとしたユアサ商事、シティグループ証券が投資判断を「買い」 に上げたAOCホールディングスが大幅高。コスモ証券が投資判断を 「アウトパフォーム」に上げた信越ポリマー、クレディ・スイス証券が 投資判断を「アウトパフォーム」に上げた東京製鉄も高い。

ジャスダックは連日の昨年来高値

国内の新興3市場は軒並み高。ジャスダック指数は前日比0.04% 高の52.64、東証マザーズ指数は同0.5%高の434.71、大証ヘラクレス 指数は同1.1%高の610.67。マザーズ指数は09年11月2日、ヘラクレ ス指数は09年9月24日、ジャスダック指数は08年9月29日以来の高 値となった。

個別では、ティー・ワイ・オーから円谷プロダクションの株式を取 得すると発表したフィールズが上昇。10年3月期末に記念配当を実施 すると発表したフュートレックが4日ぶり反発。半面、不採算子会社の 整理などで10年7月期の連結最終損益が1500万円の赤字(従来予想 3000万円の黒字)に転落する見通しになったエム・ピー・ホールディ ングスが大幅反落。

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