円反発、中国株安や英米格下げ懸念でリスク回避-日銀会合を警戒

東京外国為替市場では円が反発。 中国の追加金融引き締め観測や人民元をめぐる米中の対立悪化懸念を背 景に中国株が下落したほか、英米の格下げ懸念が浮上したことから、リ スク回避に伴う高金利通貨売り・円買いの動きが優勢となった。

円は対ユーロで早朝に付けた約5週間ぶり安値の1ユーロ=125円 32銭から一時、124円38円まで上昇。対ドルでは1ドル=90円台後 半から半ばへ値を切り上げた。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、中国に 対する人民元切り上げ要求圧力が強まっており、中国株が軟調に推移す る中、円が強含む展開になったと説明。また、日本銀行の追加金融緩和 観測については「だいぶ織り込んでしまっており、逆にやらなかった時 のリスクが怖い」とし、あすから始まる日銀の金融決定会合を前に、円 の反発リスクを警戒する姿勢を示した。

円は対ポンドでも早朝に付けた2月25日以来の安値、1ポンド= 138円24銭から約1円上昇。米格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスは、米英両国は債務負担の増大により最上級の「Aaa 」格付けを失う可能性が「大幅に」高まったと指摘した。

米中の対立

15日の中国株式市場では上海総合株価指数が下落。中国政府が経 済成長とインフレの抑制に向けてさらなる措置を講じるとの観測が背景 にある。

また、人民元をめぐり米中の対立が深まっていることも投資家心理 の重しとなった。チャールズ・シューマー上院議員(民主、ニューヨー ク州)ら米議員は、中国の輸出が過小評価された人民元相場による不当 な恩恵を受けているとして、中国製品への関税を引き上げるべきだと主 張。中国の温家宝首相は全人代閉幕後の記者会見で、「人民元は過小評 価されていない」とした上で、「各国がお互いに批判し合い、通貨切り 上げの強制にまで踏み込むことにわれわれは反対する」と言明した。

一方、ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では、有力日銀ウ オッチャー17人の大勢が16、17日に開かれる日銀の金融政策決定会 合で新型オペの拡充による追加緩和を予想している。

これに対し、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、昨 年3月以降、声明に盛り込まれてきた低金利を「長期間」維持するとい う文言が修正される可能性があるとみられている。

日米の金融政策の方向性の違いが意識される中、円は12日に対ド ルで一時、91円9銭まで下落、2月23日以来の安値を付けたが、週 明けの東京市場では円売りも一服。三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒 井聡彦営業推進役は、日銀の金融緩和について「先週末の予算委員会で の白川日銀総裁の発言も言質を取らせないような答弁となっており、市 場はやや前のめりになっているようにも見える」とし、今回の会合で追 加金融緩和が見送られれば、「失望の円買いになる可能性がある」と指 摘している。

ギリシャ支援問題

欧州では15日にユーロ圏の財務相らの会合、16日には欧州連合 (EU)財務相理事会が行われる。

一部報道では、ギリシャがEUから550億ユーロの支援を受ける 可能性があると報じられており、ギリシャ支援問題で進展があるかどう かが注目されている。

ユーロ・ドル相場は前週末に1ユーロ=1.3796ドルと2月11日 以来、約1カ月ぶりの水準までユーロ高が進行。その後はもみ合いとな り、15日の東京市場では1.37ドル台後半から前半へユーロが弱含む 展開となった。

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