債券は下落、政府の追加経済対策の観測で-先物は4カ月ぶり安値圏に

(第10段落以降に株式相場の動向に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

3月18日(ブルームバーグ):債券相場は下落(利回りは上昇)。 政府が追加経済対策を取りまとめるとの観測が広がる中、先物は前日 午後以降に売られた地合いを引き継いで4カ月ぶり安値圏に到達した。 投資家の買い控えもあって長期金利は5週間ぶり高水準をつけた。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、投資家に運用資金が積み上がっているとはいえ、決算期末が近づ くタイミングでは無理をする必要もないとした上で、「現物取引が総じ て抑制される中を海外勢などの先物売りが活発化した」という。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比13銭安い138円71銭で 始まり、その後は138円60銭台で下げ渋った。しかし、午後に入ると 売り圧力が強まり、一時は45銭安い138円39銭と中心限月ベースで は昨年11月12日以来の安値をつけた。取引終盤にかけてはやや下げ 幅を縮める展開となり、結局は29銭安の138円55銭で終了した。

先物相場は午後に入って一段と売り込まれ、1月8日につけた中 心限月ベースでの日中安値138円56銭を下回る展開となった。みずほ 証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、「債券先物には海外ファ ンドの売りや国内勢のヘッジ売りが膨らむなど、テクニカル面からの 下げが加速した」との見方を示した。

追加経済対策の憶測

日銀が新型オペによる資金供給額を20兆円程度に拡大する追加 緩和を実施したことで材料出尽くし感が広がる一方、市場では政府に よる経済対策への取り組みを視野に入れる展開となった。大和住銀投 信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、日銀が 曲がりなりにも追加緩和という答えを出したことで、市場が次に政府 の対応を求めるのは自然な流れだと指摘した。

政府・与党内で2010年度予算成立後の追加経済対策を求める声が 強まってきたと18日付の日本経済新聞朝刊が報じた。デフレ脱却を狙 って10年度予算案に計上した予備費など計2兆円の別枠を活用する としており、連立与党の国民新党は7兆円程度の補正予算編成の検討 を始めたとも伝えている。

また、景気の先行き不透明感が和らいでいることも、債券市場の 地合いを悪化させる一因といった指摘も出ていた。日興コーディアル 証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、足元では景気の二番底 懸念が後退しており、日銀の白川方明総裁も景気の上振れを指摘して いた点に着目しているといい、「これまで好需給などに支えられてきた 債券相場の潮目が変わった可能性がある」とも話した。

10年債利回りは一時1.37%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは前日終値と同じ

1.35%で始まり、午前は0.5ベーシスポイント(bp)高の1.355%で 推移した。しかし、午後に再び売りが膨らむと1.37%をつけ、新発10 年債として2月5日以来の高い水準を記録。その後は1.36%にやや戻 している。

政府の経済対策に伴う需給悪化懸念がくすぶる中、この日の金利 上昇は前週後半と同様に先物急落に追随した動きとなった。10年債利 回りが1.35%を超えても買い意欲が盛り上がらなかったことから、日 興コーディアル証の野村氏は、2月初めにつけた1.38%は上抜けてい ないとしながらも、「長期金利は実体経済の改善が続く中で新しいレン ジを形成する可能性がある」との見方を示した。

株価動向を見極め

一方、この日に下げに転じた株式相場について、市場ではなお先 高観測が根強いことから、今後の株価動向を見極めようとの雰囲気も 広がった。トヨタアセットの深代氏は、景気回復への期待がじわりと 高まっているほか、追加緩和や財政出動といった政策対応が株価を支 えるとみており、「日経平均株価が1万1000円の節目を超えるようだ と、10年債利回りは1.4%を上抜ける場面もあるのではないか」とみ る。

半面、株高の持続性には懐疑的な見方もある。みずほ証の野地氏 も、株式市場の地合いからは日経平均の1万1000円乗せが視野に入る としながらも、内需の自律的な回復がどれだけ持続するか疑問が残る とみており、「足元の株高を背景に金利水準が切り上がれば、投資家に とっては押し目買いの好機になるだろう」との見方を示した。

日経平均は前日には1万800円台を回復して、終値ベースでは1 月21日以来の高値圏に到達していたが、この日は102円95銭安の1 万744円3銭で終了した。

--取材協力 関泰彦 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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