ADB総裁:アジアの成長率は今年7%へ-日銀はデフレで一層努力を

アジア開発銀行(ADB)の黒田 東彦総裁は17日午後、都内でブルームバーグ・テレビジョンとのイン タビューに応じ、ADBが昨年12月時点で6.6%と予測した2010年 のアジア諸国(日本を除く)の経済成長率見通しについて、4月に7 パーセント近くまで上方修正するとの見通しを示した。

黒田総裁は成長率見通しの改定について、「まだ確定した数字は ない」と前置きした上で、「おそらく7%近くなるだろう」と予測。 上方修正の理由に関しては、「多くのアジア諸国のGDPや鉱工業生 産などの指標が、持続的で堅調な成長の強い兆しを示している」こと を挙げた。

一方、インタビュー前に行った日本外国特派員協会での講演後の 質疑応答で、日本の物価下落は経済協力開発機構(OECD)諸国の 中では「特異な状況だ」とした上で、「日本の中央銀行はデフレ基調 を根絶するため一段の努力が必要だ」との認識を示した。

黒田総裁はインタビューでこの発言に関連して、日本銀行は独立 性があるため、「デフレ圧力を根絶するために必要な、適切な政策に ついて何をするかは自らが決めるべきこと」と述べ、「日銀が実行で きることを確信している」と語った。また、「世界の中央銀行の責務 は単純で、物価を安定させることだ」と指摘。「日本の物価状況は安 定的でなく、下落している」とし、さらなる対応が必要との認識を示 した。

内需依存転換に資する-人民元の柔軟性

中国の人民元が過小評価されているとの声が米国で出ていること に関しては、「中国経済は、輸出セクター依存の成長から、内需セク ター依存の成長へのリバランスを始めている」と指摘、「為替の柔軟 性はこうしたリバランスを円滑にするだろう」と語った。一方で、米 国が輸出拡大に動いていることは同国の経常赤字削減につながるとし、 米中間の貿易不均衡問題は「双方に利益を及ぼす形で解決されるだろ う」との見通しを示した。

黒田総裁はこれに先立ち午前中に行ったADB主催の講演で、世 界的な経済危機以降、アジア新興国は世界経済の 回復をけん引してい るとした上で、「10年は従来予想されていたより強い年になる」と予 測。一方、主要先進国経済の見通しは確実に改善しているものの、各 国別、または個別の国内でみても、「回復はまだら模様だ」と語った。

同時に、先進国に比べ速いペースで進むアジア新興諸国の回復が、 同諸国への「資本流入を再び急増させ、為替相場を不安定化させる」 との可能性に言及。その上で、すでに問題点が指摘されている国際的 な準備通貨制度の実行可能な改革に向け、解決策を協調して見い出し ていくべきだと語った。

--取材協力:Aki Ito Editor:Norihiko Kosaka, Takeshi Awaji

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