鳩山邦夫氏が離党届、自民党、参院選前に空中分解も(Update3)

支持率低迷に苦しむ野党第一党 の 自民党では有力議員が次々と新党構想をぶち上げ、参院選を前に 同党が空中分解する可能性も出てきた。

舛添要一前厚生労働相、与謝野馨元財務相に続き、麻生太郎前 政権で郵政民営化見直しで存在感を発揮した鳩山邦夫元総務相も新 党結成に意欲を示している。邦夫氏の事務所によると同氏は15日、 党執行部に離党届を提出した。邦夫氏は、舛添、与謝野両氏との大 同団結も模索するが、特にこれまで郵政民営化を推進してきた議員 から支持を受けている舛添氏とは政策面での隔たりが大きい。

「新党は絶対にできると思うが、与謝野さん、舛添さん、みん なが一緒になれるようにわたしは坂本龍馬をやりたい」-。邦夫氏 は14 日のフジテレビの番組「新報道2001」で、薩摩藩と長州藩に よる薩長連合を実現して明治維新につなげた幕末の志士に自らをな ぞらえ、自民党内から新党結成を模索する勢力の結集を訴えた。

3氏が新党について言及してきた背景には、鳩山由紀夫政権の 内閣支持率が下落を続けているにもかかわらず低迷する自民党の政 党支持率がある。毎日新聞が15日朝刊で報じた同社の世論調査(13、 14 両日実施)では鳩山内閣の支持率が43%と2月調査から6ポイ ント下落したが、自民党の政党支持率は前回と同じ22%と伸び悩ん でいる。ただ、邦夫氏が新党結成に傾くのに対し、舛添、与謝野両 氏は谷垣禎一総裁ら執行部の一新による自民党再生も選択肢に掲げ ている点に温度差もある。

政治評論家の浅川博忠氏は邦夫氏の新党構想について「与謝野 氏と一緒に動く可能性はなきにしもあらずだが、舛添氏は打倒・谷 垣で後継の自民党総裁になる方に焦点を当てている。新党結成には 10億円から20億円の資金もかかるし、リスクも高い」と指摘して いる。

与謝野論文

与謝野氏は、邦夫氏との連携を模索している。与謝野氏は3月 10日に発売された文芸春秋4月号で「新党結成へ腹はくくった」と 題する論文を発表。自民党の現状について「このまま手をこまねい ていては、自民党は近い将来永田町から消え去ってしまうだろう。 こうした危機感すら現執行部にはない」と谷垣禎一総裁らを公然と 批判した。その上で、新党結成の可能性にも言及し、「わたしが決断 を下す時期はそう遅くはないだろう」と明言した。

与謝野氏は論文で、邦夫氏、自民党の園田博之幹事長代理と最 近会談し、与謝野氏自身は本当の「捨て石」になってもいいから、 「新た旗を掲げようではないか」と話し合ったことも認めている。

その園田氏は15日、幹事長代理の役職を辞任する意向を大島理 森幹事長に伝え、了承されたと共同通信が同日午後、報じた。与謝 野氏側近として知られる園田氏だが派閥は谷垣氏と同じ古賀派に所 属し、谷垣氏が党政調会長だった際には政調会長代理として支えて いた。

舛添勉強会

こうした動きに対し、舛添氏の立ち位置は微妙だ。邦夫氏とは 東大法学部政治学科を同じ1971年に卒業した同窓。昨年夏の衆院選 では苦戦が伝えられていた与謝野氏の出陣式で応援弁士を務めるな ど、同氏と個人的な関係はある。

しかし、舛添氏が2月、党内に結成した「経済戦略研究会」の 中心メンバーの塩崎恭久元官房長官、菅義偉元総務相らは、与謝野、 邦夫両氏と郵政民営化の見直しや消費税増税論議などで政策的に対 立してきた面々だ。

同研究会の呼び掛け人の1人で、安倍晋三内閣で首相補佐官を 務めた世耕弘成参院議員は15日、自身のブログで邦夫氏と舛添氏が 連携する可能性について「あり得ない。舛添議員は構造改革路線、 郵政民営化推進の立場を明確にしている。この点でまったく政策的 にかみ合わない」と否定した。

谷垣氏

こうした中、谷垣総裁は14日、邦夫氏の新党結成に関する発言 について党の中で議論をしていただくのは結構だが、こういう類の 話を外に向かって発信するのは遺憾だ、と訪問先の沖縄県名護市で 記者団の質問に答えたと同日の共同通信は伝えている。

一方、首相は15日夕、官邸で記者団に対し、実弟の邦夫氏が自 民党を離党したことについて「弟もいろいろと考えた末の行動だと は思うが、他党のことだから、わたしの方から何もコメントするも のはない。連携するとかそういうことは考えていない」と述べた。

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