債券先物が反落、日銀追加緩和は予想通り-2年債は4年半ぶり低水準

債券先物相場は3日ぶりに反落(利 回りは上昇)。日本銀行がきょうまで開いた金融政策決定会合では、昨 年12月に導入した新型オペの供給額の拡大を決めたが、市場では事前 予想通りと受け止められて、先物中心に売りが優勢になった。

モルガン・スタンレー証券の伊藤篤債券ストラテジストは、今回 の日銀の追加緩和に対して株式と債券市場で見方が分かれていると説 明。「株式市場は資金供給量の拡大を好感している。一方、債券市場で は期待していた6カ月への期間の延長がなかったことで売られた。期 間で大きく変わるわけではないが、短期市場で調達資金コストに影響 してくるためだろう」と語った。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日比4銭高の139円ちょう どで始まった後、すぐに10銭高の139円6銭まで上げた。午後に入っ て、日銀決定会合の結果発表後に売りが増えると138円84銭まで下げ た。いったんは前日比プラスまで戻す場面もあったが、終了にかけて 再び水準を切り下げ、一時は15銭安まで下げた。結局は12銭安の138 円84銭で終えた。

日銀は17日午後、同日開いた金融政策決定会合で、新型オペによ る供給額を10兆円程度から「20兆円程度」に拡大することを賛成多 数で決定した。新型オペの拡大には須田美矢子委員と野田忠男委員が 反対した。

期間延長見送りに失望との見方も

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、新型オ ペの供給額を20兆円に拡大したことについて、「予想通り」と指摘。 債券先物の下落ついて、「ターム(期日)物3カ月を6カ月に延ばすこ とに踏み込むかとの期待がはげた分の失望があるかもしれない」とみ ていた。

一方、ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは、「今回決定さ れた追加的な資金供給額20兆円のうち、約8兆円は過去に実施された 新型オペのロールオーバーとなるため、割り引いて考える必要がある。 今回もオペによる20兆円の資金供給を他のオペの減額ないしは期日 落ちによって相殺し、ネットでの日銀当座預金残高が微増にとどまる 可能性の方が高いのではないか」と分析した。

新発10年債利回りは1.345%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利回 りは、前日比1ベーシスポイント(bp)低い1.335%で始まった後、 やや水準を切り下げ、1.5bp低い1.33%と3営業日ぶりの低水準をつ けた。その後は徐々に水準を切り上げ、一時は前日比変わらずの

1.345%をつけた。午後4時32分現在では1.345%で取引されている。

中期債は、日銀の追加緩和を受けていったんは買われた。2年物 の290回債利回りは一時0.135%まで低下。新発2年債としては2005 年9月以来の低水準をつけた。その後は横ばいの0.14%で推移してい る。また、新発5年債利回りは1.5bp低い0.49%で始まった後、若干 下げ幅を縮めており、午後3時半からは横ばいの0.505%での推移だ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「期末特有の動きで、銀行勢などが中期債に益出しの入れ替え を行っている。3-4年ゾーンを売って、新発5年物88回債を買って いる。一方、債券先物は株価が上昇したことに伴い投機的な売りが出 た」と説明した。

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