米ゴールドマンとJPモルガン、店頭デリバティブの担保要求拡大

店頭デリバティブ(金融派生商品) 取引で最大手の米ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・ チェースは、同事業で数十億ドルの収入を上げるばかりか、同市場に おける影響力を背景に割安で資金を確保している。

共にニューヨークに拠点を置く2社は、ヘッジファンド会社に対 して平等でない取り決めを要求しており、店頭デリバティブ取引への 自社資金を減らす一方で、取引リスク相殺のため現金担保額を増やす ことをヘッジファンドに強く求めている。当局への届け出によると、 この結果ゴールドマンは昨年12月末時点で、高利回り資産に再投資が 可能な1100億ドル(約10兆円)の資金を得た。

かつて米証券取引委員会(SEC)で市場規制担当ディレクター を務め、米ベアー・スターンズのヘッジファンド向け事業を1999年か ら2006年まで率いたリチャード・リンゼー氏は、「市場の主役と認め られていて、他社にはない商品を持っていれば、交渉を有利に導く力 を手にすることになる」と指摘。「現在、ゴールドマンとほんの一握り の銀行でしか、店頭デリバティブ商品を購入できない」と述べた。

ガイトナー財務長官は1月27日の下院公聴会で、米保険会社アメ リカン・インターナショナル・グループ(AIG)の08年の経営危機 は、同社のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が価値を失 い信用格付けが引き下げられた後に200億ドルの担保要求に応じられ なかったことによって加速したと証言した。同長官は当時、ニューヨ ーク連銀総裁だった。ゴールドマンはAIGの主要取引先の1社。

07-09年の担保

ゴールドマンのデービッド・ビニアー最高財務責任者(CFO) は、政府がAIGを救済しなかったとしても、同社の厳しい担保規定 のおかげでAIG破たんによるデフォルト(債務不履行)は回避でき ただろうと述べていた。実際は、1823億ドルの公的資金注入によって、 ゴールドマンなどは債権を全額回収することができた。

SECへの今月の届け出によると、店頭デリバティブ市場でゴー ルドマンは07-09年、取引先が差し入れる担保額を引き上げてきた。 09年12月時点のゴールドマンの店頭デリバティブ貸付残高に対する 同社に差し入れられた担保額の比率が57%だったのに対し、ゴールド マンの負債に対する同社が差し入れた担保額の比率は16%にとどま った。08年の各比率は45%と18%、07年は32%と19%だった。

ゴールドマンの広報担当マイケル・デュバリー氏は、「われわれは 担保の取り決めを全体的なリスクマネジメント統制の一環として管理 しており、利益を推進するものとして扱っていない」と説明した。同 氏は、ブルームバーグ・ニュースの担保に関する潜在的なリターンの 推定には「欠陥がある」と指摘したものの、詳細な説明を控えた。

JPモルガンの広報担当、ブライアン・マーチオニ氏はこの件で コメントを控えている。

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