財務省:広義の沖縄密約は存在―NY連銀に無利子預金5300万ドル

財務省は12日夕、1972年の沖縄 返還に絡んだ日米間の密約問題について、日本政府が米連邦準備銀行 に27年間にわたり5300万ドルを無利子で預けていたとの調査結果を 発表し、「密約あるいは広義の密約が存在した」との見解を示した。

菅直人副総理兼財務相は同日の記者会見で、沖縄返還時に日本側 から米国側への公式負担額3億2000万ドルを上回る負担があったと の見解を示す一方で、無利子預金の運用益分が事実上、米国側に供与 されたとの指摘については「そういう見方は当たらない」と述べ、運 用益の活用については解明できなかったことを明らかにした。

同省の調査によると、沖縄返還時に通貨交換で取得された総額1 億347億ドルの一部5462万ドルが米国に送金され、米ニューヨーク連 邦準備銀行の旧大蔵省の口座に入金された事実も明らかになっており、 この資金がほぼ全額無利子で預けられていたことになる。

米国議会の関連資料などによると、約6000万ドルを利子率6%と 想定して25年間無利子で預金した場合に得られる利益は1億1200万 ドルと算定している。しかし、同省が試算したインカムゲイン(預金 から生じる受取利子)は4600万ドル程度にとどまるという。

無利子預金の存在を認める文書は米国国立公文書館に残っていた。 1969年に当時の福田赳夫蔵相が米国側と沖縄返還に伴う財政負担に 関する会談が行われたことが確認されており、同文書は同会談の成果 文書として取りまとめられた可能性が高いという。

同文書では「沖縄返還に伴う通貨交換により取得したドル(6000 万ドルまたは実際の通貨交換額のいずれか大きい額)を少なくとも25 年間、米ニューヨーク連銀へ預金する」と明記されていた。

同省が同文書をもとに行った米ニューヨーク連銀への調査では、 1972年から99年まで5300万ドルの最低限の無利子預入残高を維持す るとの指示が日本の旧大蔵省からあったことが分かった。99年12月 には5350万ドルから900万ドルに引き下げている。

また、日本銀行も99年末時点で米ニューヨーク連銀に無利子で預 金していた5000万ドルを300万ドルに引き下げており、合わせて計1 億350万ドルが1200万ドルに減額されたことになる。同省は日本銀行 分も日本が沖縄返還時に取得したドルの一部と見ている。

一方、日銀も12日夕、米連銀に対する日銀の無利子預金の残高推 移を公表した。それによると、無利子預金は1970年末の6万ドルから 71年末には1億ドルに急増。73年以降は98年まで5000万ドルの水準 を維持した。

--共同取材:日高正裕  Editor:Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi +81-3-3201-3142 kshimodoi@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Chris Anstey +81-3-3201-7553   canstey@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE