菅財務相:外為特会見直しに慎重姿勢-外貨準備の規模は検討

菅直人副総理兼財務相が外国為替 資金特別会計(外為特会)の見直しについて慎重な姿勢を示している。 財務相就任当初に各省庁に特別会計の見直しを指示したものの、外為 特会については「個別に指示していない」と言明。焦点となっている 積立金の活用も同特会の「為替差損」を理由に否定的な考えを示した。

菅財務相は同日午前の閣議後会見で、外為特会の積立金の在り方 を見直すよう財務省の事務方に指示したとの一部報道に対して、「特 別会計について一般的な指示は出したが、個別に外為特会の積立金か ら財源を出すという趣旨での指示はしたことはない」と否定した。

同日午後の参院財政金融委員会でも、「外為特会はお金が貯まっ ているが、為替差損もかなり大きくなっている。どの程度までどう活 用して良いかは慎重さが必要だと認識している」と述べた。

外為特会では100兆円近い外貨準備を運用しており、その積立金 は約20.6兆円(2010年度末)に上る。しかし、同特会のドル建て資 産は評価損が出ており、1ドル=91円で試算すれば、評価損は約5.2 兆円に上ると想定される。政府短期証券を発行して外貨を円貨に転化 する必要がある外為特会の特殊事情もその活用を難しくしている。

野田佳彦財務副大臣は今年1月14日の記者会見で、「積立金は 必要だが、どういう積み立ての在り方が妥当かとの議論はあり得る 」と指摘。「定まった考えはない」としながらも、保有外貨資産の 100分の30が目安となっている積立金の水準引き下げを示唆してい た。

一方で、外為特会が毎年3兆円程度の運用益を計上し、積立金の ほか、一部を一般会計に繰り入れている。菅財務相は16日の国会答弁 で「外貨準備の規模が適正かどうかを含めて検討すべきだ」としなが らも、「ある程度の運用益を生んでいることも事実」とし、運用益を生 んでいない分野に比べると「活用ができている」とも指摘した。

政府は10年度予算案で、財源確保のため09年度分の外為特会の 運用益2.5兆円全額のほか、10年度分の運用益の一部(3500億円)を 合わせて過去最大の2.9兆円を一般会計に繰り入れる特例措置を取っ ている。

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