3月16日の米国マーケットサマリー:株と米国債が上昇、ドルは下落

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3773 1.3677 ドル/円 90.25 90.53 ユーロ/円 124.31 123.83

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,685.98 +43.83 +.4% S&P500種 1,159.46 +8.95 +.8% ナスダック総合指数 2,378.01 +15.80 +.7%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .91% -.03 米国債10年物 3.65% -.04 米国債30年物 4.59% -.04

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,122.50 +17.10 +1.55% 原油先物 (ドル/バレル) 81.80 +2.00 +2.51%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがほとんどの主要通貨に対 して下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を「長期 にわたり」ゼロ近辺に維持するとあらためて表明した。

ユーロはドルと円に対して上昇。欧州連合(EU)の財務相会 合でギリシャ緊急融資への基本戦略がまとめられたことや、格付け 会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャの長期 信用格付けを維持したことが追い風になった。スイス・フランはユ ーロに対して2008年10月以来の高値水準に上昇。同国中央銀行が フラン上昇に対する抵抗を弱めているとの観測が背景。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナ リスト、アンドルー・ウィルキンソン氏はこの日のFOMC決定に ついて、「将来の利上げ見通しについては固く包み隠されたままだ」 と指摘。「当局者は『長期にわたり』という文言から移行する必要 性を明確に見いだしていない。それがドル以外の通貨が買われる要 因となっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時27分現在、ドルはユーロに対して 前日比0.6%安の1ユーロ=1.3754ドル(前日は同1.3677ドル)。 ドルは対円で1ドル=90円42銭(前日は同90円53銭)。ユーロ は対円で0.5%高の1ユーロ=124円41銭(前日は同123円83銭)。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は17カ月ぶり高値を 付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が、景気回復を下支え するため、長期にわたって政策金利をゼロ付近にとどめる方針をあ らためて表明したことが好感された。

シティグループやウェルズ・ファーゴなど金融株が高い。FO MC声明では、景気は回復しつつあるものの、低金利は長期にわた り正当化されると説明した。インテルも上昇。10万個余りの新型半 導体を出荷したとの発表に反応した。ゼネラル・エレクトリック (GE)は、来年増配を再開する可能性があるとの発表を受け買わ れた。ハーレー・ダビッドソンは大幅高。買収観測が再燃したこと が背景にある。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.8%高の1159.46と、2008年10月以来の高値。ダ ウ工業株30種平均は43.83ドル(0.4%)上げて10685.98ドルと、 6営業日続伸となった。

ソーンバーグ・インベストメントのマネーマネジャー、クリ フ・レミリー氏は「FOMCの声明にこれまでとの実質的な違いは ないが、市場を支援するニュアンスが一部に見られた」と指摘。 「今回の声明は景気の回復をあらためて確認するもので、労働市場 や設備投資に対するFOMCの見方がプラスになったことは確かだ」 と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。今月に入り最大の上げとなった。連邦公開 市場委員会(FOMC)は会合後の声明で、景気回復のペースが緩 やかになるとの見方を基に、長期にわたって低金利を維持するとあ らためて強調した。

10年債利回りは約1週間ぶりの低水準。FOMC声明のほか、オ バマ政権が失業率が先月の水準(9.7%)を大きく下回るほど十分な 雇用は確保されないとの見通しを示したのが背景。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラガナン氏は、「短期債は上昇している」と述べ、「市 場は米連邦準備制度理事会(FRB)が経済およびフェデラルファ ンド(FF)金利の誘導目標に関して政策スタンスを変更する段階 にはないとみている。そのため、短期債の懸念材料が今のところ弱 まっている」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時26分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.66%。一時は2月26日以降で最 大となる5bp低下した。10年債価格(表面利率3.625%、2020年 2月償還)は11/32上昇して99 23/32だった。2年債利回りは4b p下げて0.91%だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルが下落したことで代替投 資としての金への魅力が強まり、2週間ぶり大幅高となった。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数が一時0.7%下落し たほか、エネルギー相場が商品の上げをけん引した。金先物の通常 取引終了後、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員 会(FOMC)会合の結果を発表。政策金利であるフェデラルファ ンド(FF)金利の誘導目標を0%から0.25%のレンジに据え置く 方針をあらためて示した。2009年にはFRBが借り入れコストを過 去最低に維持するなか、ドルは年間ベースで4.2%下落した一方、 金は24%上昇した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「景気回復がこれ ほど脆弱(ぜいじゃく)な状況では、FRBは利上げに踏み切りに くくなるだろう」と述べ、「ドルが下げているため、金と原油が押 し上げられた」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比17.10ドル(1.5%)高の1オンス=1122.50ドル で取引を終了した。中心限月の上げ幅としては2日以降で最大。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇。ドルの対ユーロ相場が下げたこ とで、代替投資先としての大半の商品の需要が押し上げられ、原油 は一時、4週間ぶり大幅高となった。石油輸出国機構(OPEC) 加盟国の石油相らが増産の公算は小さいとの見方を示したことも買 いを誘った。

原油は一時2.8%高と、2月16日以来の大幅高となった。格付 け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャ長 期信用格付けを維持したことで、ドルの対ユーロ相場が下落した。 OPEC最大の産油国であるサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資 源相は15日、現在の原油価格は適切な水準にあるとの見解を示し た。

食糧やエネルギー関連の商品に投資するヘッジファンド、ラウ ンド・アース・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「ドルはユーロに対してかなり下げた。これが確実に原油相場に勢 いをもたらしつつある。OPECの決定も相場に織り込み済みだ」 と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比1.90ドル(2.38%)高の1バレル=81.70ドルで取引を終了。 一時は82.04ドルを付けた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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