NY外為(12日):ドルと円下落、成長期待で新興国通貨買い

ニューヨーク外国為替市場では ドルと円が大半の主要通貨に対して下落。米小売売上高が予想外に 増加したことで、世界経済の成長に伴い上昇が見込める資産への投 資意欲が高まった。

アジアの新興国経済の成長が同地域中央銀行による利上げを誘発 するとの見方から、マレーシア・リンギットやインドネシア・ルピ アなどが買われた。円は対ドルで2週間ぶり安値。緊急の資金供給 プログラム終了に伴い、日銀が追加の金融緩和を講じるとの観測が 強まっている。カナダ・ドルは対米ドル等価水準に接近した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏は、「データは確かにリス ク支援の内容だ」と指摘。「世界経済の回復を物語っている。米国 の個人消費も持ち直してきた。これは新興市場経済にとって大きな プラスだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時17分現在、ドルは対ユーロで1ユー ロ=1.3757ドル。前日の同1.3681ドルから0.6%のドル安。週間で は1%下げた。円は対ユーロで0.5%下げて1ユーロ=124円48銭 (前日は同123円82銭)。週間ベースでは1.2%の円安。ドルは対 円で前日比ほぼ変わらずの1ドル=90円51銭。一時は2月23日以来 の高値となる91円9銭を付けた。

米商務省が発表した2月の小売売上高(速報値)は季節調整済み で前月比0.3%増と、前月の0.1%増(速報値0.5%増)から伸びが拡 大した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値では0.2%減だった。

カナダ・ドル

2月のカナダ雇用者数が2カ月連続で増加し、過去最低の政策金 利(0.25%)が近く引き上げられるとの観測が強まったため、カナ ダ・ドルは対米ドル等価水準に接近した。カナダ・ドルは一時、1 米ドル=1.0156カナダ・ドルまで上昇。2008年7月以来の高値に達 した。

経済統計の改善とギリシャ危機収拾への期待を背景に、今週はア ジア通貨が上昇した。

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は、「投資家はこうしたアジア通貨をグル ープとしてとらえてその成長実績に注目し、一部の国で実施された 政策行動から、このグループの通貨にまだ上昇の余地はあると判断 した」と指摘した。

マレーシア・リンギットは今週1.7%上昇、韓国ウォンは1.1%上 げた。

追加緩和観測と口先介入

日銀の当局者2人によると、無制限の資金供給プログラムの終了 を前に、景気支援を続けるための手段として銀行に対するオペの上 積みが検討されている。日銀の政策会合は来週16、17日に開かれる。

また、菅直人副総理兼財務相は参院予算委員会で為替政策につ いて、「あまりにも急激な動きには為替介入という手段も持ってい るが、基本的には安定的な形で推移している限りは市場に任せるべ きだと考えている」と発言した。

鳩山由紀夫首相は同委員会で、為替相場の動向について「日本 の経済、産業の力が十分ではない中で、それを反映しているとは思 えない円高が生まれている。そのような円高に対してしっかりした 対策を打つ必要がある」と述べた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外国為替調査部門バイスプレ ジデント、メグ・ブラウン氏(ニューヨーク在勤)は、「口先介入 は市場を怖気づかせ、ドル買い・円売りを誘発した」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE