円ほぼ全面高、輸出企業の円買い観測-ギリシャ情勢やFOMC見極め

東京外国為替市場では、円が主要 16通貨に対してほぼ全面高となった。ギリシャ財政問題の不透明感を 背景にリスク許容度の低下が懸念される中、国内輸出企業を中心とし た円買い需要が観測されるとの指摘が聞かれた。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、ド ル・円相場はクロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)の下落(円は 上昇)に引っ張られる格好になっていると指摘。さらに、「国内企業の 本国送金に絡んだ動きや輸出企業のドル売りも意識される」と、円買 いが進みやすい背景を説明している。

ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=89円99銭と、4営業 日ぶりの水準まで円高が進行。ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ =123円24銭と、3営業日ぶりの円高値を付け、午後も123円台前 半で円が強含みに推移した。

また、この日の午前には、オーストラリア準備銀行(RBA)が 発表した今月2日の金融政策決定会合の議事録を受けて、利上げペー スが緩やかになる可能性があるとの見方を背景に豪ドル売りが進行。 クロス・円全般の円買い戻しを後押しした面もあったとみられている。

ギリシャ財政再建に不透明感

ユーロ圏では15、16日の日程で財務相会合(ユーログループ) が開かれている。議長のユンケルルクセンブルク首相兼国庫相は15 日、ユーロ圏16カ国の財務相がギリシャ支援の手段として融資保証 を除外したと述べた。欧州連合(EU)の当局者が明らかにしたとこ ろによると、残る選択肢はギリシャ向けの資金プールだという。

大和総研経済金融調査部の亀岡裕次シニアエコノミストは、ギリ シャ自身の財政再建が進展するまでは、積極的に支援策を進めたくな いという意見の国が多いといった感があると指摘。金融市場が小康状 態を保っている状況下で、資金の供出に消極的な姿勢が各国の当局か らはにじみ出ているとして、「ユーロにとってはマイナス」だと説明し ている。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台後半を中心に推移し た。前日の海外市場では一時1.3640ドルと、2営業日ぶりのユーロ 安値を付けている。また、この日はドイツの欧州経済研究センター(Z EW)が3月の景況感指数(期待指数)を発表する。ブルームバーグ・ ニュースがまとめた市場予想では43.5と前月の45.1から低下が見 込まれており、ユーロの上値抑制要因になる可能性も警戒されている。

FOMC見極め

一方で、この日の米国時間には米連邦準備制度理事会(FRB) の連邦公開市場委員会(FOMC)が控えている。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査では、調査対象となった88人 全員が今回のFOMC会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目 標が0%から0.25%のレンジで据え置かれると予想している。

市場関係者の関心は、声明に盛り込まれてきた、低金利を「長期 間」維持するという文言が継続されるかどうかに集中している。

大和総研の亀岡氏は、声明内容に関して、雇用情勢やインフレ期 待が落ち着いている点を勘案すると、基本的に文言の変更はない可能 性があると予想。資金吸収の手段など、「緩和策の出口戦略に向けた今 後のスケジュールを示唆するかどうかが注目」だとして、金利上昇・ ドル高につながる展開もあり得るとみている。

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