債券は小幅高、先物に急落後の反動買い-中期中心に現物の買い観測も

(第13段落以降にあすの20年債入札に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

3月15日(ブルームバーグ):債券市場では先物相場が小幅高(利 回りは低下)。日経平均株価が朝高後に一時下げに転じるなど上値の重 い展開となる中、限月交代後に急落した先物買いが優勢だった。中期 ゾーンを中心に投資家の現物買いの観測が強いことも相場を支えた。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベス トメントマネジャーは、先物は先週後半にかけての売りが一巡したと 指摘。現物市場についても目立った取引は見られなかったとしながら も「5年債利回りの0.5%台では買いが入る展開だった」と話した。

東京先物市場の中心限月6月物は前週末比1銭安い138円84銭で 開始。株価続伸もあって直後に138円79銭まで下げたが、すぐに買い が先行して一時は138円99銭まで上昇した。その後は138円90銭を 挟んでのもみ合いとなり、結局は7銭高い138円92銭で取引を終えた。

先物6月物は限月交代後の11、12日に大きく下落したものの、こ の日の取引ではこうした反動もあって売り圧力が弱まる展開だった。 BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、先物には 限月交代を終えて新規ショート(売り持ち高)が膨らんだが、現物市 場で投資家の押し目買いが予想される中では売りが続きにくいとみて おり、「朝方には一部の売り方から買い戻しが入ったようだ」という。

また、この日の株式市場で日経平均株価は3日続伸して始まり、 1月21日以来の高値圏で推移したが、午前の取引中盤からは小幅なが ら下げに転じたことも債券相場の支えとなっていた。

日銀会合控え動意乏しい

もっとも、日銀が16、17日に金融政策決定会合を開催することか ら、午前の買い一巡後には動意の乏しい展開が続いた。

市場では、日銀が昨年12月に導入した新型オペを拡充して、政策 金利0.1%で期間3カ月の資金供給を10兆円から拡大するとの見方が 多い。この場合、中期ゾーンを中心に債券相場の下支え要因とみられ ている。ブルームバーグ・ニュースの調査で有力日銀ウオッチャー17 人の大勢が新型オペの拡充による追加緩和を予想した。

しかし、RBS証券の西岡純子チーフエコノミストは、資金供給 額の5兆円規模の上積みであれば市場で織り込み済みであり、短期的 には債券市場で売り材料になりかねないとの見方を示した。

10年債利回りは1.34%

現物市場で新発10年物の306回債利回りは12日の終値と同じ

1.34%で始まった。開始後いったんは0.5ベーシスポイント(bp)低 い1.335%をつけたが、その後は1.34-1.345%で推移している。

306回債利回りは前週半ばには1.3%割れをうかがったものの、そ の後は先物市場の売りなどをきっかけに、週末にかけて上昇に転じる 展開となっており、この日も1.3%台半ばでのもみ合いが続いた。

もっとも、23日の国債償還を控えて市場では需給逼迫(ひっぱく) が見込まれており、先物下落に追随した金利上昇は一時的との指摘も 多い。BNPパリバ証の山脇氏は、日銀会合などのイベント後には投 資家の押し目買いが見込まれるほか、20年債入札を通過すれば4月6 日の10年債入札まで長期ゾーンの供給がなくなるといい、「10年債利 回りは週末にかけて再び1.3%台前半の水準を探る」とみていた。

中期債相場が堅調な展開となり、5年物の88回債利回りは午前に 1bp低下の0.505%をつけ、その後は0.51-0.515%で推移している。

あす20年債入札、クーポン据え置きか

財務省は16日に20年利付国債(3月債)の価格競争入札を実施 する。新発20年債の表面利率(クーポン)について、市場では2.2% に据え置かれるとの見方が有力だ。発行予定額は前回債と同じ1兆 1000億円程度。

2月後半以降に中長期ゾーンの金利水準が切り下がる場面でも、 20年債など超長期債市場の反応は鈍かったものの、あすの入札につい て波乱を予想する見方は少ない。RBS証の西岡氏は、ここ最近の国 債入札が順調だったことから需給環境の良好ぶりがうかがえるといい、 「20年債については生命保険会社などの安定的な需要もあって、入札 は無難にこなすのではないか」とみている。

ただ、20年債に関しては他年限と比べて需給不安もくすぶってい る。三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストは、20年債は利回 り曲線上で最も割安なセクターだとしながらも、主要な投資家である 生保は保有債券の年限長期化の対象を30年債にシフトしているほか、 外国人や信託銀行の買いも乏しくなっているといい、現状の金利水準 では需要を十分に集められないと懸念する。

--取材協力:日高正裕 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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