円金利先物は下落、新型オペの一段の拡充は困難との見方も

ユーロ円3カ月金利先物相場は小 幅下落(金利は上昇)。事前の予想通り日本銀行の新型オペ20兆円へ の増額が決まったが、金融政策決定会合では反対票が2票あった上、新 型オペの過度の拡大は金融調節が難しくなるとして、オペ拡充策は今回 で打ち止めとの見方が多い。

中心限月2010年9月物は前日比0.015ポイント安い99.625 (0.375%)と、約2週間ぶりの安値を付けた。追加緩和観測が浮上し た5日前後の相場は99.610から99.650まで買われたが、今週に入っ て戻り売りが優勢になっていた。

国内大手銀行のディーラーによると、日銀は円高・株安への警戒 からゼロ回答が許されない中で、今回のオペ増額は市場も織り込み済み だったと指摘。日銀は市場機能維持を掲げながら新型オペ拡大に踏み切 ったことで、従来のオペは縮小せざるを得ず、これ以上の新型オペ拡充 は難しいと話す。

日銀は昨年12月に導入した3カ月物の新型オペ(貸付利率0.1%) の供給額を10兆円程度から20兆円程度に倍増すると発表した。企業 金融支援特別オペ(3カ月物、0.1%、5兆円)終了を補完する意味も あるが、実質5兆円の上乗せになる。市場では、オペの期間を6カ月物 まで延長するとの観測もあった。

反対2票は日銀の意思表示

国内大手銀のディーラーは、新型オペを6カ月物まで延長してい たら当座預金残高の水準は本当に量的緩和状態になり、市場機能が失わ れると指摘する。一方、同残高を13-15兆円前後で維持する場合、従 来の期間3カ月以内の資金供給オペを縮小する必要が出てくるという。

国内証券のディーラーは、新型オペ増額に2人の審議委員が反対 したことについて、今回の追加策が報道や市場に追い込まれた、意図せ ざるものだったという日銀の意思表示だと解釈。ただ、結果的に政府や 市場の期待に応じたことで、更なる緩和要請があれば、苦しい状況に追 い込まれるとみる。

新型オペのように期間が長い資金供給オペを増やした場合、オペ の終了期日がなかなか到来しない分だけ足元の当座預金残高は積み上が る。そのため、足元のレポ(現金担保付債券貸借)金利が下限0.1%に 張り付き、市場で資金を運用する金融機関が少なくなり、資金流入が細 ることがある。日銀は短い期間の供給オペも継続しなければ、レポ金利 が跳ね上がるなど、不安定になるリスクも招く。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「追加緩和といえる政策の中 では最低限の内容で、もう少し期待していた向きもあったのではないか 。結局は当座預金をどこまで増やすか金融調節のやり方次第。新型オペ の増額自体の影響はない」との見方を示した。

金先の取引対象となっているユーロ円(TIBOR)3カ月物は 今月に入って0.44077%で下げ止まっており、あす以降、低下すると しても、その程度は緩やかとみられている。昨年12月に新型オペ導入 が発表されて以降の低下幅は6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 程度にとどまる。

TB市場、大量償還控える

国庫短期証券(TB)市場では、残存期間が長めの3カ月物から 1年物にかけて売り注文が増える一方、5月償還の2カ月物は投資家の 買いが強かった。この日の取引は受け渡し日が国債大量償還の23日に あたり、償還資金を一時的TBや短期債に振り向ける動きが指摘された 。

5月17日償還のTB87回債は前日終値より1bp低い0.105%や 一部0.1025%で取引が成立した。投資家に販売したディーラーのショ ートカバーとみられ、4月や5月の償還銘柄は証券会社の在庫が少なく なっている。

国内証券のディーラーによると、新型オペ拡充に向けて長めのT Bの持ち高を増やしていたディーラーは思惑が外れた形で売りが多いと いう。一方、買いが強まっている銘柄については、国債大量償還の影響 が大きいとの見方を示した。

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