OPECの減産は幻か-加盟国の掘削リグ、07年以降で最大の増加

石油輸出国機構(OPEC)で稼 働中の石油掘削装置(リグ)の増加ペースが過去2年半で最大となっ ている。OPECの1日当たりの産油量が生産目標を超大型タンカー 約1隻分上回り、17日にウィーンで開かれる総会でも増産が決定され る可能性は低いとみられているにもかかわらずだ。

エネルギー関連サービス会社の米ベーカー・ヒューズのデータに よると、OPECの1-2月のリグ増加率は8.4%と、2カ月間とし ては2007年6月以降で最大となった。ブルームバーグが集計したデー タによると、イラクを除くOPEC加盟国の2月の産油量は日量2680 万バレルと、生産目標を約190万バレル上回った。タンカー関連の調 査会社オイル・ムーブメンツによると、輸出は今月も増加すると予想 されている。

08年末に4年ぶりの安値に下落した原油価格は、OPECが過去 最大規模の減産を発表するなか回復した。生産量が目標を上回る事態 は、原油価格が08年末以降約2倍に上昇した流れを引き継いで当然起 こり得る動きだったと、世界エネルギー研究センター(CGES)と ドイツのコメルツ銀行はみている。15年に引き渡しとなる原油先物の プレミアムは過去3カ月間に51%縮小しており、投資家の間で将来原 油が不足するとの見方が弱まっていることが示されている。

CGES(ロンドン)の副ディレクター、レオ・ドロラス氏は「O PECは気概を示す必要があるだろう」と指摘する。CGESはサウ ジアラビアのヤマニ元石油鉱物資源相が設立した。同センターは北海 ブレント原油価格が10-12月(第4四半期)に25%下落し、60ドル になると予想。「OPEC加盟国が生産目標を順守できなければ、価格 は15年までに50ドルに下がるだろう」との見方を示した。

OPEC総会

昨年は、OPECが日量最大370万バレルの減産を実施し、世界 経済が第2次世界大戦後最悪の落ち込みから回復したのを受けて、原 油価格は高騰した。ブルームバーグの調査によると、アナリスト44 人中42人が、OPECが17日にウィーンで開く総会では、日量2484 万5000バレルの生産目標が据え置かれると予想している。

OPECは10日、非加盟国の生産や世界の消費を分析した上で、 現行の生産量は4-6月(第2四半期)の需要を日量150万バレル上 回るとの推計を示した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油相場は今月12日に

1.1%下落。過去2週間では2%上昇している。

OPECは15年までに生産能力を日量1200万バレル増強するこ とを計画。この量は現在のサウジの生産能力に相当する。国際エネル ギー機関(IEA)によると、生産能力の拡大は、予想される需要の 伸びを上回るとみられる。

リグの増加

ベーカー・ヒューズによると、OPECのリグ数は今年に入って 22基増加し計283基となった。サウジとベネズエラでの減少をアフリ カでの増加が相殺した形だ。OPEC非加盟国は同じく22基増の計 785基となり、増加率は2.9%だった。

コメルツ銀のアナリスト、オイゲン・ワインベルク氏は「OPE Cの生産能力の増強目標は非常に強気だが、大部分は持続可能とわた しは考えている」と指摘。「余剰生産能力が増加する可能性は縮小では なく、むしろ拡大している。このため、原油価格の上昇には限界があ るだろう。たとえ需要が堅調に伸びても、価格上昇は鈍化するはずだ」 との見方を示した。

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