債券は小幅高、20年入札無難や株安で先物買い-5年利回り0.5%割れ

(第13段落以降に金融政策決定会合に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

3月16日(ブルームバーグ):債券相場は小幅高(利回りは低下)。 20年利付国債の入札が無難な結果となったほか、午後には株価が再び 下げに転じたため債券先物買いが優勢になった。現物市場では5年債 利回りが0.5%割れとなるなど中期ゾーンが買われた。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、株 安で多少は買い安心感が広がったようだと指摘。その上で、「金融政策 決定会合で市場の予想外の結果が打ち出されなければ、投資家からは 中期債中心に年度末に向けた買いが出てもおかしくない」とも話した。

東京先物市場の中心限月6月物は前日終値と同じ138円92銭で始 まった。開始後は138円90銭台でのもみ合いとなり、午前の取引終盤 には138円85銭まで下げた。しかし、株価が下げに転じると午後には 一時139円ちょうどをつけ、結局は4銭高の138円96銭で終了した。

先物6月物は限月交代後の11、12日に急落したが、今週に入ると 小幅ながら続伸している。みずほ証券の野地慎シニアマーケットアナ リストは、前週後半にはドル高・円安や株高基調もあって債券先物売 りが膨らんだが、円安、株高の反動が出ており、「もともと需給懸念が 乏しい債券市場では買い戻しが入りやすい地合いだ」との見方を示し た。

日経平均株価は4営業日ぶりに小幅反落。前日の午前には1月21 日以来となる1万800円台を回復したが、その後は為替相場がドル 安・円高方向に動いていることなどもあって上値の重い展開となって いる。

ただ、日銀が16、17日の日程で金融政策決定会合を開催するほか、 米国では連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているため、先物相 場は前日と同様に狭い値幅での取引に終始した。ドイツ証券の山下周 チーフ金利ストラテジストは、東京時間の今晩には米FOMCが行わ れるほか、日銀の金融政策決定会合も控えて売買は細るとみていた。

20年債入札は無難との評価

20年利付国債(116回債、3月発行)の入札結果について、市場 ではおおむね無難な内容と評価された。みずほ証の野地氏は、9日の 30年債入札ほどの好調さはうかがえなかったとしながらも、「利回り が2.2%に近づけば生命保険会社などの買いが入るため、こうした需 要を見越して証券会社がたんたんと落札した」と解説していた。

三井住友海上きらめき生命の堀川氏も、20年債利回りでみて

2.1%台後半は今年度の最も高い水準に差しかかるので、生保などの買 いニーズで金利上昇余地は限定的との見方を示した。

20年物の116回債の入札結果によると、最低落札価格が100円50 銭、平均落札価格は100円57銭となった。最低価格は市場予想と一致 しており、最低と平均価格の差であるテールは前回債の5銭から7銭 に拡大。応札倍率は2.90倍から3.49倍に上昇して、2009年6月の入 札以来、9カ月ぶりの高水準を記録した。

10年債利回りは1.34%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは、前日比0.5ベーシス ポイント(bp)高い1.345%で始まった。いったんは買いが優勢とな って0.5bp低下の1.335%をつけたが、その後は1.34-1.345%で推移 している。午後3時40分現在では1.34%での取引だ。

現物市場では引き続き好需給が見込まれているため、市場では 306回債利回りは週末以降に1.3%台前半に低下するとの指摘があっ た。三井住友海上きらめき生命の堀川氏は、期末に向けて債券残高を 積み増したい投資家は多いとみており、日銀会合といった注目イベン トを通過すれば中期債を中心に買いが入り、「一部は10年債など長期 ゾーンにもシフトして1.3%台前半に戻すのではないか」とみていた。

この日は中期債相場が堅調となった。5年物の88回債利回りは前 日比変わらずの0.51%で始まった後にじりじりと水準を下げており、 午後1時40分前後からは1.5bp低下の0.495%で取引されている。新 発5年債利回りとしては3営業日ぶりの0.5%割れ。

日銀は新型オペ拡充との見方

日銀があすまで開催する金融政策決定会合について、市場では昨 年12月に導入された新型オペ拡充が打ち出されるとの見方が多い。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、有力日銀ウオッチャ ー17人の大勢が新型オペの拡充による追加緩和を予想。同オペは全適 格担保を対象に期間3カ月の資金を0.1%で供給する手段で、2月末 時点の残高9.6兆円を5兆円ないし10兆円拡大するとの見方が多い。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、新型オペの供給 額を増やすこと自体は3月末に終わる企業金融支援特別オペを補うと いった技術的な要因であるとしながらも、為替や株式市場の期待を考 えると10兆円程度の上積みがあってもおかしくないとみる。

ただ、日銀が実際に新型オペ拡充を打ち出した場合でも、金融市 場がすでに織り込み済みとなっている可能性もあり、みずほ証の野地 氏は、「為替市場での円高圧力を通じて株安、債券高の動きが出ること も考えられる」と予想する。

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