今日の国内市況:株が反発、債券先物反落-日銀追加緩和で円乱高下

日本株相場は反発し、日経平均株 価の終値は約2カ月ぶりの高値を付けた。連邦公開市場委員会(FO MC)が低金利の長期維持を示唆し、米国景気の下支え期待から電機 や化学など輸出関連株が上昇。投資家のリスク志向の高まりから海外 商品市況が上昇した流れを好感、石油・石炭製品、鉱業株も買われた。

また午後には、日本銀行が新型オペの供給額拡大を通じた追加の 金融緩和策を決定。日米金融当局の流動性供給姿勢は、低金利の恩恵 を受けるその他金融、不動産株の買いにもつながった。米国の低金利 維持はドル安・円高を招く可能性もあったが、日銀決定を受けドルは 堅調に推移、円の先高懸念も和らいだ。

日経平均株価の終値は前日比125円27銭(1.2%)高の1万846 円98銭、TOPIXは同9.33ポイント(1%)高の947.43。東証 1部33業種は、陸運株を除く32業種が高い。

この日の日本株相場は午後から一段高となった。日経平均は終了 間際に一時142円59銭(1.3%)高の1万864円30銭まで上げ、 1月21日以来の高値を更新した。きっかけとなったのが、日銀金融 政策決定会合の結果だ。日銀は17日午後、新型オペによる供給額を 10兆円程度から20兆円程度に拡大することを賛成多数で決めた。事 前の報道通りの内容だったものの、為替相場の円高警戒感が後退した。

TOPIXの上昇寄与度上位には電気機器、輸送用機器、化学な ど輸出関連業種が並んだ。

もっとも、一部で期待されていたほどの大幅な円安進行とはなら なかった。投資家の根強い警戒姿勢を示すように、東証1部の売買代 金は1兆3465億円と、過去1年間の平均1兆4246億円を下回り、 指数の上昇の割に盛り上がらなかった。

業種別の動きを見ると、海外時間の為替市場でドルが下落、代替 投資としての商品相場の魅力が高まったことでニューヨーク原油先物 など海外商品相場は軒並み上昇。業績への好影響を見込み、業種別33 指数の値上がり率上位に石油・石炭製品や鉱業が並んだ。日銀の追加 の金融緩和策を好感し、その他金融や銀行、不動産なども堅調。

ギリシャ財政懸念の後退も相場を支えた。格付け会社のスタンダ ード・アンド・プアーズ(S&P)が、長期格付けの「クレジットウ ォッチ・ネガティブ」を解除し、東京時間のユーロ・円相場は前日の 東京株式市場の終了時刻(同123円40銭)から円安方向に振れた。 欧州依存度の高い業種では、東証ガラス・土石製品指数は52週高値 を更新した。

債券先物反落、2年債利回りは4年半ぶり低水準

債券先物相場は3日ぶりに反落(利回りは上昇)。日本銀行がきょ うまで開いた金融政策決定会合では、昨年12月に導入した新型オペ の供給額の拡大を決めたが、市場では事前予想通りと受け止められて、 先物中心に売りが優勢になった。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日比4銭高の139円ちょう どで始まった後、すぐに10銭高の139円6銭まで上げた。午後に入 って、日銀決定会合の結果発表後に売りが増えると138円84銭まで 下げた。いったんは前日比プラスまで戻す場面もあったが、終了にか けて再び水準を切り下げ、一時は15銭安まで下げた。結局は12銭安 の138円84銭で終えた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利 回りは、前日比1ベーシスポイント(bp)低い1.335%で始まった後、 やや水準を切り下げ、1.5bp低い1.33%と3営業日ぶりの低水準を つけた。その後は徐々に水準を切り上げ、一時は前日比変わらずの

1.345%をつけたが、午後3時過ぎからは0.5bp低い1.34%で推移 している。午後3時39分現在でも1.34%で取引されている。

中期債は、日銀の追加緩和を受けていったんは買われた。2年物 の290回債利回りは一時0.135%まで低下。新発2年債としては 2005年9月以来の低水準をつけた。その後は横ばいの0.14%で推移 している。また、新発5年債利回りは1.5bp低い0.49%で始まった 後、若干下げ幅を縮めており、午後3時半からは横ばいの0.505%で の推移だ。

円が乱高下

東京外国為替市場では円が乱高下した。日本銀行はこの日の金融 政策決定会合で、新型オペの増額を決定。予想範囲内の結果というこ とで、円買いが先行する場面も見られたが、追加金融緩和を好感し日 本株が上げ幅を拡大すると、円は売り優勢に転じた。

円は対ドルで一時、1ドル=90円3銭まで上昇した後、90円67 銭まで反落。対ユーロでも1ユーロ=124円9銭を付けた後、125円 7銭まで売られた。

一方、ユーロは対ドルでじり高。ギリシャの格下げ懸念の後退に 加えて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が16日に発表した声明 で低金利政策を「長期にわたり」維持する方針を改めて示したことが 支援材料となり、午後には2月9日以来の高値となる1ユーロ=

1.3818ドルを付けた。

新型オペの増額は大方の予想通りだったが、市場は当初、円買い で反応。増額に反対した委員がいたことや、新型オペの期間が延長さ れなかったことが失望感につながったという。

しかし、ドル・円の90円ちょうど付近では国内勢などの円売り が出たといい、円はすぐに反転。日本株が午後に一段高となったこと も、リスク志向の高まりを意識させ、高金利通貨買い・円売りを後押 しする形となった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE