エールフランス、カンタス:「全面戦争」突入-低予算の出張客獲得で

オーストラリア最大の航空会社、 カンタス航空が羊皮カバーのマットレスを備えたファーストクラスを 廃止する一方で、同業のエールフランス・KLMグループは最低料金 のエコノミー席を一部廃止するなど、航空各社の間では両クラスの中 間に位置する低予算ビジネス客を獲得するための動きが広がっている。

昨年はファーストクラスやビジネスクラスの旅客需要の低迷によ り、航空会社の売上高は850億ドル(約7兆7100億円)減少した。一 方、運賃がエコノミークラスの3倍以上する座席への支出を企業が削 減するなか、新たな範ちゅうの乗客が生まれている。欧州最大の航空 会社、エールフランスとカンタス航空はプレミアム・エコノミークラ スの座席を新設。ニュージーランド航空はエコノミークラスにフルフ ラットシートを導入している。

UOBケイ・ヒアン・リサーチのK・アジス氏(シンガポール在 勤)は、「このセグメントで乗客争奪の全面戦争になる」と指摘。「ビ ジネスクラスとエコノミークラスの垣根が低下し、乗客のコスト意識 の高まりによってその垣根はますます低くなる」との見方を示した。

国際航空運送協会(IATA)が先週公表したデータによると、 世界的リセッション(景気後退)で、6年間続いた上級クラス旅客の増 加傾向が姿を消し、座席クラスは「劇的に」二分化された。エコノミ ークラスは2008年早い時点のピーク時にほぼ並ぶ水準に回復したの に対して、ビジネスクラスは同時点を依然17%下回っているという。

エールフランス・KLMグループのウェブサイトによれば、4月2 日運行のシンガポール・パリ間往復のプレミアム・エコノミークラス のチケットは2218ドルで、ビジネスクラスの半額以下だ。エコノミー クラスの料金は1432ドル。同社は長距離路線の大半で、エコノミーク ラスよりも約40%座席スペースの広いプレミアム・エコノミークラス を設ける計画だ。

カンタス航空は4億豪ドル(約332億円)を投じて米ボーイング 機9機とエアバスA380型機8機でファーストクラスをなくすなどの 改修を行う。同社のアラン・ジョイス最高経営責任者(CEO)は2 月のインタビューで、こうした変更は短期的なものではなく、「向こう 10年間の状況に最も適した形態だと思う」と語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE