3月11日の米国マーケットサマリー:S&P500が08年10月来高値

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3680 1.3657 ドル/円 90.56 90.52 ユーロ/円 123.88 123.62

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,611.84 +44.51 +.4% S&P500種 1,150.24 +4.63 +.4% ナスダック総合指数 2,368.46 +9.51 +.4%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .94% +.04 米国債10年物 3.72% -.00 米国債30年物 4.66% -.03

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,108.20 +.10 +.01% 原油先物 (ドル/バレル) 82.22 +.13 +.16%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが大半の主要通貨に対し て上昇。欧州債市場ではドイツ国債が約2週間ぶりの安値に下げ、 ギリシャの財政危機が収拾したとの投資家の楽観が反映された。

一方、ドルは南アフリカ・ランドやカナダ・ドルに対して上昇。 中国が成長抑制策に動くとの観測や、1月の米輸出と輸入の両方が 減少したことで、リスク資産への投資意欲が薄らいだ。スイス国立 銀行(中央銀行)が「行き過ぎた」フラン上昇を抑制するための介 入実施の姿勢をあらためて示したことから、スイス・フランは対ユ ーロで下落。スイス中銀は政策金利をゼロに近い現行水準で据え置 いた。

バンク・オブ・ノバスコシアの通貨戦略担当ディレクター、カ ミラ・サットン氏(トロント在勤)は、「ギリシャ情勢はかなり安 定した」と指摘。「毎日、少しずつ上昇している。ユーロにとって 概して良好な兆候だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時56現在、ユーロは対ドルで前日比

0.1%上昇の1ユーロ=1.3666ドル(前日は同1.3657ドル)。対 円では0.2%上昇の1ユーロ=123円86銭(前日は同123円62 銭)。ドルは対円で1ドル=90円63銭。前日の90円52銭から

0.1%のドル高。

ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇の3.18%。2日前の3.11%から戻したの は、ギリシャの債務問題取り組みへの反応でリスク資産への需要が 回復している兆候と受け止められている。同利回りはこの日、

3.2%をつけ、2月23日以来の高水準に達した。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は2008年10月以来 の高値に上げた。シティグループやザイオンズ・バンコープを中心 に金融株が上げたほか、米医療保険改革法案の議会通過は難しいと の観測が広がった。

シティグループは上昇。ビクラム・パンディット最高経営責任者 (CEO)は同行が継続的に利益を生み出せる環境にあると述べたの が好感された。ザイオンズも上昇。1-3月期は純利子差益が改善 するとの見通しを示したことが買い材料だった。

医療保険のコベントリー・ヘルス・ケアとエトナはいずれも上昇。 民主党が計画していた米医療保険改革法案の通過を容易にするため の「調整」というプロセス適用が困難になったとの見方が要因。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.4%高の1150.24。一時は0.6%まで下げる場面もあ った。中国のインフレが予想以上に加速したことから同国が利上げ に踏み切るとの観測が背景だった。ダウ工業株30種平均は44.51ド ル(0.4%)上げて10611.84ドル。

S&P500種は1月19日に1年3カ月ぶり高値の1150.23で引け たが、その後2月8日までに8.1%下落した。ギリシャを含む欧州 の複数国の財政に対して懸念が広がったほか、景気回復に伴い米連 邦準備制度理事会(FRB)が緊急措置を縮小する必要があるとの 見方が材料だった。

S&P500種に採用されるヘルスケア関連株は0.3%上昇した。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズ(イン ディアナ州サウスベンド)で25億ドル相当の資産運用に携わるス コット・タプリー氏は、「医療保険改革法案は完全に終わったとの 確信を強めた」と語り、「近い将来に大規模な変革が実現する見通 しはもうないことから、投資家はほっとしている」と述べた。

◎米国債市場

米国債市場では30年債が上昇。2年債との利回り差が過去最 大近くにまで拡大しており、投資妙味の高まりからこの日の30年 債入札への需要が高まった。

応札倍率は2.89倍と、昨年9月以来の高水準。最高落札利回 りは4.679%。ブルームバーグがまとめたプライマリーディーラー (米政府証券公認ディーラー)18社の予想平均である4.702%を 下回った。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責任 者、トーマス・トゥッチ氏は「保険会社や年金基金などの投資家は 引き続き30年債を購入している。利回り水準や相対価値が高いた めだ。長期債との比較では期間の短い国債には価値がほとんどない」 と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後1時27分現在、30年債利回りは前日比3ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の4.67%。2年債との利回り差 は一時3.80ポイントまで拡大した。2月17日には3.85ポイン トまで拡大。ブルームバーグのデータによると、これは少なくとも 1980年以降で最大だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は小反発。一時2週間ぶりの安値まで 下げたことで、値ごろ感からドルに代わる投資先として買いが戻り、 上げに転じた。ドルの対ユーロ相場は続落した。

金相場は前日に20日、50日、100日の各移動平均を割り込んで 終え、11日は一時1オンス=1100.50ドルと、2月25日以来の安値 を付ける場面もあった。ドルはユーロに対して一時0.2%安。10日 は0.4%下げていた。金は過去1年間で22%上昇した一方、ドルは 対ユーロで約6%下落している。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のトレーダー、 マシュー・ジーマン氏は「金は下げ渋り、前日終値水準にようやく 戻した。割安感に目を付けた投資家が買いを入れたうえ、ドルの下 落も買い材料となった」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比10セント高の1オンス=1108.20ドルで取引を終 了。週初からは2.4%安。2日連続で3種類の移動平均線を割り込 んで引けた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。ドルの動きに追随した。 1月の米貿易収支統計が景気回復ペースの鈍化を示唆した一方、米 失業保険申請件数は減少した。

経済指標が強弱まちまちだったことでドルは対ユーロで不安定 な展開となり、原油は99セントのレンジでもみ合った。投資家は この3年間、資源を価値保存手段としてとらえており、ドルの動き が商品相場を左右してきた。

エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバー (コネティカット州)のピーター・ビューテル社長は「ドルは値固 めに終始し、この3日間は株も小幅な動きにとどまっているため、 原油市場は動意にかける状態だ」と指摘。「景気が拡大していると いうのは一致した見方だが、景気回復の力強さについてはかなり不 透明だ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前 日比2セント(0.02%)高の1バレル=82.11ドルで取引を終了した。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE