「アバター」効果、家庭に届くか-パナが3Dテレビ米投入(Update1)

米国で10日に発売したパナソニック 製の3D対応テレビが品切れ状態だという。興行収入で史上最高記録を 打ち立てたジェームズ・キャメロン監督の3D映画「アバター」効果が パナソニックのテレビ事業の収益改善に一役買うかもしれない。

「入荷待ちの状態だ」。大月均専務は16日のブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューでこう語り、順調な立ち上がりであることを明か した。パナソニックは家電量販店最大手の米ベストバイと提携。計254 店に順次投入し、今後は全米約1000店で販売を展開する予定だ。同氏は 「テレビ事業を黒字化するための大きなチャンス」と期待を寄せる。

パナソニックは米国で初めて3D関連商品を発売。50型の3D対応 プラズマテレビの価格は3D映像を見るための専用メガネと3D対応ブ ルーレイディスクプレーヤーの3点セットで約2899ドル(約26万円)。 テレビ世界最大手のサムスン電子も14日から55型を3299ドル(約30 万円)で発売した。6月にはソニーも続く。

シティグループ証券の江沢厚太アナリストは「大手メーカーの3D テレビの品質はかなり良いので、映画や新しいものが好きな消費者層、 ハイエンド・ユーザーなどからは良い反応が得られる」とし、「今期は 各社100万台程度売れるのではないか」との見方を示している。

大和総研の三浦和晴シニアアナリストも「ハイエンドな商品を購入 したいという人はいつでもいる。3Dが見たくて3D商品を買うという よりは、ハイエンド商品を志向したら3D対応だった、結果として3D 商品がそれなりに売れるという感じなのだろう」との見方だ。

ソニー、サムスン

パナソニックは10年度に3Dテレビを世界で100万台、その半分を 米国で売る計画。ソニーは液晶テレビ2500万台の販売目標を掲げ、この うち10%が3Dになると見込んでいる。サムスンは今年3Dテレビを 200万台以上、韓国のLG電子は40万台以上を目指す。米調査会社アイ サプライの予測によると、今年の3Dの世界出荷台数は420万台、11年 には3倍を超える1290万台に拡大する見通し。

パナソニックの大坪文雄社長は3日のブルームバーグなどとのイン タビューで、赤字が続いているテレビ事業について、3D化がプラズマ テレビ販売の追い風になるほか、コスト削減や小型液晶テレビの外部調 達などで10年度(11年3月期)にも赤字脱却できる可能性を示唆した。

アバター、ワールドカップ

北米ではジョニー・デップ主演の3D映画「アリス・イン・ワンダ ーランド」(ティム・バートン監督)が3月5日からの週末の興行収入 で1億1630万ドル(約105億円)と初登場で首位に躍り出た。初週の興 行実績としては同じ3D映画の「アバター」を上回るなど人気が高まっ ている。

お茶の間でも3D人気は広がるのか。調査会社BCNの道越一郎ア ナリストは「コンテンツ不足や専用メガネが普及のネック」と指摘、そ の問題が解決されない限り「本格的な普及にはまだまだ時間が必要で、 3年くらいはかかるのではないか」とみている。

メーカー各社は「アバター」やサッカーのワールドカップ(W杯) のようなスポーツイベントが3D関連商品の需要喚起につながるとみて おり、コンテンツの拡充で早期普及を目指す。ソニーは今年、W杯南ア フリカ大会の25試合を3Dで放映することを決めた。広告でアバターと タイアップして一定の成果を上げたパナソニックもスポーツイベントの 中継を計画している。

米ウォルト・ディズニー傘下のケーブルテレビ(CATV)、ES PNは6月に3Dチャンネルを始める予定。ソニーと米ディスカバリ ー・コミュニケーションズ、映写システム設計の米アイマックスも11 年の3Dチャンネルのスタートを目指して合弁事業を立ち上げた。

ビックカメラ有楽町店のテレビ売り場に足を運んでいた花井幸雄さ ん(58歳)に3Dテレビを買いたいかどうか聞いたところ、「買わな い。メガネが邪魔だ」との答えが返ってきた。

--取材協力:岩谷多佳子 Editors: Chiaki Mochizuki, Takeshi Awaji

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Mariko Yasu

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