昭電工:HDD磁気ディスク増産、3カ月前倒し-新興国で需要増加

【記者:松井博司】

3月17日(ブルームバーグ):ハードディスクドライブ(HDD) 用磁気ディスクの外販で世界シェア1位の昭和電工はディスクの増産を 当初計画から3カ月前倒しする。中国など新興国のパソコン需要や国内 での「ネットブック」型パソコン販売が予想以上に伸びており、メーカ ーからの増産要求に応える。生産能力は限界に近付いていることから、 能力増強の検討にも着手した。

CFOの野村一郎専務は16日、ブルームバーグ・ニュースの取材で 「月産生産枚数の2200万枚への引き上げを3月末から実施する」と語っ た。同氏によると磁気ディスクを搭載するパソコン用HDDの世界市場 が昨年夏から回復し、昭和電工でも昨年10-12月期からフル生産が続い ているという。当初は6月以降に現在の月産2100万枚から同2200万枚 に高める計画だった。

パソコン需要の回復で、パソコン向け基幹部品メーカーは恩恵を受 けている。同氏によると2009年の世界のパソコン用HDDの出荷台数は 前年比4%増の5億5500万台。米調査会社アイサプライによると、10 年のHDD出荷額は前年比18%増の277億ドルとなる見通し。10年後半 からの企業のパソコン更新需要で7億台と予想する声も出ており、昭和 電工でも09年比17%増の6億5000万台程度は市場が拡大するとみる。

100万枚の増産は工場の生産性の向上で対応する。一方で、磁気デ ィスクの基盤用ガラス素材も不足しているため、ガラスメーカーにも増 産を求め、できるだけ月産枚数を拡大させたい考えだ。

昭和電工の17日午後1時7分現在の株価は前日比1.6%高の196円。 年初からの上昇率は6.0%と、指標となる日経平均株価の上昇率2.2%を 上回っている。

増産投資も

同氏はまた、磁気ディスクの生産能力増強に向けて、シンガポール の最新生産拠点である昭和電工HDシンガポールの工場内にクリーンル ームや製造ラインを増設する検討を始めたことも明らかにした。増設時 期や投資額については未定だが、約半年で増産投資分の出荷が可能にな るため、年内に投資を決めた場合、来期(2011年12月期)の業績に増 産分が上乗せされる見込み。

前期の同社のHDD用磁気ディスクの売上高は全体の約15%を占 めた。昭和電工によると、昨年10-12月の世界シェアは米シーゲイト・ テクノロジーが1位で同社が2位の22.8%。ただ、他のHDDメーカー にディスクを「外販」する企業では昭和電工が世界シェア1位という。

今期(10年12月期)の純利益は電子材料の販売が伸び、110億円と 2期ぶりに黒字転換する見通し。昨年、アルミサッシ材料の製造から撤 退するなどの構造改革を実施したアルミ事業も黒字化しており営業利益 面で貢献。下期からは期待の超高輝度LED(発光ダイオード)事業も 初めて黒字化して負担軽減につながると予想している。

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