太陽光・風力発電:好機は永遠に続かない-補助金削減前に開発急ぐ

太陽光や風力発電などの開発業者 は再生可能エネルギーへの政府補助金が削減される前に、プロジェクト を開始し利益を確定しようとする動きを強めており、グリーンエネルギ ー業界では予期せぬ結果が生まれつつある。

各国政府は民間投資や雇用創出を促すために、グリーンエネルギー 業界に数十億ドルの補助金を支出している。しかし、ここに来て補助金 を削減する動きが出始めており、再生可能エネルギーの開発業者は補助 金が削られる前に早めに事業を開始しようと躍起になっている。

ブルームバーグ・ビジネスウィーク(オンライン版)は17日、こ ういった動きこそが、各国政府が回避しようとしている市場のボラティ リティー(変動率)を生み出していると指摘した。

大手監査法人デロイト・トーシュの経済コンサルティングチーム・ ディレクター、ティム・ウォーラム氏(ロンドン在勤)は「開発業者は できるだけ早く事業を開始したいと思っている。大きな利益を上げられ るチャンスが永遠には続かないことを知っているからだ」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、風力 や太陽光発電といった再生可能エネルギー事業を支援するために、各国 政府は昨年、計250億ドル(2兆2600億円)の景気刺激策を発表した。 今年も600億ドルの支出が見込まれている。欧州最大のグリーンエネル ギー推進国であるドイツとスペインは合計約130億ドルの予算を計上し た。

この間、政府支出のほかに、民間投資1400億ドルがグリーンエネ ルギー業界に流入すると予想されている。米国では、年内に建設中のプ ロジェクトに関し、風力・太陽光発電事業者は30%の現金還付が受け られる。

エマージング・エナジー・リサーチ(米マサチューセッツ州ケンブ リッジ)の太陽光関連事業担当アナリスト、キャシディー・デライン氏 によると、イタリアでは年内に前年の約2倍に相当する太陽電池パネル 約1ギガワット分が設置される予定だ。

デロイトのウォーラム氏は、財政赤字の削減計画によりこれだけの 規模の補助金の支給は続かないとみている。補助金がなければ多くの風 力・太陽光発電施は赤字の状態が続き、グリーンエネルギー開発業者は 投資削減を余儀なくされる可能性がある。

補助金削減

米国では、太陽光・風力発電事業に対する連邦政府の補助金は年末 までに削減され、地熱やバイオマスなどの事業への補助金は今後2年間 で削減される見込み。

一部の国では既に補助金削減が始まっている。ドイツ内閣は3日、 今年7月以降に建設される太陽光発電施設への補助金比率を15%削減 することで合意した。チェコ政府は来年の補助金を30%削減すること を検討している。

エマージング・エナジー・リサーチのデライン氏によると、イタリ アでは太陽光発電事業への補助金が今年は既に上限に達し、来年25% 削減される可能性がある。

To contact the reporter on this story: Mark Scott in London at mscott5@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Andy Reinhardt at areinhardt2@bloomberg.net.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE