日本株は輸出や素材中心に続伸、日銀緩和期待の円安好感-SQ届かず

東京株式相場は続伸。日本銀行が 来週開く金融政策決定会合で、新型オペの上積みを議論する可能性が浮 上し、金利差拡大の思惑で為替相場が円安傾向にあったことが好感され た。自動車や精密機器など輸出関連株が上昇。ガラス・土石や化学、ゴ ム製品など海外売上高比率の高い素材株も買われた。

日経平均株価の終値は前日比86円31銭(0.8%)高の1万751円 26銭、TOPIXは同6.00ポイント(0.6%)高の936.38。

東海東京投資顧問の宮島孝典運用第1部長は、「日銀が追加的な金 融緩和姿勢にあるほか、政府要人の経済や産業界に配慮した発言が増え 始め、ドバイ・ショックをきっかけに政府・日銀がデフレ対策に打って 出た昨年12月の状況に似てきた」と見ている。

16、17日の日銀金融政策決定会合を前に、追加の金融緩和観測が 高まっている。複数の関係者が選択肢として挙げるのが、新型オペを少 なくとも5兆円追加する案。同オペは、全適格担保を対象に期間3カ月 の資金を0.1%で供給する手段で、残高は約10兆円。一方、12日付の 日本経済新聞朝刊は、日銀政策決定会合で、新型オペの供給額を20兆 円程度まで上げることが議論の軸になる、と伝えた。

こうした観測を受け、外国為替市場では円が対ドル、対ユーロで前 日よりやや円安方向で推移。業績懸念の後退で信越化学工業や富士フイ ルムホールディングス、ニコン、オリンパス、ファナックといった輸出 関連株が買われた。世界的に金融引き締めの方向にある中、日本は金融 緩和の方向にあり、「金利差拡大が見込まれることを背景に、為替の円 高懸念はだいぶ和らいできた。輸出株には朗報」と、みずほ投信投資顧 問の有村秀夫シニア・ファンドマネジャーは言う。

輸出株の中では、前日まで連日で昨年来高値を更新していたソニー や、今月に入り前日まで15%上げた任天堂が逆行して下落。「循環物 色の一環で、目先買われていたソニーなどからほかの銘柄に資金が向か った面もありそう。相場は循環物色に新規資金の流入も重なり、全体の 底上げが期待できる」と、東海東京投資顧問の宮島氏は話した。

このほか、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナン シャル・グループなど銀行株が取引終了にかけ値を切り上げ、東証銀行 指数はTOPIXの上昇寄与度1位。大和証券グループ本社、野村ホー ルディングスといった証券株も高い。前日の米国市場で、米医療保険改 革法案の議会通過は難しいとの観測が広がり、ヘルスケア関連株が上昇 した流れを受け、武田薬品工業や第一三共も上げた。

SQ売買は買い優勢、終値で届かず

この日は、株価指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ) 算出日だった。開始直後に算出された日経225型SQは、複数証券の調 べで1万808円73銭と前日終値を143円上回った。東洋証券の中川祐 治デリバティブ・ディーリング室長は、SQが足元の水準と比べ高かっ た点について、「米国株が堅調なほか、日本で金融緩和観測が日増しに 強まっていることもあり、市場参加者が売るに売れない状況に置かれて いる影響が大きい」と指摘していた。

中川氏によると、日経平均採用1銘柄当たり300万株程度の売買が あり、差し引きで20万株程度の買い越し。この日の日経平均は寄り付 きの1万777円が高値で、SQには届かなかった。ただ同氏は「世界的 に経済環境が良くなってきていることを考えると、今回のSQを上抜け るのは時間の問題」とみている。

東証1部の売買高は概算で26億7992万株、売買代金は2兆2320 億円。大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の西村由美次長 は、売買代金について「SQ算出絡みが1兆1000億円強だったことを 勘案すると、実質的には依然薄商い」と指摘していた。

東証1部の値上がり銘柄数は992、値下がりは502。業種別33指数 は、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、化学、精密機器、繊維製 品、医薬品、小売、輸送用機器など30業種が上昇。下落は石油・石炭 製品、電気・ガス、食料品の3業種のみ。

JFE商Hや大東紡が急伸、住金は安い

個別では、三菱UFJ証券が投資判断を新規に「1(強いアウトパ フォーム)」とした日産自動車と富士重工業が高い。鋼材価格の上昇を 評価し、野村証券が強気の投資判断で調査を開始した阪和興業、JFE 商事ホールディングスは大幅高。中国のアウトレット事業に参画する大 東紡織はストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)で、東証1部の上昇率 トップ。上期(2009年11月-10年4月)の連結業績が従来予想を上回 る見通しと発表したオハラ、12年ぶり復配の日立造船も上昇。

半面、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「中立」から「売 り」に引き下げた住友金属工業が安い。就職情報事業の低迷で第1四半 期(09年11月-10年1月)の単体営業損益が赤字となった学情、第1 四半期は営業減益だったクミアイ化学工業も下げた。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.9%高の52.26、 東証マザーズ指数は1.6%高の423.53、大証ヘラクレス指数は0.2%高 の591.07とそろって上昇。個別では、米国でエイズ遺伝子治療の臨床 試験を行うため、米ペンシルベニア大学と共同研究契約を締結したタカ ラバイオが大幅高。ザインエレクトロニクス、エイチアイ、ACCES S、ガーラが買われた。半面、直近上場のエスクリ、大光が売られ、第 一興商、大阪証券取引所も安い。

-- Editor:Shintaro Inkyo, Makiko Asai, Tetsuzo Ushiroyama

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