日銀、新型オペ増額も短期市場は影響限定的-アナウンス効果狙いか

16、17日の日銀金融政策決定 会合では、昨年12月に導入した新型オペの増額が有力視されている が、当の短期金融市場では、決定されても影響は小さいとの見方が大 勢だ。ターム(期日)物金利はすでに政策金利の0.1%付近まで下が っている上、日銀は全体の資金供給量の大幅な拡大を抑えるとみられ ているためだ。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、日銀が策を打ち出すと すれば、新型オペの増額ではないかと指摘しながらも、「資金供給オ ペ全体の残高はあまり増えないだろう。従来のオペの金利も0.1%付 近まで下がっている。為替市場や株式市場、政府など、対外的なアナ ウンスメント効果が日銀の最大の目的だ」という。

国内大手銀行の資金担当者は、新型オペ拡充は短期市場には影 響がなくても、その他の市場や政治家が追加金融緩和だと受け止めれ ば成功するとして、為替や株価の反応に注目している。

0.1%で3カ月物の資金を10兆円供給している新型オペについ て、短期市場が有力視している拡充策は20兆円までの残高積み増し。 今月で終了する企業金融支援特別オペ(0.1%、3カ月物、金額無制 限)の残高5兆円を補う意味では技術的な変更に近い内容だ。

計算上は、新型オペ10兆円の積み増しで特別オペの穴を埋めた 上に5兆円の純増となるが、実際には、従来の資金供給オペの縮小で 相殺される部分が大きいとの見方が多い。全体の資金量を日銀当座預 金残高でみると、昨年12月の新型オペ導入前の3カ月平均12.3兆 円に対し、導入後は14.8兆円までの増加にとどまり、足元では13 兆円台で推移。新型オペ導入後も当座預金残高はあまり増えていない。

ターム物金利はすでに低下

また、国庫短期証券(TB)3カ月物から1年物の利回りは

0.12-0.13%、最上位格付け企業が発行するコマーシャルペーパー (CP)3カ月物は0.11%前後と、ターム物金利は新型オペの貸付 利率とほとんど変わらない水準まで下がっている。

一方、新型オペの使い勝手の悪さも指摘される。同オペは1回 8000億円で、応札した金融機関に合わせて案分される。1社が上限 2000億円で応札しても、案分比率が12-15%前後なら確保できる 資金は200-300億円程度。金利競争入札で必要額を確保できる従来 の共通担保オペを増額した方が有効との声も聞かれる。巨額の発行が 続くTB市場では、証券会社1社の資金調達量が大きいためだ。

市場機能

日銀の白川方明総裁が「広い意味での量的緩和」を表明しなが ら、必ずしも大幅に資金量を増やさないのは、これ以上、短期市場に 介入して、市場機能を壊したくないためだ。金武氏は「資金を緩めて 金利を下げ過ぎると、国債の資金手当てを支えるレポ市場がまひして しまう」という。

日銀は1月の金融調節で当座預金を15兆円程度に維持し、その 間のレポ金利は下限0.1%付近に張り付いた。しかし、資金の出し手 である大手銀行が利息0.1%の準備預金に資金を放置し始め、レポ市 場への資金流入が滞り、金利が急騰する場面もあった。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「当座預金残高やレポ金利 のコントロールが変わらなければ、新型オペを増やしても影響が小さ いことを参加者も分かっている。追加緩和報道に対して、短期市場の 反応は冷静だ」という。

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