債券下落、先物に限月交代後の売り優勢-長期金利は3週間ぶり高水準

(第10段落以降に今後の株価の見通しに関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

3月12日(ブルームバーグ):債券相場は下落(利回りは上昇)。 株式相場の上昇や円安を手掛かりに限月交代後の先物市場で売り圧力 が強まった。現物市場も買い手控えの中で利回り水準が切り上がり、 長期金利は午後の取引で約3週間ぶり高水準となる1.345%をつけた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、先物は限月 交代といったテクニカルな買い要因がはく落したと指摘。また、「世界 的な株高基調もあって現物市場では様子見姿勢が強まる中、先物急落 のあおりを受けて金利がじり高に推移した」ともいう。

東京先物市場の中心限月6月物は前日比5銭安い139円10銭で開 始。いったんは1銭安の139円14銭まで下げ幅を縮めたが、その後に 売りが膨らむと午後に入って138円74銭まで下落した。取引終盤には 138円80銭台で下げ渋り、結局は30銭安い138円85銭で引けた。

先物市場では前週後半以降に限月交代をにらんだ動きが広がり、 3月物の買い戻しがけん引する格好でじり高に推移した。その後、前 日から新たに中心限月となった6月物が売り込まれたことについて、 JPモルガン・アセットマネジメントの国部真二債券運用部長は、限 月交代が終わって海外勢の仕掛け売りが優勢になったとみていた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーも、海外市場の株高、金利上昇の流れを引き継いだとした上で、 債券先物6月物が139円台を割り込んできたことで、CTA(商品投 資顧問)から買いを外す売りが膨らんだとの見方を示した。

11日の米株市場では金融株中心に堅調地合いが続き、S&P500 種株価指数が2008年10月以来の高値圏に到達するなど主要な株価指 数が続伸。為替はドル・円相場が1ドル=90円台半ばから後半で取引 され、日経平均株価は1月21日以来の高値圏に上昇する場面もあった。

10年債利回りは1.34%

長期金利の指標とされる新発10年物の306回債利回りは前日終値 と同じ1.32%で始まり、しばらくは1.32-1.325%での取引となった。 しかし、その後はじりじりと水準を切り上げて、一時は2.5ベーシス ポイント(bp)高い1.345%まで上昇。新発10年債として2月22日 以来の高い水準をつけた。午後4時2分現在では1.34%で取引されて いる。

16、17日に開催される日銀の金融政策決定会合の決定を見極めた いとの声が多く、投資家の売買が手控えられる中で先物下落に追随し て金利水準が切り上がった。BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券 ストラテジストは、株価が予想以上の堅調地合いを維持していること が債券売りの要因だとしたほか、「日銀の金融政策決定会合を見極めた い雰囲気もあって、投資家は様子見の姿勢を強めている」と話した。

一方、23日には国債償還を迎えるため、市場では需給環境は良好 との見方が有力で、来週にかけて投資家の買い意欲が強まる展開も想 定されている。大和住銀投信の伊藤氏は、日銀の決定を受けた市場の 反応を見極めたいとしながらも、「余裕資金を抱える投資家は押し目買 いのタイミングを計っており、こうした中期ゾーン中心の買い需要が 金利上昇を抑制する」との見方を示した。

株高持続に懐疑的な見方

この日、債券市場では株価の堅調推移が売り材料視されたが、株 高の持続性については懐疑的な見方も出ていた。

株式市場では日銀による追加緩和の観測やこれに伴う円安進展の 思惑から、自動車や精密機械といった輸出関連株が相場上昇をけん引 した。しかし、BNPパリバ証の山脇氏は、追加緩和をはやす格好で 株価は上値追いの基調が続いたが、市場で憶測されている通り日銀が 昨年12月に導入した新型オペの拡充にとどめれば、日経平均でみて1 万1000円を突破する展開は考えにくいとの見方を示した。

岡三アセットの山田氏も、米国の雇用情勢が改善するとの見方も あって、足元では世界的に株高基調が維持されているものの、国内株 価は追加緩和に対する期待が強過ぎる感があるといい、「株価がいずれ 伸び悩むようだと債券買いのきっかけになる」とみていた。

--取材協力 池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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