【今週の債券】長期金利1.3%割れ試す展開、緩和強化なら低下余地も

今週の債券市場で、長期金利は約 2週間ぶりに1.3%割れを試す展開となりそうだ。国債償還などで投 資家の運用資金に余裕が出るとみられているためだ。日本銀行が16、 17日に開く金融政策決定会合で追加緩和策を実施すれば、中期債を中 心に金利低下余地が広がるとの見方も多い。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「日銀が新型 オペの拡充に踏み切ったとしても新味は乏しいが、国債償還を控えて 好需給が意識されるのではないか。10年債は次回の入札まで3週間強 も間隔が開くため、投資家の動向次第では1.3%割れを探る」と予想 する。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグが12日までに市場参加者3人に聞いた今週の予想レンジは

1.25%から1.37%だった。1.3%割れとなれば2日以来となる。前週 末の終値は1.34%。

市場の今週の注目材料は日銀の金融政策決定会合。市場では昨年 12月に導入された0.1%の固定金利で期間3カ月の資金を供給する新 型オペを10兆円から20兆円への供給額引き上げや期間を6カ月に延 長することなどの拡充策を予想する見方が多い。

シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、現在の 資金供給額の上限の10兆円近くに達している上、今月末で企業金融支 援特別オペが終了するため、その振り替えという点からも新型オペの 拡充が有力視されていると説明。「期間を6カ月に延長するだけで供給 額は単純に倍になる。具体的には20兆円という観測がある」という。

これらが実施された場合、中期債を中心に利回りが低下するとみ られている。シュローダー証券投信投資顧問運用部の塚谷厳治債券チ ームヘッドは、「短期金利は低下しており、日銀が新型オペを増額すれ ば5-7年ゾーンの中期債の金利が低下してくる」と予想する。

見送りなら失望売りとの見方

もっとも、市場はこうした緩和強化の実施をおおむね織り込んで いるとみられることから、シティグループ証の佐野氏は「今回の会合 で見送られれば、いったんは債券に失望売りが出る」とみる。

ただ、3月の会合で見送りとなっても、国内景気の先行き不透明 感が根強いことから、JPモルガン・アセット・マネジメントの国部 真二債券運用部長は、日銀の追加緩和姿勢は明確だといい、「今回はな くても今夏の参院選までには追加緩和を行う」として、債券相場への 影響は限定的との見方を示している。

一方、米国では16日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ る。市場では非伝統的な手段による金融緩和策からの「出口戦略」を 緩やかなペースで進めていく姿勢に変化はないとみられている。JP モルガン・アセットの国部氏は、「出口戦略に向けて、金融政策の変更 と受け止められないように慎重に文言を修正してくる」と予想する。

20年債入札、無難な結果か

需給面では、16日の20年国債の入札が注目される。週末の入札 前取引では2.15%で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債と 同じ2.2%か、0.1ポイント低い2.1%が予想されている。発行額は1 兆1000億円程度。

シティグループ証の佐野氏は、9日に行われた20年債と同じ超長 期ゾーンの30年債入札が好調だったことやその後の相場の推移を見 ても、今回の20年債入札への不安は乏しいと指摘。「無難な結果と考 えるのが妥当だろう」と予想する。JPモルガン・アセットの国部氏 も「クーポンが2.2%になりそうなので特に問題ない」と述べた。

市場参加者の予想レンジとコメント

12日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月6月物、新発10年国債利回りは306回債。

◎シュローダー証券投信投資顧問運用部の塚谷厳治債券チームヘッド

先物6月物138円70銭-139円40銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「上昇か。日銀が追加緩和政策を検討すると報じられている。中 国株の動向や円相場が再び80円台に乗せるとみられ、株はやや行き過 ぎ。短期金利は低下しており、日銀が新型オペを増額すれば、5-7 年ゾーンの中期債の金利が低下してくる。20年債入札は問題ないだろ う。FOMCは緩やかに資金供給を減らしていく流れから変化はない」

◎JPモルガン・アセット・マネジメント債券運用部長、国部真二氏

先物6月物138円30銭-139円30銭

新発10年債利回り=1.29%-1.37%

「押し目買いの機会を探る展開。日銀は新型オペを20兆円に増額 するか、期間を延長するか小出しにするのではないか。今月でなくて も参院選までに追加緩和を行うとみられ支援材料。5年債利回りが

0.5%を超えており十分買って良い水準。FOMCの声明は出口戦略に 向けて金融政策変更と受け止められないよう慎重に文言を修正してく ると思う」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物138円60銭-139円40銭

新発10年債利回り=1.28%-1.36%

「長期金利は週央以降に低下局面がありそう。日銀が新型オペの 拡充に踏み切ったとしても新味は乏しいが、国債償還を控えて好需給 が意識されるのではないか。10年債は次回の入札まで3週間強も間隔 が開くため、投資家の動向次第では1.3%割れを探るとみている。20 年債入札は発行額が多くないこともあって無難にこなす」

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Hidekiyo Sakihama

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