【日本株週間展望】一段高へ、追加金融緩和と円安期待-過熱感注意

3月第3週(15-19日)の日本株 相場は、一段高となりそうだ。日本銀行による追加的な金融緩和策へ の期待感が高まっている。日米の金利差の観点から為替相場で一段の 円安が進めば、輸出関連株中心に上昇しそう。日経平均株価は、心理 的な節目の1万1000円挑戦の可能性も見えてきた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「日銀の金融決定会合が 最大の焦点となる。追加の金融緩和策が決定され、為替相場が一段の 円安傾向となるかどうかに注目している」とし、円安に振れれば、「日 経平均1万1000円にトライする場面も想定している」という。

日銀は16、17の両日、金融政策決定会合を開く。複数の関係者が 議題の選択肢として挙げているのが、全適格担保を対象に期間3カ月 の資金を政策金利の0.1%で供給する「新型オペ」について、現残高 の10兆円から少なくとも5兆円追加するというもの。デフレ脱却を 当面の政治課題に掲げる政府サイドからのプレッシャーが掛かる中、 独立性との間で下す日銀の判断に市場の注目が集まる。

明和証券の矢野正義シニアマーケットアナリストは、「国内景気の 消費者物価が下げ止まらず、デフレ状態にある中、日銀は追加の金融 緩和に踏み切らざるを得ないだろう」と予想。低金利の長期化観測で 円金利が低下すれば、「デフレの要因となっている円高が解消される」 (同氏)ためだ。

日米金利差は拡大

国際金融市場は、徐々に日銀の金融政策に対する変化の兆しを受 け止めているようだ。英銀行協会によると、ロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)は4日の取引で、円3カ月物が0.251%に低下、ドル 3カ月物の0.252%を下回った。09年8月21日以来、約半年ぶりに日 米の金利差が逆転、その後金利差は拡大し続けている。

金利差の拡大観測から、外国為替相場は円高修正の方向に続いて いる。ドル・円相場は4日の取引で1ドル=89円2銭と、09年12月 10日以来の円高水準を付けたが、10日には90円82銭まで円安が進ん だ。これを好感した3月2週の日本株相場は、日経平均が382円 (3.7%)高と、週間では今年最大の上昇率となった。

米国では、16日に米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市 場委員会(FOMC)会合を開催する。米国で金利政策を平時に戻す 『出口戦略』への観測が高まり、日銀の決定会合で追加的な金融緩和 策が決定すれば、第3週の為替相場では一段と円安が進む可能性があ る。また16日には、ギリシャの財政赤字削減計画が欧州連合(EU) に提出される。内容次第ではユーロが買い戻され、対ユーロでも円安 が進む場面もありそうだ。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、一段の円安 となれば、「来期の企業業績期待が高まりやすい。業績拡大観測が高ま った日清紡ホールディングスが急伸するなど、相場は来期業績観測に 敏感に反応し始めている」と見る。

外国人は買い越し基調、テクニカルは過熱

相場の需給環境も良好だ。東京証券取引所の発表によると、外国 人投資家は3月第1週(1-5日)まで4週連続で日本株を買い越し た。第1週の買越額は2325億円と、前の週(852億円)に比べ倍以上 になり、1月第3週(3236億円)以来の高水準を記録した。米国のナ スダック総合指数が昨年来高値を更新するなど世界的に株高基調とな る中、日銀の追加的な金融緩和策が広がり、投資家のリスク許容度が 高まっている。

ただ、テクニカル分析面からは急ピッチの上げに対する警戒感が 漂い、戻りを待った売り圧力の高まりには警戒する必要がある。日経 平均は、投資家の短中期の平均売買コストを示す25日移動平均線から の上方かい離率が12日時点で4.9%まで拡大、経験則的では5%を超 えると過熱感を示すと言われ、黄信号はともってきた。

大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の 高橋和宏部長は、「期待先行で上昇しているため、相場は一巡感が出や すい水準にある」と指摘する。

このほか、第3週に注目される材料は、米国で15日に2月の鉱工 業生産、16日に住宅着工件数が発表される予定。国内では、15日に不 動産経済研究所による2月の首都圏マンション販売、18日に1-3月 の法人景気予想調査が公表予定だ。

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