3月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して下落。ユーロ の対ドルでの上昇は先週末までの3日連続で終了した。欧州の財務相 の間でギリシャ支援に関して意見が分かれていることから、高利回り 通貨を選好する動きが弱まった。

ドルと円はほとんどの主要通貨に対して上昇した。中国の温家宝 首相が人民元の切り上げ圧力に反論したことが背景。ユーロはほとん どの通貨に対して下落。ギリシャが計画する財政赤字削減で同国への 救済は不要になるとの見方を背景に、ユーロ圏の財務相らからは今週 の会合で救済がまとまるとの観測に水を差す発言が続いた。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「ギリシャ救済と いう観点では結束が緩い。それがユーロの信頼低下につながっている」 と指摘。「ユーロ圏の財務相らからは救済パッケージに否定的な発言 が相次いだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時39分現在、ユーロはドルに対して前 週末比0.7%安の1ユーロ=1.3671ドル(前週末は同1.3769ド ル)。ユーロは対円で0.8%安の1ユーロ=123円70銭。ドルは 対円で0.1%安の1ドル=90円48銭。

ユーロは年初からドルに対して4.6%下落。ギリシャの債務返 済コストが拡大し、財政赤字の削減が困難になるとの観測が背景にあ る。

「息切れ状態」

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロは先週反発したが今は息 切れ状態だ」と指摘。「ユーロは対ドルで1ユーロ=1.38ドルの抵 抗線付近まで買い進まれたが、上抜くことができなかった。その後は 失速した」と述べた。抵抗線とは売り注文が集中すると見込まれ るチャート上の水準。

ユーロは12日、一時1ユーロ=1.3796ドルと2月11日以来 の高値を付けた。

ユーロ圏財務相会合はこの日のニューヨーク時間午後零時にブリ ュッセルで始まった。欧州連合(EU)加盟国すべてが参加する財務 相理事会は16日に予定されている。ギリシャ問題に加え、ヘッジファ ンドやクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の規制などが議 題に上がっている。

オランダのデ・ヤーヘル財務相は、ギリシャに対しては融資や融 資保証がユーロ圏の選択肢として協議されると発言。一方、ドイツの ショイブレ財務相は14日独紙ビルトに対し、ギリシャへの「金融支 援について決定する理由は何もない」と述べた。

「約束はない」

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は「これまで ギリシャに協力的なコメントは聞かれたが、その多くが発言だけにと どまりそれ以上何も見られない」と指摘。「支援の約束はないとのニ ュースが相次ぐなか、それがユーロの下落要因となっている」と述べ た。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は4営業日ぶりに上昇した。中国の温家宝首相が人民元の切 り上げ圧力に対して反論したことから逃避通貨としてドルの買いが膨 らんだ。同指数は前週末比0.5%高の80.23。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。一時下落していたものの、取引終了1時間前 に下げを消した。金融株が上げに転じたほか、ウォルマート・スト アーズの投資判断引き上げやペプシコの増配を受けて消費関連株も 買い進まれた。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は一時

2.7%安まで下げたが、結局0.3%高で終了。フェアホルム・キャピ タル・マネジメントの責任者、ブルース・バーコウィッツ氏は、A IG株を「大量」に取得したことを明らかにした。ウォルマートは、 シティグループが買い推奨を出したことを受けて上昇。ペプシコも 高い。同社取締役会は、年間配当の引き上げと最大150億ドル相当 の自社株買い戻しを承認したと発表した。

S&P500種株価指数は前週末比0.1%高の1150.51で終了。一 時は0.7%安まで下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は17.46 ドル(0.2%)上げて10642.15ドル。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツで7億7500万ドル の運用に携わるウォルター・トッド氏は、「金融規制改革がある程 度明確になったことで相場は下げを縮小していき、最後は上昇して 終了した」と分析した。

FOMC前夜

前週末まで10営業日続伸していたS&P600小型株指数は

0.2%安で終了。

この日の相場は一時下げていたものの、鉱工業生産指数が上昇 したほかニューヨーク連銀製造業景況指数で活動の拡大が示された ことで、底堅い展開となっていた。また16日の米連邦公開市場委員 会(FOMC)を控え、様子見姿勢も見られた。

グリーンウッドのトッド氏は「あすFOMCが開かれることか ら、テクニカル面で非常に重要な水準である1150付近での動きが引 き続き見られるだろう」と述べた。

AIGは0.3%高の34.32ドル。一時は6.3%高まで上げる場面 もあった。バーコウィッツ氏はAIGの株式、転換社債、社債を 「大量」購入したことを明らかにした。

リッジワース・インベストメンツで資産運用に携わるアラン・ ゲイル氏は「AIG株が戻したことが、全体の上昇の一因かもしれ ない」と分析。「それでも、この日の投資家は幾分か慎重だったと いえるだろう」と述べた。

ウェルズ・ファーゴやバンク・オブ・ニューヨーク(BNY) メロン、USバンコープも一時の下げから反転し、上昇して終了し た。

ウォルマート、ペプシコ

ウォルマートは2.8%高の55.42ドル。シティは投資判断を「ホ ールド」から「買い」に引き上げた。値下げにより市場シェアを拡 大すると予想している。

ペプシコは1.6%上昇の66.15ドルと、5営業日続伸した。

◎米国債市場

米国債市場では10年債利回りが1週間ぶりの低水準付近にとどま った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内大半は政策金利の 据え置きを示唆するとの観測が背景。

16日のFOMC結果発表を控え、2年債はほぼ変わらず。会合後 に発表されるFOMC声明では、事実上のゼロ金利が「長期にわた って」継続するとの内容が繰り返される可能性がある。海外からの 中長期の米国債取引額は1月に買い越しだったが、中国と日本は米 国債の保有を縮小した。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者はFOM Cの結果に備えてポジションを調整している」と述べた上で、 「『長期にわたって』の文言が変わるのは、もう1-2回の会合を 待ってからだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時4分現在、10年債利回りは前営業日比ほぼ変わらずの

3.71%。10年債価格(表面利率3.625%、2020年2月償還)は1/32 未満上昇して99 10/32だった。

金利見通し

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、調査対象とな った88人全員が16日発表のFF金利は0%から0.25%のレンジで 据え置かれると予想している。

政策金利の変動に敏感な2年債利回りは、2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)下げて0.95%。2年債と10年債の利 回り格差はこの日、2.77ポイントに拡大した。2月18日には、過去 最大の2.94ポイントの格差を記録した。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は「FOMC声明の文言が変わるリスクがあると市場参加 者が信じ続けるのであれば、FOMC会合は短期債相場により圧力を かけるだろう」と述べた。

翌日物FF実効金利は昨年9月以来の高水準に上げた。翌日物レ ポ金利は過去1カ月間で2倍以上に上昇した。

NY連銀景況指数と鉱工業生産指数

ニューヨーク連銀が発表した3月の同地区の製造業景況指数は

22.86と前月の24.91から低下した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値は22。同指数ではゼロが景況の拡 大と縮小の境目を示す。同統計発表後、10年債は一時下落した。

FRBが発表した2月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益 事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比0.1%上昇 した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は横ば いだった。前月は0.9%の上昇だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ソブリン債をめぐる懸念が、 通貨保有に代わる投資先としての金の需要が高まるとの見方につな がった。先週は週間ベースで約1カ月ぶり大幅安となっていた。

ユーロの対ドル相場は一時0.9%安。ショイブレ独財務相とラガ ルド仏財務相は、ブリュッセルで15、16両日に開かれる会合でギリ シャ支援策が決定する可能性を排除した。米格付け会社ムーディー ズ・インベスターズ・サービスは、米国とイギリスは最上級の「A aa」格付けを失う可能性が高まったと指摘した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏は、「金は当面の間、投資資金を置いておくのに良い場所 だ」と指摘。「金には安全への逃避という側面がある。金は価値を 維持する」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比3.70ドル(0.3%)高の1オンス=1105.40ドルで 取引を終了。前週は週間ベースで3%安と、1月22日以来の大幅安 となっていた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は約1週間ぶり安値まで下落。ドルの上 昇を背景に、代替投資先としての大半の商品の需要が後退した。

原油は一時、2.6%安。主要6通貨に対するインターコンチネ ンタル取引所(ICE)のドル指数が4営業日ぶりに上昇したこと を手掛かりに、原油はテクニカル面の支持線である1バレル=80 ドルの水準を割り込んだ。石油輸出国機構(OPEC)は今週ウィ ーンで開く総会で、現在の産油量を維持するとみられている。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのエネルギー担 当シニアアナリスト、トム・ベンツ氏は「ドルが若干買われており、 これが商品を圧迫している」と指摘。「原油の売りはテクニカルな 要因によるものだ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 営業日比1.44ドル(1.77%)安の1バレル=79.80ドルで取引 を終了。一時は79.13ドルと、日中取引としては2日以来の安値 を付ける場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。中国が経済成長の減速に向けた対策を強 化するとの懸念が広がったほか、格付け会社ムーディーズ・インベス ターズ・サービスが米英両国は最上級の「Aaa」格付けを失う可能 性が高まったと指摘したことが嫌気された。

金属の値下がりを受けて、鉱業最大手のBHPビリトンなど資 源株が安い。ストックス欧州600指数の資源株指数は構成する19業種 中で最大の下げとなった。世界最大の配管製品卸売業者、英ウォルセ リーやフランス最大の再保険会社スコールも下落。アナリストによる 投資判断の引き下げが響いた。

ストックス欧州600指数は前週末比0.7%安の256.65で終了。 同指数はここ2週間で5.1%上昇し、約7週間ぶり高値を付けていた。

コンスタンティア・プリバトバンク(ウィーン)のファンドマ ネジャー、フィリップ・ムシル氏は「先週の相場は上抜きだったが、 この日はその動きが正当なものかを見極めるように一服している」と 分析。「中国が市場から資金を引き揚げるかもしれないとの見方も 投資家心理に影を落としている。企業決算や経済指標など、新たな 買い材料が必要な状況だ」と述べた。

BHPビリトンは1.5%安の2165.5ペンス。ロンドン金属取引 所(LME)の銅相場は、中国での需要鈍化懸念を受けて続落した。

ウォルセリーは3.3%安の1620ペンス。仏シュブルーはウォル セリー株の投資判断を「アンダーパフォーム」と、従来の「アウト パフォーム」から引き下げた。

スコールは1.3%下落し19.02ユーロ。エクサンBNPパリバ はスコール株の投資判断を「ニュートラル」と、従来の「アウトパ フォーム」から引き下げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ10年債がほぼ変わらず。同利回りは先週 付けたほぼ3週間ぶりの最高まで約6ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)の水準にとどまった。欧州の財務相らはギリシャの 財政赤字削減への取り組みを支援する案を協議している。

ギリシャ救済策の合意が近いとの観測を背景に、ギリシャ10年 債の独10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は縮小した。シ ョイブレ独財務相とラガルド仏財務相はただ、ブリュッセルで15、 16両日に開かれる会合でギリシャ支援策が決定する可能性を排除し た。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ピーター・シャフリク氏 (ロンドン在勤)は、「市場はギリシャに関する公式発表を待って いる。何か発表されるとすれば、ドイツ国債にとって恐らくマイナ ス要因となるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時25分現在、独10年債利回りは3.16%と、 前週末からほぼ変わらず。12日には3.22%まで上げ、先月23日以 来の最高を付けた。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価 格は0.03ポイント上げ100.78。独2年債利回りは前週末比1bp低 下の1.04%となった。

ギリシャの2年債相場は上昇。同利回りは6bp低下し4.84% となった。ギリシャ10年債利回りは前週末からほぼ変わらずの

6.25%となり、独10年債に対するプレミアムは1bp縮小の305b pとなった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。10年債利回りは前週末比4ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下し4.06%となった。2年債利回り は1.21%と、前週末から1bp低下した。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、米 英両国は債務負担の増大により最上級の「Aaa」格付けを失う可 能性が「大幅に」高まったと指摘。同社は、両国の今年の歳入に対 する債務返済負担の割合が、最上級格付けを取得する国の中で最高 になるとの見通しを示した。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE